2009年10月26日月曜日

第47回日本癌治療学会スカラーシップに参加して

             杉山徹岩手医科大学産婦人科学教室教授(中央)と
                スカラーシップ参加の有志一同

藤田敦子のひとりごと(がん対策、緩和ケア)

10月22日から24日まで、横浜で、第47回日本癌治療学会が開催されました。癌の領域では、日本で最大規模の学会であるだけでなく、今回、初めて、50人の患者・支援者を招待し、医療者と患者の協業の道が開かれた学会となりました(応募は約100名あったそうです)。

3日間を通し、杉山徹会長をはじめ、事務局の皆様に、温かいおもてなしを受けましたことを、心から、心から、感謝しております。

今回の3日間を通して、医療者と患者側が協働して、議論を深める試みが行なわれていました。また、様々な研究に触れることができました。

1日目に、「がん対策基本法に基づくがん医療は変わったか?2年間を振り返る」特別企画シンポジウムがあり、仙石大臣は、「法律を執行する主体があいまいなことが、がん医療の改革が進まない最大の理由」と指摘しておられました。「市民レベルでの活動や地方議会において、がん医療について議論が行われていくために、医療者の支援をお願いしたい」と述べられていて、予算を確保するためには、県民・市民への説明と納得が必要であり、医療者だけでなく、私たちも、もう一歩のがんばりを求められているのだと感じました。患者・報道の立場から、本田氏が、「成果を確認できる数値目標の設定、有効な指標の開発などが行うことが、今後の課題である」と指摘していましたが、私もそう感じております。
2日目は、「がん医療改革に向け、学会と患者が共にできること」がありました。学会会員に対して事前にアンケート調査が行われて、今年度のがん対策予算に向けて、現場の声を集約した「元気が出るがん対策予算」から推奨施策を選択してもらい、3つのテーマに関して意見も収集されました。この件は、後日、インターネット発信されたところで改めて紹介を致します。わたしの領域では、3つのテーマすべてに入っており、積極的な治療だけでなく、「切れ目のない終末期医療のためのアクションプラン」、「専門・認定看護師への特別報酬」、「在宅緩和医療をサポートする緊急入院病床の確保」など、関心の高さが伺えました。

MDアンダーソンがんセンターの上野直人氏は、1日目から3日目を通し、様々なセッションで発言されておられますが、「がん医療の改革方針をビジョンとして共有することが重要だ」と絶えず発信されておられ、日本にないのは「患者を育てる力」だと言われていました。3日間を通して、他の方々も、「キャーワーでなく、冷静に意見を述べる力」、「共感性」「聴きあう力」「わからない人に伝えるスキル」を身につけることが大切だと言われていました。また、上野氏から新しく作られたサイト、「チームオンコロジー.Com」で、自分の夢を語ってくださいとの呼びかけもありました。

3日目、杉山会長と有志のスカラーシップ参加者で記念撮影を行い、次年度へ向けた意見などをお伝え致しました。

今回が第一歩として、今後、大きく変わっていくのでしょう。医療者との協働もそうでしたが、全国には、すばらしい活動を行っている人達がいらっしゃることを知ることもできました。緩和ケアのすてきな医師ともたくさんお話ができました。この企画をしてくださったすべての方に感謝いたします。

千葉に戻り、私自身、そしてピュアとして、やらなければいけないことがたくさんあることに身震いしております。ある人が「人生気付くことに遅すぎることはない」と言っておられましたが、人生は学びの連続なのですね。学び続けることがある幸せをかみしめて、未来へ向けて、今日から、またがんばります!!

2009年10月20日火曜日

がん条例について第二弾

藤田敦子のひとりごと・・がん対策

先日、千葉県にがん対策推進条例を!と書きましたが、
実は、2006年に県から「がん対策条例」を作ろうかと
思っているが・・・とお話が私にありました。
私はそのころ、がん対策基本法を作るため、厚生労働省や
議員会館に行っていたから、国の動きをよく知っていました。

まだ、がん対策基本法もできていない時代。

それで、条例をつくるのなら、まず、患者と家族の意見を
聞くべきだと提案をして、6月に患者会5団体が県へ行き
ヒヤリングを受けました(ピュアも参加しました)。

でも、同月に、がん対策基本法は、国会を通り、
千葉県のがん対策条例一番乗りは幻になってしまいました。
ここが島根県と違ったところですね・・・。残念でした。
まっ、県民の熱い思いがこもり作った島根県が
一番なのは、誰もが納得ですね!

さてさて、現在、条例は都道府県では
島根県がん対策推進条例 2006年9月
高知県がん対策推進条例 2007年3月
新潟県がん対策推進条例 2007年3月
神奈川県がん克服条例   2008年3月
長崎県がん対策推進条例 2008年8月
奈良県がん対策条例    2009年9月(決まったばかりです)

市町村では
島根県出雲市がん撲滅対策推進条例 2007年2月20日
和歌山県岩出市がん対策推進条例   2007年12月7日

とあり、これに愛媛県が続きそうです。
他にも県単位で、ニュースになっています。

他にも、検診の条例やたばこに関する条例、
岩手県北上市のがん対策基金条例もありますね。

千葉県は、人口の割に、がん対策予算が少ないです。
また、千葉県内の死亡率も地域格差がとてもあります。
乳がん、子宮がん、卵巣がんなど女性のがんの死亡率が高いです。
それなのに、医師、看護師も少ない。
緩和ケアの認定看護師も人口比だと、全国平均の3分の1しかいない。
これで、がんと、どう闘っていけばいいのでしょうか。
国と一緒で、たくさんの課にまたがっているから
なんだか、肝心のところに予算がついていかない。

国のがん対策基本法が、議員立法だったことを考えれば
ここは、ぜひ、千葉県にも議員立法で作ってもらいたいです。
あの時、与党も野党も、みんなが汗をかいてくれました。

お金がなければ、島根県のように、がん対策基金を作って
みんなでお金を集めてくればいい。
島根では、放射線機器購入補助として3年間7億を目標にして
すでに目標に行く勢いだという。

やってやってだけでない。
患者も家族も、医療も、行政も、議員も、メディアも、産業も、学校も
県民も加わり、一緒になって、がん撲滅に向かっていくのが、がん対策条例。

悲しい思いをする人をひとりでも多く救うために
千葉県にがん対策条例を!

2009年10月16日金曜日

千葉県にがん対策推進条例を!

藤田敦子のひとりごと・・がん対策

がん政策サミット2009秋に行って
がん対策推進条例は、必要だと思い始めました。

島根県の患者委員や議員さんの話
それに、先日行ったがんサロンでの話

条例を作ったから、たくさんの中から、がん対策に
お金を使うことができる。

条例の中に、「患者会等の活動を支援」とあるので
島根県に22のがんサロンができている。
患者さんは、自由にどこにでも参加できる。
患者会の枠、病院の枠もない。

千葉県に、やっと、がんサロンができ始めたけど
自院の患者さんだけとか制約がたくさんある。

そうでないのに。

がんにならない社会
がんになっても包み込む社会
患者だけでなく、家族も、遺族も温かい輪の中にいる社会  

作りたいな、千葉県にがん対策推進条例を!

そのためには、アクションを起こさないといけないね。

2009年10月1日木曜日

いざ!がん政策サミット2009秋

藤田敦子のひとりごと・・がん対策

千葉県のアクションプラン案を話し合う県の会議も
三日前に終わりました。
またまた、意見書を提出しましたよ!

さて、10月3日から2日間、東京で開催される
「がん政策サミット2009秋」へ行ってきます。

まあ、今回は東京ですから旅行ではありません・・・。
でも、朝から夜まで、講義、講義の山です(おお!!)

まず、厚生労働省健康局のがん対策推進室長の話があり
今のがん対策の現状を聞きます。

国会議員も来ます。

それから、条例とか予算とかそういう話を聞きます。
各地の先進事例の発表もあります。

欧州臨床腫瘍学会に参加した人の話も聞けます。
(行きたかったよー)

で、これで終わりかと言えば
3日目は、国会がん患者と家族の会の総会へ行き
ごあいさつめぐりをします。

いやー、もう、グロッキー間違いなしですが
なんと、3日目の夜は、わたし、別件で会議が入っています(涙)。

さてさて、国会議員に何を言ってきましょうか。

「がん対策に、もっと予算を!」でしょうか・・・。
それとも、「予算を患者・市民の提案事業に!」でしょうか・・。

すごく、全国の患者会が、がんばっています。
ピュアが県から委託で事業をしているのも、
私たちには、広めていきたい気持ちがいっぱいあるから。

気持がなくっちゃ、広まってなんかいかないことを一番知っています。

「がん政策サミット2009秋」がんばってきますね。
うん、楽しんで来ます!!

(現在、2009在宅がん緩和ケアボランティア養成研修受講生募集中)
患者と家族・遺族のこころのケアを学びたい方は、ぜひ!!(こちらから