2011年7月26日火曜日

島根がんサロン支援塾と「がんサロン」手引書

NPOピュアの藤田敦子(千葉県がん対策委員)です。

島根県のがん対策委員の納賀さんからの連絡で、7月23日、24日に「島根がんサロン支援塾」に行ってきました。この支援塾は、島根県で作られたきた「がんサロンのパワーの秘訣」を聞き、がんサロンを運営している人たちの交流を図る催しです。
私の参加の目的にもう1つ、島根県のがん対策に尽力されている方々にも執筆していただいた「がんサロン~がん患者と家族が明日を生きるために~」(1冊500円)を披露し購入頂くこともありました。

がんサロン支援塾ですが、益田市長もお見えになっておられ、定員30名いっぱいの参加者がありました。

1日目には、下記の講義と、集まった方々の自己紹介
 島根県のがん対策
  島根県がん対策推進室
 7位一体(患者、メディア、県議会、医療現場、行政、産業界、教育)の流れ
  益田保健所長
 外から見た島根県の特徴
  読売新聞 本田麻由美さん
 そしてQ&A


終了後は、益田まつりを見学しました。
私は、石見神楽を初めて鑑賞したのですが、神々の響きを感じるすばらしいものでした。今回の演目は、「大蛇」で、石見神楽の代名詞的演目です。
ここは、あゆやはまぐりも有名なところです。



2日目は、納賀さんによる
情報の発信、メディアとの付き合い方、県議会との連携、行政、産業界との付き合い方があり、医療現場からの取組を益田赤十字病院の岸本副院長からお聞きすることもできました。

岸本先生によると、最初はこわごわとしていましたが、問題になることはひとつもなかったそうです。がん以外の患者会の広がりもできて、病院全体として、患者さん主導を確認し合えたようでした。

さて、私の作成した「がんサロン~がん患者と家族が明日を生きるために~」冊子ですが、20冊ぐらい持って行こうかな~と思っておりましたが、納賀さんから、「2回分だからど~んと送ってください」との声に、思い切って100冊お送りしましたが、参加された皆様の評判もとても良く、がんサロンを運営するのに役に立つ冊子として、31冊もお買い上げ頂きました。購入下さった皆様、ありがとうございました!

引き続き、販売をしておりますので、購入希望の方は、購入方法を入手してご連絡くださいませ。
「がんサロン~がん患者と家族が明日を生きるために~」1冊500円たくさんのがんサロンが全国に広がっていき、地域の患者を地域全体で支える仕組みができたらいいな~と思っています。

納賀さんの更なる夢は、益田市に『地域医療推進条例』を作ること、商工会議所を巻き込んでがん対策を推進すること、建築学科教授との住環境についての意見交換、そして宗教家との連携だそうです。

デンマークへ行ってきた私からすると、5万人が住む益田市なら、利用者主権で、まちづくりができると思います。私は「こんなふうにしていきたい」という納賀さんの夢を全面的に応援します。益田市長にも、まちづくりを熱く語っておきましたよ!
ここ千葉県でも、少しずつ、輪を広げていきたいですね。

 

2011年7月22日金曜日

災害時の在宅医療、停電時は大丈夫?

NPOピュアの藤田敦子です。いきなり2本も書いています。(来月からはこつこつ書きますね)

日本ホスピス・在宅ケア研究会の沖縄大会コミュニティケア部会にて、地元のくくるさんが発表されたアンケート調査が琉球新報で記事になっていました。


台風時の在宅医療 停電、避難時の公的支援を
沖縄地方を5月28日に襲った台風2号は、文字通り電気は「ライフライン」ということを印象付けた。人工呼吸器や痰(たん)吸引など医療的ケアが必要な子どものいる家庭に対し、一般社団法人Kukuruが実施したアンケート結果のことだ。55%が停電で困ったと答え、今後の台風で心配なことは47%が避難に関することを挙げた。
 アンケートには43家庭が回答したが、ほかにも同様な問題を抱え改善を求めている患者会がある。台風時の停電に不安を抱える人たちの数はもっと多いとみていい。命に関わる問題だけに行政、関係団体の早急な取り組みが求められる。
 在宅医療は外来、入院に次ぐ第三の医療といわれる。QOL(生活の質)を高めるため在宅を望む人は増えている。在宅への支援はまだ十分とは言えないが、延べ27万8千世帯に及ぶ今回の停電で電気に頼る医療的ケアの盲点を見せつけられた思いだ。
 医療的ケアで使う機器はほとんどが電気を必要とする。停電が長引くと、バッテリーはあっても限りがある。風が強まると、患者の移動自体が難しくなる。病院へ避難しても、受け入れ態勢が気に掛かる。生死に関わる問題とならないか。不安は尽きない。
 支援が必要な患者の把握など直ちに改善に取り掛かる必要がある。台風情報を詳細に分析し、必要なら避難を勧めるべきだ。強風となると機器と一緒に移動となるが、支援が要る。病院、非常用電源のある施設など地域や患者の状態で避難先も違ってくる。自宅で過ごすなら非常用電源も必要だ。
 考え得る支援を、県や市町村、関係団体がどう果たすかだ。台風の強さに応じ避難マニュアルを作成しそれぞれの動きを明確にすることが必要ではないか。支援する人々も戸惑うことなく動ける。
 東日本大震災を受け、各自治体でこれから始まる防災計画の見直しでも医療的ケアを必要とする人たちのことを当然含めるべきだ。
 電力不足による東京電力の計画停電で、人工呼吸器を付けた人たちへの事前情報の不足が問題となった。突然の実施発表と二転三転する説明は在宅医療の混乱を招いた。山形県では人工呼吸器を付けた女性が死亡、余震による停電が原因とみられている。電力会社や行政も、社会も、電気を命綱とする人たちがいることをもっと認識する必要がある。


他にも、こんな記事も出ました!!
災害時停電への対応を

コミュニティケア部会の小児在宅ケアにも、たくさんの地元の親御さんが会場から支援を呼びかけていました。「地域で支える仕組みを!」

終末期医療で連携を 地域で支える仕組みを検討(沖縄)

NPOピュアの藤田敦子です。ひさびさの投稿になりました。
デンマークに行って、おひとり様や老夫婦二人暮らし(デンマークの高齢者はほとんどこの2パターン)でも、自宅で最期が25%に衝撃を受け、自宅のようなケア付き住宅を入れると、なんと40%の人が「自分らしく最期まで生き、暮らせる」社会になっていることにびっくり!!!う~ん、もっと深めたい。

7月は沖縄の日本ホスピス・在宅ケア研究会全国大会へ行ってきました。発表は2つ。1日目のコミュニティケア部会在宅ホスピスケア実践シンポ(私は末期がん患者の介護保険のアンケート中間報告)と2日目のポスターセッション(がんサロンの力)です。東北の地震もそうですが、沖縄も5月に台風被害が大きかったこともあり、たくさんのことを考えさせられた大会でした。沖縄の皆様、ありがとうございました!!

沖縄大会での企画が記事になりましたので、紹介します。

終末期医療で連携を 地域で支える仕組みを検討

「命どぅ宝を支えるてぃーあんだ」をテーマに、日本ホスピス・在宅ケア研究会第19回全国大会in沖縄が16日、宜野湾市の沖縄コンベンションセンターで始まった。同大会は沖縄初開催で、全国から約1600人が参加。
 シンポジウムや講演を通して、終末期を迎えた高齢者やがんなどの患者、重度障がい児を支援するための 医療・保健・福祉の連携による地域支援体制、行政サービス拡充の早急な確立を求めた。
「在宅ホスピスケア実践シンポ」は高齢者や子どもを地域で支える仕組みについて検討。全国から参加したホスピスや在宅療養支援診療所、地域生活ケアセンター、訪問看護師、重度障がい児の保護者がそれぞれの立場から現状を報告した。
 県内各地から訪れた在宅重度障がい児の親たちは「子どもを預けられる日しか仕事ができない」「行政との橋渡しなどを担う相談窓口がない」などの悩みを訴えた。
 栃木県宇都宮市のひばりクリニックに重症障がい児者レスパイト施設うりずんを併設する高橋昭彦さんは「大人のケアマネジャーに相当する重度障がい児相談員は必要」と指摘した。
 神戸市のホスピス有床診療所、はやしやまクリニック希望の家の梁勝則さんは「在宅死は増えつつあるが、在宅で最期まで療養するのが困難な理由は、急変時対応やその後病院に入院できるかどうかに不安があるから。『可能な限り自宅で』という人が6割を超える中、緊急時に入院できる緩和ケア病棟のあるなしは大きい」と述べた。
 大会は17日も行われる。 ・・琉球新報 7月17日(日)10時30分配信

ついでに、2日目の記事は、ちょうど、台風が吹き荒れていて、「災害時の在宅医療」というテーマに多くの方が参加されたようです。2日目は、1800人が参加されたと記事にありました!

災害時停電への対応を
また、コミュニティケア部会で発表された沖縄の市民団体のアンケートも別の記事になっていました。
台風時の在宅医療 停電、避難時の公的支援を

2011年7月2日土曜日

NHK特集「検証日本のがん医療」7月4日~7日放映

ピュアの藤田敦子です。
しばらくぶりです。その間、デンマークに研修に行ってきました。その話はまだ後日書きますね。
国のがん対策委員の天野さんからご連絡を頂きました。
今、がん対策推進協議会で次年度からの5年間を託す、基本計画を定めようとしています。もう5年も経つのかとびっくりすると同時に、何が変わって、何が変わっていないのか、見極める必要があります。
皆様、ぜひ見て頂き、ご意見を寄せてくださいね。

NHK教育「福祉ネットワーク」(月~木・午後8時~8時29分
http://www.nhk.or.jp/heart-net/fnet/index.html

にて、特集「検証 日本のがん医療」が7月4日(月)~7日(木)に4夜連続で放送予定ですので、参考までにお知らせ申し上げます。番組では、視聴者の皆さまからのご意見を事前募集中です。https://www.nhk.or.jp/heart-net/form/ganiryou.html

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検証 日本のがん医療(1)「放射線治療は広がるか」
2011年7月4日(月) 20時00分~20時30分
http://tv.yahoo.co.jp/program/43438559/

患者や家族の切実な声を受けて誕生した「がん対策基本法」の制定から5年。全国にがん医療の拠点病院が整備され、標準治療の普及を推進。医療向上の起爆剤として期待されてきた。この5年でがん医療の何が変わり、今後は、どのような課題があるのか。4日間にわたって「がん対策基本法」のその後を検証する。1回目は、がん対策の重点課題の1つ、立ち遅れてきた「放射線治療」の現状を取り上げる。

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■検証 日本のがん医療(2)「緩和ケア最前線」
2011年7月5日(火) 20時00分~20時30分
http://tv.yahoo.co.jp/program/43467860/

シリーズ2日目は「緩和ケア」。最近の研究では、がんの痛みを和らげる「緩和ケア」を適切に行うと、患者のQOLを高め、延命効果もあるということが明らかになった。しかし「緩和ケア=終末期」という意識が根強い日本では海外に比べ20年以上遅れていると指摘される。いち早く取り組み始めた静岡がんセンターの現場に密着。緩和ケアの可能性を伝えると共に、日本で広げていくには何が必要なのかを考える。

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■検証 日本のがん医療(3)「地域格差をなくすために」
2011年7月6日(水) 20時00分~20時30分
http://tv.yahoo.co.jp/program/43515677/

3日目のテーマは、「地域の医療格差」。「がん対策基本法」制定以降、地域のがん対策は、都道府県が主体となって「推進計画」を策定し、地域の実情にあった施策を実行していくことが求められている。格差を是正するために、「地域発」のがん対策を、どのように進めていくとよいのか。“がん対策の先進県”といわれる島根県の模索を通して、考えていく。

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■検証 日本のがん医療(4)「がん最新情報 Q&A」
2011年7月7日(木) 20時00分~20時30分
http://tv.yahoo.co.jp/program/43552265/