2010年9月28日火曜日

乳がん検診はこのままで大丈夫なのか?

藤田敦子のひとり言(がん対策・緩和ケア)

共同ニュースで、下記のニュースが流れていた。

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つらい乳がん確定前 検査へ一歩、不安解消を

乳がん検診で石灰化やしこりが見つかり「要精密検査」となった場合、多くの女性は診断確定までの日々を大きな不安の中で過ごす。一方「ほぼ良性。経過観察しましょう」と言われた場合も、結論の“先送り”がかえって心配を増幅することがある。不安を解消するため、より精度の高い検査に自ら一歩を踏み出すことも選択肢の一つだと専門医は助言する。

以下、こちらへ
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乳がんの石灰化は、マンモグラフィーが標準検査になり、よく見つかるようになった。石灰化は、がんだけでなく、良性として判断されることがほとんどで、ごく一部が悪性のがんである。ただ、発見されても、医師の判断で、精査になったり、経過観察になったりする。見分け方はあるのだが、患者に見分けがわかるわけでない。ブログを検索すると「石灰化と言われていたが、次の検査でがんだと言われた」なんていうのを書いてある。こういうのを読むと、「このまま、本当に経過観察で待っていていいのだろうか」と不安になるわけである。

この心理は、よくわかる。
とくに乳がんは、早期発見のその上の超早期で発見したいと誰でも思っているのではないか。

でもでも、乳腺外科の混みようを見ていると、石灰化の良性・悪性の判断の為に、専門病院を大混雑にしていいのかと本当に悩んでしまう。

乳がん検診を行う医療機関は、マンモトーム生検を行える環境を持ってほしい。もしなくても、行える医療機関を紹介することが大切だと思う。

石灰化の問題は、これから、大きな問題になっていく気がする。
早めに対応を協議して、不安もなく、誤診もない、そんな標準検診を確立してほしい。

2010年9月25日土曜日

千葉県匝瑳(そうさ)市にがん条例誕生

藤田敦子のひとりごと(がん対策・緩和ケア)


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読売新聞9月22日(水)
がん対策推進条例 匝瑳市議会が可決

匝瑳市議会は9月定例会最終日の21日、議員提案された「がん対策推進条例」を賛成多数で可決した。がん対策を推進する条例が制定されるのは、県内自治体では初めて。
条例では、がん対策への市、市民、保険医療関係者それぞれの役割を示し、がんの予防や早期発見などを推進するため、市にがん対策推進計画の策定を義務つけている。本会議では、市が市内の保険医療関係団体とも協議し、理解と協力のもとで施策を行うよう努めるとの附帯決議も可決された。

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千葉県で初めて誕生したがん条例です。
匝瑳市は、市民病院を中心に在宅緩和ケアに力を入れている場所で、市民病院は「病院で死ぬということ」の山﨑医師がいたところでもあります。ホスピスケアを推進する市民団体が長く活動されていて、そういう意味では、匝瑳市で一番初めに「がん条例」が設定されたことも意味はありますね。
子宮がんのワクチンや検診を進めていくことも狙いのようです。

さて、他市の動向が待たれますね。
また、千葉県として、がん対策条例や地域医療推進条例もほしいところです。

がん対策基本法ができるときに、条例を千葉県に作る動きがあったのですが、国の動きを見てからと二の足を踏んでいたために、結局、作ることができませんでした。首都圏に近くない島根県や高知県は国とは関係なしに条例を作ってほしいと患者からの声で動きました。
う~ん、あの時に作ってしまえばよかったと思う反面、今のように、いろいろなことが動き出したけど、まだここが足らない、だから条例でしっかりとやってもらおうというのと、なんだか、いろいろな気持ちが交差しています。

継続して、がん対策を県民が知ることができる、そんな条例が必要なんだと思います。

2010年9月19日日曜日

リレーフォーライフちば2010参加しました!



藤田敦子のひとり言(がん対策・緩和ケア)

リレーフォーライフちばにチーム参加してきました。
ずっと雨が続いていましたが、この2日間は真夏が戻ってきたような天気で、そこにいるだけで大変でした。 今年の5月に、船橋がんサロン「ここにおいでよ」をできて、「チームでリレーフォーライフに参加しよう」と無謀とも入れる案を出しました。

入れ替わり、20名近いメンバーがNPOピュア「ここにおいでよ」に集まりました。もう、感激です。な、なんと400周もしたんですよ。0時から4時半までは、淑徳大学に助けてもらったけど、ずっとタスキをつないでいきました。

9月のがんサロンに来てくださった肺がんの治験をする予定だった人も、当日熱があったのにかけつけてくれました。「ここに来たかった」そう言わせる何かがリレーフォーライフにありますね。「治療ができるようになった」と嬉しそうに報告をしてくれて、私たちも、本当に嬉しかったです。

24時間ずっとみんなといるわけで、一人ひとりと、じっくりと話ができるのも魅力ですね。

今回、デルタ航空が、たくさんの人数で参加をして、コックさんも来て、料理を販売してくれました。200万近いお金がデルタ航空から寄付されて、「さすが、寄付文化の本場は違う」と感心しました。
私たちのフラグにもコメントを寄せてもらいました。
また、一人から、ここにおいでよTシャツがほしいと要望もあり、とてもいい時間を過ごせました。

ピュアは、アロマハンドマッサージをしました、資生堂とかいろいろな場でアロマがあった中、善戦したと思います。なんやかんやと経費がかかってしまいましたので、寄付は気持ち程度になってしまいましたが、次年度は、もっと工夫をこらしたいと思いました。

千葉大会のイメージソングを歌った松尾貴臣さんが、今回のテーマソングも作りました。乳がんの方が作詞した歌「希望の歌」で、「愛する人と歩いて行こう、愛する人と歩き続けよう」と語りかけています。

一人ひとりのメッセージが入った「ルミナリエ」も、涙がこぼれてきました。 日本のルミナリエとは違う置き方を発見!こんな風に語りかけるのもいいな~と思いました。

また、来年、みんなと笑顔で、ここにきたいと思います!
実行委員の皆様、ありがとう!
出会った皆様に 感謝です。
そして、また会いましょう!

2010年9月12日日曜日

緩和ケア普及のための地域プロジェクト【浜松】

藤田敦子のひとり言(がん対策・緩和ケア)


9月11日(土)に、浜松市にある坂の上ファミリークリニックの5周年記念講演会に基調講演者として出かけてきました。

浜松市は、国の「緩和ケア普及のための地域プロジェクト」が行われている地域で、全国では、山形県鶴岡市、千葉県柏市、長崎県長崎市、そして静岡県浜松市の4つで行われています。

開院5周年ということでしたが、医師、訪問看護、ヘルパーがいる大規模在宅療養支援診療所でした。講演会には、医師会の担当者もいらしていて、共に【地域を支える】ために力を合わせておられることに、私は感激しておりました。病院と診療所、在宅専門診療所と開業医、この2つが敵対していたら、絶対にダメなんです。私たちは、できれば、地域の開業医を信頼して、いのちを託していきたいのです。顔色をうかがいながら、医師探しをするのは嫌なのです。

今回、私自身の体験の話やがんサロンなどの実践、また相談事例などを交えて、患者側の考えを発信してきました。千葉県がんセンターを起点とした地域連携のお話もしてまいりました。

近藤克則氏が書かれた「医療費抑制の時代を超えて」にイギリスのホスピスの患者の流れについて書かれていて、「筆者らが驚いたのは、ホスピスが果たしている役割全体から見ると、入所で看取る比重が予想以上に小さかったことである。逆に言えば、在宅ケア部門やデイケアの役割の大きさである」と入所を中心とした日本のホスピスとの違いは予想以上であったと結ばれていました。

この浜松市は、聖霊浜松病院、聖霊三方原病院があり、日本のホスピス・緩和ケアの草分けで、今までは、在宅ケアの力が弱く、最後はホスピス・緩和ケア病棟で亡くなるパターンが多かったとお聞きしました。この浜松市が、世界の緩和ケアの流れをチャッチして変わっていったら、日本全体が変わっていくのではないかと私は思いました。医師だけでなく、薬局、看護や介護、そして市民団体や精神保健センターの方もメンバーになっていて、あながち夢ではないと思っております。

今回、小野宏志院長、青木茂先生、そして多くのすてきな方々のお人柄に触れることができました。ありがとうございました!浜松のネットワークが発展されますことを祈念しています。

学会で講演するのとは違った意味で、私も勉強になり、これからも、いろいろな場所でお話しさせて頂こうと思いました。

さてさて、そうは言っても、10月8日~10日は、在宅ホスピス協会全国大会in岐阜、11月6日・7日は、日本死の臨床研究会年次大会in盛岡でお話ししなければいけませんね。たくさんの方に私の考えを知って頂く機会なので、準備をしっかりとして、役目を果たしていきたいと思います。緩和ケアを世界標準にしていきたいです!

2010年9月10日金曜日

順天堂大学公開講座 「今、ふたたび 仁!」へ いざ!

藤田敦子のひとりごと(がん対策・緩和ケア)

今回、がん哲学外来の樋野先生からのご紹介の公開講座のご案内です。
私も当日会場へ行きますので、お声をかけて下さいね。

樋野先生は、順天堂大学 医学部病理・腫瘍学教授で、がん患者が、生きることの意味を根源的に考えようとする事へ向き合うため、「がん哲学外来」を開設された方です。(がん哲学は、生物学の法則と人間学の法則を併せた造語です。) 関連記事
http://www.gsic.jp/support/sp_02/spcth/

樋野先生には、2011年2月20日(日)千葉市文化センターで開催予定のフォーラムに、基調講演者として来て頂くことになっています。今から楽しみにしています。

なお、シンポジウムは、事前連絡・参加費無しで、直接参加が可能です。ご関心のある方は是非、ご参加くださいね。以下シンポジウムの案内です。

****市民公開シンポジウム開催案内*********
http://www.juntendo.ac.jp/ac/whatsnew/news018.html

■テーマ 「今、ふたたび 仁 !」
―古き歴史と日新の科学を踏まえて次世代(新しい)の医学・医療を考える―
■特別講演 「今、ふたたび仁!」 小川秀興 学校法人順天堂 理事長
■基調講演 「日本の医学教育」 鈴木 寛 文部科学省 副大臣 
        「社会貢献の在り方」 北城格太郎 日本IBM 最高顧問 
■閉会 「広々とした学問―懸け橋」樋野興夫 順天堂大学教授 

開催日時 2010年9月25日(土)4:00-6:00pm
開催場所 順天堂大学有山登記念館講堂(東京都文京区本郷2-1-1)
アクセス:JR・地下鉄「御茶ノ水」駅下車、徒歩5分会  
参加費 無料
主催 順天堂大学、「次世代(新しい)の医学・医療を考える会」
後援 文部科学省、厚生労働省、読売新聞社、朝日新聞社

「次世代(新しい)の医学・医療を考える会」
顧問(ABC順)
原田明夫 (東京女子大学理事長、元検事総長)
日野原重明 (聖路加国際病院理事長・同名誉院長、聖路加看護学園理事長)
池田守男 (東洋英和女学院理事長・院長、前資生堂会長)
鴨下重彦 (東京大学名誉教授、国立国際医療センター名誉総長)
金澤一郎 (日本学術会議会長、国立精神・神経センター名誉総長)
北城恪太郎(日本IBM(株)最高顧問、前経済同友会代表幹事)
小川秀興 (学校法人順天堂理事長、日本私立医科大学協会会長)
高久 史麿(自治医科大学学長、日本医学会会長)

実行委員長 樋野興夫(順天堂大学大学院医学研究科教授)

2010年9月7日火曜日

千葉県がん患者大集合2010へ行ってきました

藤田敦子のひとり言(がん対策・緩和ケア)

9月5日、千葉市で「千葉県がん患者大集合2010」が開催されました。2008年から始めて3回目で、毎回寄付を募り、患者中心の実行委員会に千葉県職員も入り、開催しています。


先般ご紹介したフレンチの手法を取り入れた流動食(ケアフード)の試食会もあり、中川原センター長やシェフがNHKの取材を受けておられました。なかなか、抗がん剤を受けている最中にこういう場に参加するのも難しいと思いますので、県がんセンターでの研究に期待したいと思います。私は「抗がん剤で口内炎ができるとか味覚異常が起こるとかわかっている条件ごとに食事を作り、選んでいただくのはどうでしょうか?」と提案してきました。食べることは生きるということだから、この取り組みが始まっただけでも嬉しいです。

ロビーに千葉県医療社会事業協会の「相談コーナー」がありました。今日は6人体制で、一日30件ぐらいの相談を受けられたそうです。ちょうどいらしたソーシャルワーカー3人娘(笑)にお聞きしたところ「お名前や病院名をお伺いはしませんので、病院内でお聞きするよりも、本音が言いやすようでした。治療について医師以外がお答えすることはできませんが、悩んでおられることやお聞きになりたいことを整理するお手伝いはできますので、どんどん活用ください」と力強いコメントを頂きました。医療費のこと、療養生活のことなど、なんでもお受けしておられます。拠点病院以外でも、医療相談窓口がある病院が増えましたので、気軽にご相談していきたいですね。


先の参議院選挙で当選された小西洋之議員がいらしていました。総務省にいらしたときから知っている方ですが、「先生」になられると違いますね~。「千葉県にがん条例を作りたいので、力を貸してください」とお願いいたしました。中川原センター長に埴岡さんをご紹介し、まずは勉強会の日取りを決めました。さあ、千葉。動きだします!いい流れができました!


この大会ではいつも再発転移をされている患者発表があるのですが、今回は医師である冨田伸さん、窪田伸也さんのお二人の発表でした。どちらも過酷な体験で、今も戦っておられます。何度も手術をしながら、ハードな仕事をこなされている姿に、「がんになっても、病人にはならない。がんに人生を奪われないぞ」と本当に思いました。
千葉大会の松尾貴臣さんが「きみに読む物語」を熱唱し、幕を閉じましたが、また来年、ここに集うみんなに会えることを信じています。

勇気をありがとう!

2010年9月2日木曜日

副作用や後遺症を今までなんで放置していたんだろう

藤田敦子のひとり言(がん対策・緩和ケア)

がんサロンを始めたから、患者さんの入会が増えました。

乳がんには乳がんの、胃がんには胃がんの苦労がいっぱいある。
ほかのがんだってそうだ。
悩みなんてないように見えていても大変なんだ。
抗がん剤、ホルモン剤、放射線治療、手術・・・、
副作用や後遺症がいっぱいあって
うつになったり、日常を苦しめていたのに
今までは、対処する人や場所がなかった。
今までは、みんな命が助かればとがまんしていたんですよね。
リンパ浮腫外来だって、もっと広がってほしい。
ストマー外来だって、心のケアだって。もっともっとほしい。
漢方も取り入れてほしい。

お金の問題も、我慢すればどうにかなるわけじゃない。

自分の体験が100%相手に役に立つというとそうではない。
でも、「そこそこ、それが聞きたかったの」というのはいくつもある。
もっと、声を伝えていかないといけないですね。
そしてその声を、改善に向けた声にしなくては!

次の船橋がんサロン「ここにおいでよ」は
9月13日(月)船橋市中央公民館です。
10:00~11:30

その週に行われるリレーフォーライフinちばに参加しま~す。

皆様、ご参加くださいね。