2012年2月25日土曜日

【日本在宅ホスピス協会】末期がんの方の在宅ケアデーターベース

NPO法人ピュアの藤田敦子です。

私も世話人になっている日本在宅ホスピス協会を知っていますか?
がん対策推進協議会の委員にもなっている川越厚医師が作られた在宅ホスピスを進めるための団体(会員数2012年3月現在約400名)で、昨年4月に会長が岐阜の小笠原文雄医師に変更になり、日本在宅ホスピス協会の運営する『末期がんの方の在宅ケアデータベース』をリニューアルしました。

末期がんの方の在宅ケアデーターベース

病院から在宅へ戻るときに、在宅医療をして下さる医師の情報を必要とします。このデーターベースは、全国で一番利用されているデータベースだと思います。今回、新しく、がんと非がんに分けて看取り数を記載する項目を入れました。

また、登録、情報更新が簡単になりましたので、在宅医療を行っている医療機関の方はこの機会に是非、登録をお願い致します。すでにご登録いただいている医療機関の方の情報更新もできるよう、日本在宅ホスピス協会事務局が割り当てたログインIDとPWを、順次、個々に事務局よりご連絡しますので、是非情報更新してください。

皆様のお役に立てれば幸いです。


なお、日本在宅ホスピス協会では、年に1回、在宅ホスピスケアに従事している会員が集まり、全国大会を開催しております。今年は、千葉県の世話人3人が力を合わせて、千葉県船橋市で開催し、私、藤田敦子は本大会の大会会長を仰せつかりました。2008年の日本ホスピス・在宅ケア研究会千葉大会の時(2日間で3,800名参加)とは違い、規模も10分の1の300名程度の全国大会ですが、患者と家族の願いを叶えるため、一歩一歩作り上げていきたいと思っています。

今、船橋市の医療・福祉関係者と月1回実行委員会を行っています。「来てよかった」と言って頂ける実りある大会にしたいと思っています。日本在宅ホスピス協会の会員の皆様、今年はぜひ千葉県船橋市に来てくださいね!

大会の詳細は、日本在宅ホスピス協会をご覧ください。
このブログでも、大会会長としてのコメントを随時アップしていきますね!

2012年2月22日水曜日

NHK首都圏ニュースがん患者の在宅ケアを考える


NPOピュアの藤田敦子です。
2月19日(日)は、千葉市文化センターで「平成23年度千葉県在宅がん緩和ケアフォーラム」でした。今年は資料の印刷が機械との相性が悪く、4日もかかり、その上23時までかけて、やっと480部仕上げたという綱渡り状態でしたが、当日は、500名の会場いっぱいの人が参加して下さいました。基調講演が「妻を看取る」を書かれた垣添先生だったこともあり、一般の方の来場がとても多く、また60~70代の男性の参加も多かったです。奥様を看取られたお話から、在宅医療のこと、グリーフケアのことまでお話下さり、一言一言が心に沁みこんでいきました。


当日は、NHKの取材も入り、18時45分からの首都圏ネットワークで紹介されました。垣添先生のお話や、パネルディスカッションの模様も紹介され、少しずつでも、在宅緩和ケアが前に進んで行けばいいなと思いました。アンケート用紙を読んでも、地域連携パスや在宅緩和ケアの理解が深まったことがわかり、企画兼実施者としては満足した一日になりました。特に地域連携パスを使い、どう在宅側へつなげていくのか、また地域の中の薬剤師と看護師のネットワークなど、参加者にわかりやすい内容で、安心を感じて頂けたようでした。がんの看取りは10%以下なのに、このパスを使った患者さんの50%は家で最期を迎えられたと聞き、早く実現化してほしいと思いました。

NHKのニュースは動画ニュースとして見ることができます。2分ぐらいですから、ぜひ見てくださいね。基調講演の時は500名の会場が満席でしたね。パネルディスカションの前にお帰りになる方もいて、せっかくだから知識として聞いていかれるといいのにと思いました。



がん患者の在宅ケアを考える
http://www.nhk.or.jp/chiba-news/20120219184400_01.html
(ニュース内容)
がんの患者の在宅ケアを考える講演会が千葉市で開かれ、訪問看護サービスやかかりつけの医師などが協力して患者を支えるべきだなどという意見が出されました。

この講演会は、住み慣れた自宅で生活しながら治療を受ける「在宅ケア」をがんの患者に広めるうえでの課題などを考えようと、千葉県やNPO団体が開いたものです。まず、国立がん研究センターの垣添忠生名誉総長が講演し、がん患者の妻を自宅でみとった経験を語りました。この中で垣添さんは「がん患者が在宅ケアを希望しても、
自宅では容体の急変に対応するのは難しく、長期間の世話も大変だ。訪問看護サービスやかかりつけの医師などが協力して、自宅でも患者を支える態勢が必要だ」と訴えました。続いて行われたパネルディスカッションでは、医師やケアマネージャーなどが「がん患者が病院から家に戻ったら表情がよくなった」などとみずからの体験を話したり、「人生の最期を住み慣れた地域で過ごせるようにするのは医療に関わる者の責務だ」などといった意見が出されていました。会場には、医療関係者や患者の家族などおよそ400人が集まり、メモを取るなどして熱心に聞き入っていました。

2012年2月15日水曜日

在宅緩和ケア地域連携クリティカルパスが始まりました

NPO法人ピュアの藤田敦子です。

いよいよ、今週末2月19日(日)13時から千葉市文化センターで、「平成23年千葉県在宅がん緩和ケアフォーラム」が開催されます。

基調講演は垣添忠生対がん協会会長です。「妻を看取る日~最後の日々 家で死にたい」を題材にお話しされます。今日、明日と朝4時にNHKラジオでお話されているそうですね。後、4時間後ですね。

パネルディスカッションは、「がんになっても、住み慣れた地域で安心して過ごせるように」と題し、千葉県がんセンター地域連携室、医師、訪問看護師、薬剤師、ケアマネジャーからの実践報告あります。

特に、全国でもめずらしい「在宅緩和ケア地域連携クリティカルパス」の話が出てきます。ちょっと、普通の市民には聞きなれない言葉かもしれませんね。まだまだ、研究開発の段階で、有効性が認められれば、普及すると思いますが、病院と在宅側のかかりつけ医と訪問看護師との連携をちゃんとしたフォーマットのもと行うものです。う~ん、やはり、当日聞きに来て頂いたほうがわかりやすいと思います。

今回は、連携をしている2か所の訪問看護ステーションからの報告、そのうち、1か所は医師も加わっての報告です。実は、このチームで看取られた遺族の方にパネリストをお願いしたのですが、まだ看取って間もないので「手紙」の形で参加して頂くことになり、私が、情感込めて読み上げることになっています。読みながら、泣かないようにしなくてはと、今からドキドキしています。

もう一つのステーションからは、薬剤師や地域との連携の話、そして、地域に住む患者さんとご家族のための患者会を運営している話をして頂きます。訪問看護ステーションが患者会を持っているのってないと思うのです。最後だけでなく、がんになってから、ずっとずっと支えていくことって大事ですよね。

それから、医療だけでなく、介護も大事。社会福祉協議会のケアマネジャーからお話頂きます。

千葉県は再生基金でいろいろなことをしようとしています。そんなことも、パネルディスカションに入れようと、コーディネーター(私)は考えています。

当日は、在宅医療機器や介護用品の展示、それから千葉県がんセンターの相談支援センターも出ています。
フォーラムに参加して、聴いて、見て、そして相談して、日頃の疑問を解いてお帰り下さいね。

19日(日)に千葉市文化センターでお待ちしています!

2012年2月5日日曜日

【がん】被災地へ贈るOneworldプロジェクト

NPO法人ピュアの藤田敦子です。

One world プロジェクトを知っていますか?

以下、oneworldプロジェクトのホームページからの引用です。

2011年4月11日、東日本大震災の被災地のがん患者さん向けに、カツラや帽子、乳がん患者さん用ブラなどを届けようと、有志6人を発起人に始めたプロジェクトです。全国から寄せられた支援物資を東北の各病院にお送りし、それぞれの相談支援センター、患者サロンなどを通して、患者さんに手渡ししていただいています。

■第四次支援物資募集要項
■募集期間:2月13日(月)~17日(金) *期間厳守
次回、第五次は、7月頭を予定しています。

※仕分け・発送作業は、有志の発起人と協力者によるボランティアで行っています。日本対がん協会のご厚意で作業場所は提供していただいていますが、物資受け付けを常時行える状況になく、募集期間が短くなっています。なにとぞご了承ください。

■印刷用の募集要項(PDF)
周囲の方へのお知らせにご利用ください。切り取って使えるタグ付き。
(すみません、暫定的に第二次募集時のチラシへのリンクになっており、募集期間情報が古いです)
http://www.gan-support-kagoshima.com/one_world0908.pdf

■送付先
〒100-0006 東京都千代田区有楽町2-5-1 有楽町マリオン13F 
公益財団法人日本対がん協会内 One Worldプロジェクト宛
電話:03-5218-4771

※お送りいただいた品はすべてこちらで一度開封して確認します。開封しやすい状態で、あまり厳重に梱包せずにお送りください。

■募集内容
•医療用カツラ (送付にあたってのお願い事項→上記のホームページを要参照)
•付け毛 (帽子に付けて使うタイプ)・内帽子(付け毛+ネット)
•カツラ用ケア用品
シャンプー・リンス類(新品・未開封に限る)、アンダーネット(洗濯済みのもの)、組み立て式スタンド、ブラシ(新品、もしくは傷み・汚れのないもの)など。
•ケア帽子
タオル製、綿ジャージ製、プリント地・バンダナ製など。手作りを含め新品のもの。あるいは洗濯済みのもの。
•秋冬向けグッズ
マフラー/手袋/あったかソックス/腹巻きなど。手作りを含め新品のもの。

※ご遠慮いただきたい品
•部分カツラ(頭頂部増毛用)・エクステンション
髪色やスタイルが合う方が限定されて、フィッティングが難しいため。
•つばのあるような一般的な帽子
現在すでにかなりの数が集まっているため。ただし付け毛を付けたお出かけ帽子は例外的に募集します。
•ヘッド状のスタンド

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ピュアでも仲間がたくさんのタオル帽子を作ってくれました。
2月13日~17日の期日を守って、発送しますね!

今、タオル帽子を作ってくれている会員の皆様へ
いつもありがとう!
2月14日までにピュア事務局へお送りくださった分を発送します。
以降については、別の場所へ贈ります。よろしくお願いします!
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2012年2月3日金曜日

次期がん対策推進基本計画の行方に注視

NPO法人ピュアの藤田敦子です。

平成24年2月1日に第31回がん対策推進協議会があり、平成24年からの次期がん対策推進基本計画[素案]が示されました。

平成19年6月から始まった「がん対策推進基本計画」に対し、平成22年6月に中間報告書が提出されています。
この中間報告では、協議会委員から寄せられた多くの意見が「今後の課題等に係るがん対策推進協議会の意見」としてまとめられていました。しかし、その後の協議会の中で議論が充分行われているとは言えず、平成23年8月8日にがん患者団体(30団体)から議論をしてほしい項目の要望が出されました。
・ドラッグラグの解消に向けた議論
・患者、家族が抱える就労問題、経済的負担の解消に向けた議論
・科学的根拠に基づくがん検診の普及、啓発、精度管理(偽陽性・過剰診断などの不利益に関する救済を含む)に関する議論
・サバイバーシップ概念の普及に関する議論(計画内に、サバイバーシップの言葉を織り込む)

これを受けて、第23回がん対策推進協議会(8月25日)では、今後のがん対策推進協議会の進め方が示され、平成23年内に多数のヒヤリングを行い、12月12日、26日に報告書及び基本計画修正案を提示し、平成24年1月・2月にパブコメ、3月に各省閣議、4月・5月に閣議決定という流れが示されました。
ヒヤリングは以下の通り行われ、翌開催日に委員からの意見と議論、次に報告をまとめる形で進められました。また、この際に患者関係委員から多くの提出資料が出されています。

議論及びヒヤリング済み:拠点病院、支援・情報提供、がん教育
第23回(8月25日)ヒヤリング:がんの手術、放射線療養
提出資料:都道府県がん対策予算と執行状況に関する意見書、がん教育、緩和ケア
第24回(9月9日) ヒヤリング:化学療法・ドラッグラグ
提出資料:セカンドオピニオンに関する患者の意識
第25回(9月26日)ヒヤリング:在宅医療・チーム医療
提出資料:ドラッグ・ラグ問題解決に向けての意見書
第26回(10月20日)ヒヤリング:がん登録
提出資料:がん患者に対する介護保険の適正化に向けての意見書
第27回(11月2日)
   ヒヤリング:サバイバー・シップ・経済負担、就労支援、がん予防・検診
第28回(11月21日)ヒヤリング:がん対策指標
[次期がん対策推進基本計画全体構成案、骨子案一部、全体目標と個別目標]     
第29回(12月12日)[次期がん対策推進基本計画骨子案一部〕
提出資料:がん患者の精神的な痛みへの対応について
第30回(12月26日)[次期がん対策推進基本計画全体構成案及び骨子案
提出資料:ドラッグ・ラグの解消に向けた制度改正等を求める要望書(60団体)
第31回(2月1日) [がん対策推進基本計画素案
提出資料:薬事法等制度改正についてのとりまとめについて

ヒヤリングとして在宅医療は入っていましたが「医療」のみで「がん末期の介護保険の問題」や「医療と介護の連携の問題」が話し合われていなかったので、第26回の時に、私が介護保険適正化についての意見書をまとめて患者委員に託しました。
意見書の書き方もよく知らない委員でない者が意見をまとめたこと、そして科研費と老健局の調査を一つにして提出したことで、ここに書けないことがいっぱい起こりましたが、「地域の医療・介護サービス提供体制の構築」の文言を見るたびに、やり遂げて良かったと思います。ここでは、がん患者が住み慣れた家庭や地域での療養や生活を選択できるよう在宅医療・介護サービス提供体制の構築を目標としています。

緩和ケアも全人的ケアになり、精神心理的苦痛への対処も進みました。3年以内に緩和ケアの研修体制を見直し、拠点病院を中心に、緩和ケアを迅速に提供できる診療体制を整備するとともに、緩和ケアチームや緩和ケア外来などの専門的な緩和ケアの提供体制の整備と質の向上を図ることを目標としています。
チーム医療、がん教育、小児がん、遺族の文言も入りましたね。

そして何より、全体目標に「がんになっても安心して暮らせる社会の構築」が入った事、重点的に取り組むべき課題に「働く世代や小児へのがん対策の充実」が入ったことはすごいことです。山本たかし議員が望んでいたことです。
ただ2月1日は、ドラッグ・ラグの解消に向けての薬事法等制度改正に関する要望については意見が十分取り入れられていないと、冒頭から患者委員の意見が続出しました。個別目標がたったの2行で、他が「目標にする」等で終わっているのに、「取組を着実に実施する」になっていました。

次の3月1日は、がん対策推進基本計画事務局案が出てきます。パブコメをすることを考えると、次回がまとめで、意見が噴出すれば議長預かりになるはず(だろうと私は思っています)。
たばこ対策、がん検診は今回事務局より資料が提出されましたが、次回を注視する必要がありますね。今回意見が表に出て水面下の戦いが起こるはず。各省閣議で変わるかもしれません。

次回の協議会も、ここまでがんばってくれた患者関係委員や流れを変えてくれた片木さんと桜井さんに感謝を込めて応援に行きます。
がん患者とその家族(遺族)にとって実り多いがん対策推進基本計画になりますように!