2011年12月28日水曜日

ふなばし朝日「在宅ケアの情報発信タオル帽子で助け合い」NPOピュア

ふなばし朝日 2011年12月28日(水)にて活動が紹介されました。

「病を患っても、住み慣れた地域で生活したい。人生の最期は慣れ親しんだ自宅で、家族に見守られて迎えたい」。そんな誰もが願う在宅ケアの手助けが出来たらと、NPOピュアは01年8月に発足した。

代表を務める藤田敦子さんは、13年前に家族をがんで亡くした。今以上に在宅ケアは難しく、本人、家族の願いは叶わず、病院で最期を看取った。その後、生活の糧として資格を取り、ヘルパーとして働くうちに在宅医療に力を入れる医師と出会った。二人三脚で在宅ケア支援団体の設立に向け動き出したが、その医師もがんで他界。一人奔走し、念願の事業開始にこぎ着けた。亡くなった家族が、一時帰宅の時に、「やっぱり家はいいな」とつぶやいた言葉が、苦難を乗り越える原動力になったと振り返る。

電話相談から始まり、県と協働し在宅緩和ケア情報の収集・発信基点として活動してきた藤田さんが、現在力を入れているのが「がん患者のためのタオル帽子講習会」と船橋がんサロン「ここにおいでよ」だ。

抗がん剤で脱毛した患者のためのタオル帽子は、タオル一枚から制作、カラフルで肌触りも良く好評だ。先月27日に中央公民館で講習会を開催した。出来上がった帽子は岩手ホスピス会を通し、被災地も含め全国の施設に、クリスマスプレゼントとして贈られた。患者自身の参加も多い。自分自身のためではなく、「誰かのために活動している」と実感する事で元気になるという。

がんサロンは、患者やその家族が気軽に集い、交流出来る場所だ。当事者でなくては理解出来ない辛い思い、胸の奥にあるものを吐き出し、安心を得られる場所になっている。サロンに通うようになってから、明るくなったという声も多く聞かれる。次回は1月16日10時から11時半まで、中央公民館にて開催される。参加費は無料。

毎週木曜日には、医療センター緩和ケアボランティアも行う藤田さん。「今後は、今以上に地元船橋に密着した活動を展開して、人生の最期を家で迎える事を可能にしていきたい」と微笑んだ。

お問い合わせは、電話070-5554-3734(火・金のみ)FAX047-448-7689 Mail npo.pure#gmail.com(♯を@に変えてください)

画:タオル帽子を持つ藤田さん

お送りしたタオル帽子の一部

2011年12月27日火曜日

平成24年度厚生労働省がん対策予算案

NPOピュアの藤田敦子です。

平成23年12月26日に開催された第30回がん対策推進協議会において、次年度のがん対策予算案が公開されました。

がん対策推進協議会で話し合われた「小児がん」「診断時からの緩和ケアの提供」「研究」にお金がついています。

平成24年度厚生労働省がん対策予算案の概要 
(  )は平成23年度当初予算額 
*新規、日本再生重点化措置事業のみ記載

1.放射線療法及び化学療法の推進並びにこれらを専門的に行う医師等の育成
                        29億円 (36億円)

2.治療の初期段階からの緩和ケアの実施      5億円 ( 4億円)
  (新規・重)在宅緩和ケア地域連携事業1.1億円

3.がん登録の推進とがん医療に関する相談支援及び情報提供体制の整備
                        10億円 ( 9億円)

4.がん予防・早期発見の推進とがん医療水準均てん化の促進 
                       125億円(139億円)

5.がんに関する研究の推進          102億円 (68億円)
  (新規・重)難病・がん等の疾患分野の医療の実用化研究経費抗がん剤
                   16.0億円
  (新規)  がん臨床試験基盤整備事業1.5億円

6.小児がん対策を推進するために必要な経費    4億円 ( -億円)
  (新規・重)がん診療連携拠点病院機能強化事業
        (小児がん拠点病院機能強化事業)2.5億円( -億円)
  (新規・重)がん医療に携わる医師に対する緩和ケア研修等事業
        (小児がん緩和ケアに係る分)  0.3億円( -億円)
  (新規)  小児がん拠点病院整備費     1.0億円( -億円)
  (新規)  小児がん病院のあり方調査事業  0.2億円( -億円)

7.独立行政法人国立がん研究センター       82億円(87億円)


新規・重点化事業である「在宅緩和ケア地域連携事業」の内容は
 在宅緩和ケアの地域連携体制を構築するため、がん診療連携拠点病院が
都道府県と連携して二次医療圏内の在宅療養支援を行う医療機関の協力
リストを作成し、連携機能を強化するとともに、同圏内の在宅緩和ケアを
専門とする医師等と協力して在宅療養支援を行う医師等に対して在宅緩和
ケアの知識や技術の向上を図る研修を実施する。
補助先:都道府県、独立行政法人等
補助率:都道府県(1/2)、独立行政法人等(定額〔10/10相当〕)

今まで、がん診療連携拠点病院機能強化事業として行っている病院が
多いと思いますが、研修のところが、緩和ケア医や地域連携部門が
しっかりしていないと難しいでしょうね。研修のところもしかりです。

「地域」をつなぐ意識が大事になってきます。

2011年12月25日日曜日

平成23年度千葉県在宅がん緩和ケアフォーラム

平成23年度千葉県在宅がん緩和ケアフォーラムを平成24年2月19日(日)に開催します。事前申し込みの受け付けは1月6日より開始し、申込み代表者へ参加証をお送りいたします。友人、知人にもお声をかけてご参加くださいね。

平成23年度 千葉県在宅がん緩和ケアフォーラム
がんになっても、住み慣れた地域で安心して過ごせるように

日 時 平成24年2月19日(日)13:00~16:30 
   (開場12:00 ロビーにて相談コーナーや介護用品の展示あり)
場 所 千葉市文化センター 3階アートホール
     千葉市中央区中央2-5-1 TEL043-224-8211
     JR千葉駅、京成千葉中央駅より徒歩10分
定 員 450人(申込先着順)  
対 象 一般県民及び在宅緩和ケアに携わる施設関係者等
参加費  無 料  〆切り 2月10日

千葉県では、がんになっても住み慣れた地域で安心して過ごせるように、「在宅緩和ケア」の推進を掲げ、千葉県在宅緩和ケア支援センターを千葉県がんセンターに設置し、在宅療養のご相談をお受けしています。
このフォーラムでは、基調講演として、「妻を看取る日」の著者である垣添忠生氏に、奥様を家で看取られたご経験やグリーフケア、がん在宅医療への思いを語っていただきます。パネルディスカッションでは、千葉県がんセンター、在宅医師、薬剤師、訪問看護師、ケアマネージャーから、実践をお話しいただき、在宅緩和ケアの現状や問題点、今後の方向性を話し合います。

基調講演  垣添 忠生(公益財団法人日本対がん協会 会長)

「妻を看取る日 ~最期の日々 家で死にたい~」

1967年東京大学医学部卒業。都立豊島病院、東大医学部・泌尿器科助手などを経て1975年から国立がんセンター病院に勤務。同センターの手術部長、病院長、中央病院長などを務め、2002年総長に就任。2007年に退職し、名誉総長になる。2007年より現職。がん研究振興財団等、各種財団理事多数。主な著書に『患者さんと家族のためのがんの最新医療』『妻を看取る日』『がんと人生』。

パネルディスカッション
「がんになっても、住み慣れた地域で安心して過ごせるように」

浜野 公明 (千葉県がんセンター地域医療連携室室長)
山本 雅巳 (和奏クリニック院長)
山口 和枝 (新習志野訪問看護ステーション)
富田 勲  (片貝薬局 薬剤師)
宮崎 友見子 (さんむ医療センター 訪問看護ステーション)
永堀 清子 (富里市社会福祉協議会ケアマネージャー)
コメンテーター 
土橋 正彦(千葉県医師会副会長)
コーディネーター
藤田 敦子(NPO法人千葉・在宅ケア市民ネットワークピュア代表)

問い合わせ 千葉県在宅緩和ケア支援センター(千葉県がんセンター内)
       電話 043-264-5465  

申し込み先 在宅がん緩和ケアフォーラム事務局(NPO法人ピュア内)
      FAX 047-495-9555 
      Eメール kanwaforum#gmail.com(#を@にしてください)
      電話  070-5554-3734(火・金のみ) 
      URL http://www.npo-pure.npo-jp.net/

*郵便番号、住所、申込代表者名、参加人数、職業(所属)、FAX番号を記入の上、FAX、Eメールでお申し込みください。定員になり次第締め切ります。
*事前申し込みの受付は、2月10日必着。以後は当日受付になります。
会場へお越しください。
*HPもご参照ください。

主 催
千葉県、千葉県がんセンター、NPO法人千葉・在宅ケア市民ネットワークピュア


2011年12月14日水曜日

今、あなたはどこで最期を迎えたいと考えますか?

市民協働させて頂いているシンポジウムを紹介します。
田村恵子さんは、ホスピス発祥の淀川キリスト教病院のホスピス主任看護課長で、ホスピス=末期ではない、理念や込められた思いを語って下さると思います。NHKプロフェッショナル仕事の流儀で「希望は必ずみつかる」と語りかけておられました。
大岩孝司さんは、著書「がんの最後は痛くない」を出され、鳥越さんのテレビで在宅緩和ケアのすばらしさを広く伝えておられました。大事なのは普通の生活をずっと送れること。
そして、私、藤田敦子。NHKサイエンスZERO「がん緩和ケア経験から科学へ」で、がんの痛みに苦しんだ患者の家族として、番組の冒頭に出演。緩和ケアをもっともっと充実させてほしいと訴えました。

もしあなたが、がんになっていなくても、一度、振り返ってみませんか。
あなた自身の人生のラストステージをどう生き抜くのか
あなた自身の思い、家族の思い、それを大事にするために…。

たくさんの方のご来場をお待ちしております!

千葉大学にて市民協働シンポジウム開催
「今、あなたはどこで最期を迎えたいと考えますか?」

日時 2012年1月22日(日)13:30~16:00
場所 千葉大学法経学部106教室(西千葉キャンパス)

講師 田村恵子(淀川キリスト教病院ホスピス主任看護課長)
   藤田敦子(NPO法人千葉・在宅ケアネットワークピュア代表)
   大岩孝司(医療法人社団修生会さくさべ坂通り診療所院長)

司会 関谷昇(千葉大学政経学部・准教授)
   長江弘子(千葉大学看護学研究科・特任教授)

主催 千葉大学大学院看護学研究科
   エンド・オブ・ライフケア看護学

共催 NPO法人千葉・在宅ケアネットワークピュア

お申し込み方法
   ①お名前、②ご所属、③連絡先ご住所と電話番号
をご記入のうえ、FAXあるいはe-mailでお申し込み下さい。
お申し込み締め切り
   2012年1月18日
お申し込み・お問い合せ先
 千葉大学大学院看護学研究科エンド・オブ・ライフケア看護学
 [TEL/FAX]043-226-2782
 [e-mail]elcn@chiba-u.jp
 [HP]http://www.n.chiba-u.jp/


チラシおよび申込用紙
市民協働シンポジウムちらし(PDF)

最後でなく、題は「最期」でしたね。修正しました…。
でも私、「どこで死ぬのか』なんて視点は専門家の視点だと思います。
何を大事に考えていくのか、どう生き抜くのか
そのために、どんな準備が必要なのか、知識も含めて、周囲へ伝えること
そういうことが大事になっていくんです(12月16日追記)

2011年12月8日木曜日

がんの痛みと闘うプロフェッショナル―在宅への橋渡し

NPOピュアの藤田敦子です。

引き続き、千葉県がんセンターサポーティブセンター坂下美彦先生たちの紹介です。
がんのイタミと戦うプロフェッショナル

がん末期の介護保険調査を行い感じていることは、ますます、緩和ケアを受ける機会を失っているということです。
今までは、入院をして治療をしていたので、本人ともじっくりと話す機会もあったし、また、付き添っている家族を呼んで、現状の説明をする時間もありました。
現在は、外来化学療法に患者一人で行き、辛い治療が終わったら、治ることを信じて、家や職場へ戻っていきます。そんな状況では、いくら、在宅療養の小冊子が受付においてあっても、誰も見向きもしないでしょう。

医師は治すことを頭において、看護師も治ることを念じて外来患者をサポート、患者も治ることだけを考えて、協働していきます。次もあると信じていたある日、効いていないと言われる。または体調を崩して、救急車で入院し、その時に治療がないことがわかる。
かくして、そこから、介護保険につないでも、間に合わない人が出てきますね。

緩和ケアは、治療とばっさりと分かれているものではないのに、その病院に緩和ケア外来がなければ、患者には緩和ケアを併診する機会さえ、与えられませんよね。

千葉県がんセンターの緩和ケアチームは、名前を「サポーティブケアセンター」と言います。緩和ケアが「末期」を想像させることから、もっと早期に悩みや苦しみを受け止めていくことを目的としています。また、このセンターは一般病棟と緩和医療センター、在宅医療の橋渡し的役割も持っています。
今、研究班(渡辺班)では、開業医等も在宅医療に参加できるように「在宅緩和ケア地域連携クリティカルパス」の開発も行っています。

さて、この千葉県がんセンターサポーティブセンターの働きを聴きたいという方は、12月11日(日)10時に船橋市中央公民館に来てほしい。がん医療は治療だけではない、緩和ケアが充実しているかどうか、ただ緩和ケア病棟があっても、末期の末期しか使えないのでは「自分らしく普通の生活を送る」ことはできない。全国にこの仕組みが広がってほしい。

2011年12月6日火曜日

【講演】がんと共に生きる!がんの痛みは怖くない!

NPOピュアの藤田敦子です。

12月11日(日)10:00~12:30船橋市中央公民館において、「がんと共に生きる!~自分らしく生きるための緩和ケアと生活のサポート~」が開催される。会費は無料。現在事前申込は終了しているが、当日も参加OKとのご連絡がありました。

緩和ケアのこと、在宅療養のことを知りたい方は、ぜひ、会場にお越しください。千葉県立病院公開セミナーですので、船橋市民以外の参加も大丈夫です。

当日は、私も会場から質問させて頂きます。
船橋市、市川市、浦安市、鎌ヶ谷市、習志野市、八千代市に住んでいると、緩和ケアを受けるのは大変です。在宅療養のことも、もっと具体的に聞きたいですが、なかなか機会がありませんよね。

皆様、お買い物の前にちょっと足を延ばして、いらしてくださいね。

第7回 県立病院公開セミナー

がんと共に生きる!
~自分らしく生きるための緩和ケアと生活のサポート~

12月11日(日)10:00~12:30
会場:船橋市中央公民館 講堂 (駅より徒歩約7分)
会費:無料 定員:200名

講演
三上春夫「がんはどこまで治るようになったのか?」
 千葉県がんセンター研究局

坂下美彦「がんの痛みは怖くない!!」
 千葉県がんセンター緩和医療科

山口信人「がんの在宅療養と家族の支援のコツ」
 船橋市薬円台在宅介護支援センター長

詳細はこちらPDF

2011年12月3日土曜日

末期がん患者の介護保険調査報告書を発送しました

皆様へ

昨年度12月に行いました「末期がん患者に対する介護保険サービスの提供に関する調査」(平成23年度厚生労働科学研究費補助金 がん臨床研究事業「がん患者に対する緩和ケアの提供体制を踏まえた在宅療養への移行に関するバリアの分析とその解決策に関する研究」渡辺班の分担研究)の報告書は、全国都道府県並びにアンケート調査にご回答下さった市区町村介護保険保険者の皆様へ発送させて頂きました。
1597件のうち988件のご回答(有効回収率61.9%)を頂きました。厚く御礼を申し上げます。

本研究で得られたバリア及び解決策につきましては、別途、ご報告をさせて頂く予定でございますが、正式に厚生労働省科研費報告としてホームページ公開されますのは、統括・分担報告書の提出以降になります。
また今後、ホームページ公開をする予定でございますが、渡辺敏研究代表者と相談をしながら作成をして参ります。もうしばらくお待ち頂きたく、どうぞ、よろしくお願いいたします。

平成23年12月1日 研究分担者 藤田敦子(NPO法人ピュア代表)