2012年5月29日火曜日

【朝日新聞】がん 絆で癒やす 県内各地に患者サロン

朝日新聞2012年5月28日朝刊千葉に、船橋がんサロンの記事が出ました。がんサロンの意義や重要性がしっかりと書かれていて、とてもいい内容です。記者さんがピュアへ来られた時に、「県内には同じようなサロンはありますか?」と聞かれたので、匝瑳市民病院の取組みや、県が行っているピア・サポーターについてお知らせしました。さすが記者さん、取材に行かれたのですね。良かった。
ただ、「家族以外、誰にも自分ががんになったことを言っていない」と言われた参加者が、一番、顔がわかる位置に座られていて、仕方なく、顔がわからない、下を向いている写真が載ってしまいました。う~~~ん、なんで、みんなうつむいているんですかね~。笑顔でいっぱいの写真を載せたかったです・・・・。でも、がん患者の揺れる心をわかって、と記者さんにお願いをしたのは私です。今度、取材を受けるときは、この記事を見せて、顔が出る席に座っている一人ずつに確認をしますね。でも、朝日新聞の記者さん、ご配慮、ありがとうございます!

ピュアでは、がんサロンを使いたい、作ってみたい人向けに、がんサロンの手引きを作成し、500円で頒布しています。FAX047-448-7689へお申込くださいね。

ピュアが行っている船橋がんサロン「ここにおいでよ」は毎月第2月曜日(祝祭日は日程確認ください)に、船橋市中央公民館で開催しています。いつも15~20名集っています。部位も期も問いません。助成金で運営しているので、会費もいりません。ただ、椅子に座り輪になって話をするだけなのに、ほっとできる場です。会員制でもないので、自分の都合のつく時の参加で大丈夫ですよ。お気軽にお越し下さいね!


平成24年5月28日朝日新聞朝刊 千葉

がん絆で癒やす 県内各地に患者サロン

悩み打ち明け、笑顔に

がん患者らが集って不安や悩みを打ち明けたり、情報交換をしたりするサロンの設立が県内で相次いでいる。県も今年から、がん経験者が努めるサポーターを交えたサロンを始めた。

「がんの再発を言われた時、普通の精神状態でいられなかった」「同じ人生なら、楽しく生きないと損だと思った」―――。がん患者や家族ら15人が集まり、抱える悩みや実体験を赤裸々に語り合った。

NPO法人「千葉・在宅ケア市民ネットワーク ピュア」主催のがんサロンが14日、船橋市の中央公民館であった。この日、初めて参加した人からは「セカンドオピニオンで診てもらった人はいますか」という質問も。最後に世話人で直腸がんの本村幸広さんが「がんを時々忘れて一日でも長く生きていきましょう」と声をかけて締めくくった。

このサロンは、患者や家族なら誰でも自由に参加できる場をつくろうと、2010年5月から、毎月第2月曜日に開いている。ピュアの藤田敦子代表は「最初は悩んで暗かったが、笑顔になって帰っていく人たちもいる。自分の気持ちを同じ境遇の人に知ってもらうことで立ち直るきっかけにもなる」と話す。

ほかに、闘病医師が相談乗る(国保匝瑳市民病院「がんお悩み相談サロン」の冨田伸医師の話)、県も経験者招き開催(千葉県の取組みや千葉県がんセンターで行っているサロンのこと)が記事に載っていました。

私の夢――千葉県中に、がんサロンの輪ができるといいな。「あなたはひとりじゃない。ここにおいでよ!」。船橋がんサロンのメンバーが、待っています。
次は、6月11日(月)、7月9日(月)、共に船橋市中央公民館、10時~11時半です!


2012年5月26日土曜日

【千葉県】我孫子聖仁会病院緩和ケア病棟6月オープン

NPO法人ピュアの藤田敦子です。

千葉県・我孫子市に新しく我孫子聖仁会病院緩和ケア病棟が6月1日にオープンします!
病棟見学会がありましたので、報告します。

JR常磐線天王台駅で降りて、北口より、「川村学園女子大学・大和団地行き」に乗り、「NEC日本電気前」で下車、右側に我孫子聖仁会病院があります(または、南口より、病院の送迎バスがあります)。

緩和ケア病棟は、一番右側の南館(3階建て)の3階に出来ました。南館1階からエレベーターで直接病棟へ行けます。
緩和ケア病棟の特徴(パンフレットより)
緩和ケア病棟では、積極的な抗がん剤治療や延命治療は行いませんが、医師や看護師をはじめ様々な医療スタッフが協力し、患者さんとご家族の様々なつらさに対応いたします。そして、患者さんの意思を尊重するとともに、その人らしく穏やかに過ごせることを目標にします。ご自宅で過ごすことを希望されれば在宅療養のお手伝いもいたします。当院の緩和ケア病棟では、がんのつらさで入院を希望される成人のがん患者さんを対象としています。ここでは、24時間面会できますし、家族の方が一緒に泊まったり、病棟内で簡単な料理を作ったりすることも可能です。

病室整備(パンフレットより)
全て個室で、共通の整備として、電動ベッド、車椅子対応トイレ、洗面台、テレビ、冷蔵庫、セーフティボックス、収納家具などを備えております。
特室A
畳敷き上がりかまちがありご家族の方がお泊りになることができます。

特室B(写真)
ソファベッド、オットマンがありご家族の方がお泊りになることができます。

一般個室(写真)
リクライニングチェア、オットマンがあり、ご家族の方が休憩することができます。

家族室
畳敷きのご家族の方の控室です。シャワーがついており、宿泊可能です。必要時は看護師にお申し出ください。

中庭に面した所に、ラウンジ(写真)があり、友人や家族とゆっくり歓談できます。他に、身体の不自由な方でも入浴を楽しめる特別浴室、患者さんやご家族が食事を温めたり調理ができるキッチン(写真)があります。また、
全個室20床のうち、差額なしの一般個室が10床、有料(1日7,350円)の特室が10床になっています。
料金は、入院日数により違いますが、平均的な30日以下ですと、70歳未満3割負担で1日15,171円(入院料14,391円+食事代780円)×日数になります。但し、上限額があり、上限額15万+(医療費-50万×1%)になります。また、70歳以上の方ですと、上限額が違い、1割負担の方で1か月上限額44,400円+食事代、3割負担で1か月上限額80,100円+(医療費-267,000×1%)に食事代がプラスされます。そのほか、差額個室代(特室の場合)やオムツ代(必要な方)がかかります。このように、料金は、保険の種類や負担割合により違いますので、説明をお受けになるときに、ご確認ください。

入院を希望される方は、紹介状・詳しい検査データが必要になりますので、まず、現在のかかりつけの主治医にご相談ください。また、初めに病棟見学をしていただき、その上で緩和ケア病棟への入院を希望された場合に、緩和ケア内科外来を受診していただきます。病棟見学、外来ともに、予約制になっていますので、日時の予約を下記にてお取りください。

【地域連携室】医療ソーシャルワーカー
電話 04-7181-1100(代表) 月~土(祝祭日を除く)9時~16時

緩和ケア病棟内の写真は、緩和ケア内科部長の野本靖史先生(写真)がお撮りになったものです。きれいに撮れていますね。やさしい先生ですから、安心してご相談くださいね。
野本先生は、「患者さんとそのご家族のことを第一に考え、素敵な緩和ケア病棟を作っていきます。また,我孫子の地の緩和ケアの発展に努力します。」と抱負を語ってくださいました。我孫子市は柏・松戸の東葛北部に位置していますが、どちらかというと印旛地域に近いなと感じました。また、土浦・取手など茨城県の方も利用しやすいかもしれません。

今、千葉県では、医療計画で、緩和ケア病棟の充実を図っています。現在は、千葉市、船橋市、柏市、木更津市、旭市にあります。また千葉市と南房総市に緩和ケアを提供する有床診療所があります。建設中の地域もありますから、随時アップしていきます。NPO法人ピュアの「在宅ホスピス相談(千葉県緩和ケア情報)」でご確認の上、ご連絡くださいね。

2012年5月23日水曜日

【日本在宅ホスピス協会第15回全国大会】地域包括で支える在宅ホスピスケア

日本在宅ホスピス協会の会員の皆様
医療・介護従事者の皆様

こんにちは。NPO法人ピュアの藤田敦子です。
超高齢社会を迎え、千葉県のがん患者の48%は在宅で最後まで生きたいと希望しています。全国でも同様に、少しでも長く普通の暮らしの中で生きていきたいと願っています。しかし、現在は、がん以外も含んでの在宅での看取りは、千葉県で14%、がんではその半分しか希望を叶えられていません。

おりしも、今年は、地域包括ケア元年、医療と福祉が連携し、患者と家族を支えるスタートの年。
がん患者と家族の願いを叶えるため、千葉@船橋で、医療と介護従事者のみんなで実行委員会を作り、力を合わせて、日本在宅ホスピス協会の全国大会を開催することにしました。

申し込みは、6月からスタートします。
日本在宅ホスピス協会のホームページから、チラシと申込書をダウンロードして頂き、メールまたはFAXでお申し込みくださいね。

8月31日(金)はウェルカムパーティのみです。
9月2日(日)は、市民公開講座をします。
ノンフィクション作家の柳田邦雄氏と協会会長の小笠原文雄氏の講演です。

9月1日(土)は、朝から研修・講演・分科会と盛りだくさんです。

「在宅緩和ケアが支えるもの-管理された闘病を家族との暮らしに変える―」
藤本 肇氏(ふじもと在宅緩和ケアクリニック院長)

「ケア従事者のための臨床倫理学・死生学-高齢者の意思決定をめぐって-」
清水哲郎氏(東京大学 死生学・応用倫理センター特任教授)

「患者と家族の支援の観点から見た医療コミュニケーション」
木下寛也氏(国立がん研究センター東病院緩和医療科・精神腫瘍科 科長)

「患者の願いを叶えたい-地域包括ケアで支えるまちへ」
藤田敦子(NPO法人千葉・在宅ケア市民ネットワークピュア代表)

「在宅ホスピス実践報告」&「遺族の体験談」
永谷 計(板倉訪問クリニック院長)ほか

講習会「口腔ケア」

分科会①「一人暮らしや介護力の低い人を地域の力で支える」
分科会②「医療的ケアのある人を支える~法制化を踏まえて~」
分科会③「がんターミナル期の褥瘡ケアのあり方を考える」
分科会④「在宅ホスピスにおけるリハビリテーション」

分科会については、発表者などを順次ご案内していきますね。

では、がん患者と家族を支えている皆様に、千葉@船橋でお会いできますことを楽しみにしています!



2012年5月20日日曜日

コミュニケーション・社会・幸せ 野沢和弘さん


NPOピュアの藤田敦子・院生モードです。
今回のお話は、毎日新聞論説委員 野沢和弘さんからお聞きしました。自閉症のお子さんとの会話や知的障害をもつ人の為にわかりやすい新聞を作った話など、今回も「発信力」を高めるために、多くを学べました。

◎世の中の理不尽を追求する

野沢さんは、毎日新聞に入社し、厚労省担当のキャプになった1995年に、転機となった薬害エイズ事件に出会いました。
当時、薬害エイズになったことは、世間にも内緒の時代でしたが、血友病患者のお母さんたちにインタビューをして記事にしていきました。最初は「なんで、そんなものを記事にするのか」と厚労省だけでなく、当事者のお母さんの中からも批判の声があがっていましたが、だんだんと世の名に伝わっていき、「自分は間違っていた。書いてくれてありがとう」と言われるようになりました。
次に疑問に感じたのが、茨城県で起こった知的障害者への虐待問題でした。当事者の証言能力を問われ、救うことができず、地元のメディアも書くことができないでいました。野沢さんは、「職をなげうってもやらなくては」と思い、デスクと相談し、年末の社会面に、今までどういう取材をしてきたか、放置されてきた現状を書きました。すると、全国の読書からFAXが届き、記事に反対していた上層部も、もっと書くようにと変わっていきました。

◎自己選択・自己決定のための情報保障

90年代後半に入り、社会が措置から契約、介護保険、支援費制度と変わっていき、自己選択・自己決定の時代になっていきました。選ぶためには、情報、体験、判断能力、交渉能力が必要でした。スウェーデンなど北欧では当事者主義と情報保障がなされていることから、野沢さんは、知的障害者のための新聞「ステージ」を出すことを提案しました。大赤字になることをふせぐため、新聞記者は無料にし、他に編集委員に知的障害の本人、福祉職員・育成会職員が加わり、年4回発行していきました。
野沢さんは、「難しいことを難しく書くのはやさしい。難しいことをやさしく書くのは難しい」と言います。知的障害・発達障害は、比喩や婉曲的な言い方がわからない、文脈を読んだり、相手の気持ちを推測するのが苦手で、「ネコの手も借りたい」と言われ、本当に猫を探しに行った人もいました。記事は、知的障害者にもわかるように、長い文章、複合文、難しい漢字、ひらがなだけ、二重否定、比喩、抽象的な語彙、専門的な語彙、省略をやめていきました。

◎心の奥の無意識に働きかける

野沢さんは、取材者の生い立ちから入り、相手の内面(人生)にコミットし、「こういう人生を歩んできたんだな」と思った時に、初めて相手の言葉が落ちてくると言います。取材者と「共同作業」を行い、質問と答えが繰り返されていくことで、「無意識」が「意味付けされた言葉」に変わっていき、それが記者の中にストンと落ちてきた時、取材者の言いたかった「ことば」になっていきます。
目が見えない、耳が聞こえない東京大学教授の福島智さんは、「コミュニケーションは手段に過ぎず、目的にはならない。ことば以外の肩を触る、手を握るということでもいい。重要なのは、手段ではなく目的の部分、つまり相手が、うれしいのか悲しいのかという感覚を大事にすること」だと言います。
言葉の奥の無意識に働きかけるための手段は、音楽だったり、芸術だったりします。取材する側の記者の価値観、一般の国民の価値観で判断するのではなく、「感情的な心の交流で豊かな、やわらかく、ゆるやかに感じるか(福島さん)」そのことが大事なことであり、障害の有無でなく、社会がそう感じられるかどうかが、今、問われているのでしょう。

◎とことん向き合い、社会を動かす力に

講義の最後に、野沢さんは、最初の仕事だった「代理母」の記事を出してきました。1992年に始まった代理母のことを、どんどん記事にしましたが、1996年に、T病院でステロイド剤の「適応外使用」があり、三つ子を妊娠していたA子さんは植物状態になり、胎児である三つ子は死亡しました。
「自分の仕事(記事)でこんなことになった」と思った野沢さんは、植物状態になった奥さんの病室にずっと泊まり込み看護する工藤さんに、ずっと向き合い、毎年暮れにそば屋で一杯やりながら、語り合ってきました。奥さんが亡くなる直前に工藤さんが綴った日記は、「あい・らぶ・ゆー 眠り続ける君へ」と言う本になり、そのことを野沢さんは、「散歩道」2001年1月19日に記事にしています。
このことは、長い年月を経て、とことん取材者に向き合って、取材者の心の奥の叫び、伝えたいことが野沢さんの心の中に落ち、野沢さん自身が納得できる「意味付けされたことば」として、世の中に発信することができた瞬間でもありました。グリーフケアを勉強している私から見ると、今回の記事は、大事な人を亡くした遺族が、傷つきながら成長し、新たに生まれ変わる過程に付き添うケア者のように思えます。

そして、今回の講義を受けて、ジャーナリストは、声なき声を社会へわかりやすく発信していくことで、社会へ問題を投げかけ、社会の意識を動かし、本物の「幸せ」を感じられる社会に変革する、大きな役割を担っているのだと感じました。

講義資料(PDF)大熊由紀子教授HP ゆき・えにしネットから
*倫理と変革の部屋に入ってください

2012年5月9日水曜日

高齢社会の問題解決を紐解く 武藤真祐さん


NPOピュアの藤田敦子です。大学院生モードです。

今回は、医療法人社団鉄祐会 理事長 武藤真祐さんから「戦略コンサルティング集団での経験が活きる」という講義の内容を、藤田流でまとめました。講義を受けた人の主観が入りますので、ご了承くださいね。

『あるべき姿を定めることが、問題解決手法の基本』

医療法人社団鉄祐会 理事長 武藤真祐さんから

◎侍医からコンサルタント、在宅医療へ

武藤さんは、東京大学医学部を卒業後、循環器内科へ入局、そこで金澤一郎先生、黒川清先生、矢崎義雄先生、永井良三先生とすばらしい4人のメンター(人生の師)に出会いました。推薦で侍医を務めた後、「社会の課題を解決したい」と戦略コンサルティング会社「マッキンゼー&カンパニー」へ突然入社し、課題解決の手法を学びました。そして2年後、2010年1月に文
京区で在宅医療診療所を開設し、翌2011年5月に、高齢者の孤立を防ぐ社会システムを創りたいと、一般社団法人「高齢先進国モデル構想」の活動を開始しました。

また、東日本大震災の支援で訪れた石巻市の悲惨な状況を改善したいと同年9月に石巻市に診療所を開設し、被災地と都市部で高齢者の健康と生活を守っています。今回の講義では、医師を一度離れ、「自分の生きる道」を「在宅医療」に見いだした武藤さんから、「問題解決の手法」を学びました。*参考資料:秦充洋氏作成

◎問題の本質を探る「ロジカルシンキング」

問題を解決するためには、「問題」となっていることを的確に見つけ出すことが大切で、ここが簡単のようで難しい。一見、問題のように思えても、本質的な解決へつながらないことがある。まず、「あるべき姿(ゴール)」をきちんと考え、「課題(what)を特定」、「原因(why)を究明」、「解決策(how)を立案」と進んでいく。この時に大切なことは、「問題」から、いきなり「解決策」を導くような場当たり的な対応を行わないことである。問題を深く掘り下げていくことにより、真の問題にぶつかり、そこから細かな原因を究明し、解決のためのアイデアを複数で出し合って、一つずつ個別的な解決策が生み出されていくのである。

また、問題から課題を見つけ出すためには、いくつかの「切り口」に分けて考えていくことが大切であり、この「切り口」は次のアクションにつながるものでなければならない。分解するポイントは、下位の論点が上位の論点を説明し、横方向は同じレベルがモレダブりなく並ぶ「ロジックツリー」であり、定めた軸に従ってMECE(ミーシー、個々に見てダブりがなく、全体的にみてモレがないこと)に分解すること、また、「計算式」や「プロセス」、「マトリクス」などフレームワークを定めていくとモレがない。一般的に使う「5W1H」や「戦略の3C」なども有名である。

◎いくつもの引き出しから答えを紐解く

個々の課題が特定されたら、課題に至る因果関係を解明するため、「仮説」を立てて、そこから「検証」を行っていく。この検証を行う段階で大事なことは、「なぜを最低5回繰り返す」ことであり、現場感があって具体的なものや実際のアクションにつながっているものが、良い「論点深掘り」と言われている。
原因を究明したところで、ブレーンストーミングでたくさんアイデアをだし、自分だけでなく、複数の人の力を借り、フレームワークを使いながら、「解決策」を導き出していく。この時に、「過去志向」でなく「未来志向」で訊いていき、打ち手を一緒に考えていく。わかっている事やすでにある議論をもとに整理をしても、ただの「整理学」で終わってしまう。MECEなフレームワークを組み合わせて問題を分解することにより、真の原因や思いもよらない発見が隠されていることがわかる。

結局、問題を解決していく難しさとは、「あるべき姿」が間違っていたり、イメージができていない、「現状」の認識・分析ができていない、偏った「解決策」で視野・発送が狭窄することであろう。「自分の立場」、「現状」からの思い込みからは何も生まれてこない。「固定観念」を解き放ち、無意識の「前提条件」にチャレンジしてこそ、問題を解決することができるのである。

◎リーダーシップの旅へ

武藤さんは、マッキンゼーに入り、人生を決める大事な本「リーダーシップの旅」と出会いました。その著者であるISL代表理事野田智義さんは、「リーダーシップとは、多くの人にはまだ見ていないものを見て、新しい方向性とビジョンを打ち出し、人々を巻き込み納得させて実現に向かわせることである」と言っている。「コロンブスの卵」でわかるように、成し得る前には想像もつかない、不可能に思えることが、事後には当たり前に思えること、つまり非連続を飛び越えていくことに他ならない。

リーダーは、確たる価値観に基づく使命感、夢や情熱、さらにはプロフェッショナルとしての自負を持ち、「リード・ザ・セルフ」の旅に立つ。人を巻き込み、人を引きつけ、そして自分の夢を全体の夢に昇華する「リード・ザ・ピープル」となり、社会全体に広がっていく「リード・ザ・ソサエティー」となっていくのである。リーダーとは、人を率いる者ではなく、いつの間にか人が自発的に付いてくる人間のことを指す。人々を飴とムチで動かすのではなく、人々の内在的な意欲に基づく行動を誘発するのである。ただ、付いてくる人(フォロワー)が多くなると、マネジメントとリーダーシップは近似し始めてくる。「利用された」と感じ、離れてくる人も出てくる。鍵となるのは、「自分が人をリードする」のではなく、「自分が人に助けられ、その結果、より自分をリードできるのだ」という意識の進化である、と野田さんは言っている。

武藤さんは、自らの内なる声を聴き、「困っている人を救いたい」「団塊の世代がボロボロで死んでいく社会の課題を解決したい」と立ち上がった。今、武藤さんの旅は始まったばかり。問題解決の手法は、知るだけなく、使いこなしていくからこそ、意味が出てくるのである。私も、野田さんの講義を前に聴いたことがある。今回、武藤さんから問題解決の手法を伺い、また人柄に触れて、武藤さんの「リーダーシップの旅=住み慣れた地域で自分らしく生きれる社会システム」の行方を、これからも見つめていきたいと思っている。

2012年5月4日金曜日

がん患者と家族の集い 船橋がんサロン5月14日

NPOピュアの藤田敦子です。

2012年5月の船橋がんサロン「ここにおいでよ」は
5月14日(月)10時~11時半船橋市中央公民館第2集会室(4階)で開催します。
(船橋駅南口、バス道路を市役所方面、十字路渡りすぐ、駅より徒歩約7分)

部位を問わない、期も問わない、がんサロンです。
ただ会って、話をするだけですが
毎回、みんな笑顔になって、満足感を持つことができています。

例えば、部位ですが
胃がん、大腸がん、咽頭がん、食道がん、甲状腺がん、肺がん、乳がん、子宮がん、卵巣がん、甲状腺がん、悪性リンパ種、皮膚がん、多重がん・・・と様々です。
期も様々で、5年生存率をクリアしたサバイバーから、進行がん、余命を言われた人、家族が緩和ケアや在宅ケア情報を求めてくる場合もあります。

それでも、みんなが一つになって、話をして、話を聴いて、ただそれだけなのに充実した時間が過ぎていきます。

助成金をもらって運営していますので、参加費はいりません。
予約も特別いりません。ただ当日は「お約束事」を説明しますので(守秘義務等)、開始15分前ぐらいに会場に来て頂けると嬉しいです。

でも、過去にも、迷って、迷って、そして一歩を踏み出した人を、何人も見てきました。会員制でもありませんので、1回来たら、次から必ず参加しなくてはいけないなんていう制約もありません。あなたが来たい時にいらしてくださいね。

原則、第2月曜日に開催しています。
日程は、ピュアホームページに出しますので、必ず、日にちを確認してから、いらしてくださいね。