2013年12月29日日曜日

平成26年2月16日千葉県在宅がん緩和ケアフォーラム開催 基調講演は山崎章郎ケアタウン小平クリニック院長

毎年恒例になっている千葉県在宅がん緩和ケアフォーラムですが、平成25年度は、平成26年2月16日に開催します。今年の基調講演は、誰もが入居できる住居をベースに、診療所、訪問看護、ヘルパー、デイサービスを複合的に届けているケアタウン小平クリニック院長の山崎章郎さん。このケアタウンは広いグランドがあり、子どもたちが集う場になったり、地域拠点としても動いています。山崎さんは、「病院で死ぬということ」というベストセラーを出し、その後、聖ヨハネ会桜町病院でホスピス医になり、そして今、地域コミュニティケアを実践しています。山崎さんから現在の実践をお聞きし、その後、千葉県がんセンター、在宅医、訪問看護師、薬剤師、ケアマネジャー、患者家族から看取りの現場や実際のお話をお伺いします。今回の患者家族の話は多くの専門職が登場します。病院主治医、看護師、ソーシャルワーカー、ケアマネジャーでカンファレンスを行い、退院。そしてさくら風の村訪問診療を受け、訪問看護、訪問リハビリ、訪問歯科、ヘルパーなどです。さくら風の村も複合施設ですね。さて、当日、どんなお話を伺えるのか楽しみです。千葉県民だより1月1日号に出ます。皆様、ぜひ、事前に申込くださいね。


平成25年度 千葉県在宅がん緩和ケアフォーラム

がんになっても、住み慣れた地域で安心して過ごせるように

日時 平成26年2月16日(日)13:00~16:30 
(開場12:00 ロビーにて相談コーナーや介護用品の展示あり)
場所 千葉市文化センター 3階アートホール
千葉市中央区中央2-5-1 TEL043-224-8211
JR千葉駅、京成千葉中央駅より徒歩10分

定員  450人(申込先着順 事前締切2月5日)
なお、定員になりましたら締め切らせて頂きます
(定員に満たない場合は当日受付を致します)
対象   一般県民及び在宅緩和ケアに携わる施設関係者等
参加費  無 料
〆切り 2月5日

基調講演  山崎 章郎(ケアタウン小平クリニック院長)
「家で死ぬということ」

パネルディスカッション
「がんになっても、住み慣れた地域で安心して過ごせるように」

パネリスト
澤口佳粋美(千葉県がんセンター サポーティブケア室副師長)
三嶋泰之(医療法人社団佐倉の風 さくら風の村訪問診療所 院長)
木所律子(訪問看護ステーション「いちご」 管理者)
眞鍋知史(玉造眞鍋薬局 薬剤師)
永島 芳江(コープみらい千葉介護センター ケアマネジャー)
患者家族(在宅緩和ケア体験者)

コメンテーター :土橋 正彦(千葉県医師会副会長)
コーディネーター:藤田 敦子(NPO法人千葉・在宅ケア市民ネットワークピュア代表)

主 催 千葉県、千葉県がんセンター、NPO法人千葉・在宅ケア市民ネットワーク ピュア


申し込み方法
*郵便番号、住所、申込代表者名、参加人数、職業(所属)、FAX番号を記入の上、FAX、Eメールでお申し込みください。定員になり次第、締め切ります。
*事前申し込みの受付は、2月5日必着(定員に達しない場合は当日に受付を致します)。

*HPもご参照ください。http://www.npo-pure.npo-jp.net/

問い合わせ 
千葉県在宅緩和ケア支援センター(千葉県がんセンター内)
電話 043-264-5465(平日9:00~15:30)
HP http://www.chibazaitaku.jp/

申し込み先 
在宅がん緩和ケアフォーラム事務局(NPO法人ピュア内)
FAX 020-4664-1536
Eメール kanwaforum@gmail.com (@を半角にしてくださいね)
電話  070-5554-3734(火・金のみ)

以上です。

2013年12月16日月曜日

最期まで自分らしく生きる(12月20日公開講座&2月16日シンポジウム)

先般もご案内をした千葉県「最期まで自分らしく生きる」地域別公開講座も、ついに後、3回を残すところになりました。まだ、参加されていない皆様、ぜひ、お越しくださいね。ここでは、習志野で行われる公開講座と千葉市のシンポジウムをご紹介します(なおピュアでは、2月16日の午後に千葉市文化ホールで千葉県在宅がん緩和ケアフォーラムを開催します。別にご案内を致しますので合わせてご参加くださいね)

☆平成25年12月20日(金)19:00~20:30 習志野商工会議所会館

基調講演 大岩孝司(さくさべ坂通り診療所院長)
終末期医療の現状や千葉県調査の結果、看取りの現状など

看取りの現場から、受けられる医療や介護と看取りの事例
四ツ屋真由美(市川市医師会訪問看護ステーション)
栗原正彦  (千葉県歯科医師会理事)

自分らしいお迎えを考えるために必要なこと
田中知華(京葉浦安法律事務所)

☆平成26年2月16日(日)9:30~11:40 千葉市民会館

基調講演 高林克日己(千葉大学医学部附属病院副院長、企画情報部長)
終末期医療の現状や千葉県調査の結果、看取りの現状など

啓発プログラムの紹介
土橋正彦(千葉県医師会副会長)
*ある家族のドラマや専門家の解説、県民意識調査の結果などを踏まえて、自分らしい最期を迎えるために知っておきたいこと、考えておきたいことをご紹介しています。ピュア代表の藤田敦子も家で家族を看取った体験を語っています。

パネルディスカション(看取りの現場から)
あらかじめ考える、家族と話し合う、自分で選ぶ、 考えの整理や意思表明の方法

☆申し込み方法
12月20日は「地域別公開講座(習志野)」、2月16日は「シンポジウム」希望と書いて、下記、事務局にFAXまたはメールでお申込みください。

☆事務局(㈱三菱総合研究所内)
FAX 0120-357-839 Eメール kouenkai_chiba*mri.co.jp (*を@に変更ください)
問い合わせは、TEL03-6705-6196(9時~17時)、当日は080-2287-8976

千葉県のホームページも参照くださいね。
http://www.pref.chiba.lg.jp/kenfuku/shuumatsuki/keihatupuroguramu.html

2013年10月30日水曜日

介護よろずカフェ「病気や障害をもって家で暮らすために」

NPO法人ピュア 第2回「介護よろずカフェ」のご案内です。

日頃、在宅介護をしていて悩んだり、困ったりしていても、なかなか時間が十分取れずに、医師など専門職に聞くことはできません。そんな、実際に在宅介護をしている人や、在宅医療って何だろう?どういうことができるの?と思っている人のために、カフェ形式で、場を作りました。専門職を交えて、日頃の介護に役立つ話や疑問などを語り合いませんか?講義の後に、お茶をのみながら、あのこと、このこと…。少人数だからできるひと時です。

第2回「介護よろずカフェ」
テーマ:病気や障害をもって家で暮らすために

日時:11月10日(日)13:30~15:30
場所:千葉大学(西千葉キャンパス)福祉環境交流センター[地図参照]
定員:20名
参加費:ピュア会員500円、会員同伴1,000円、一般2,000円
ゲスト:在宅医療をされている 沖田伸也氏(黒砂台診療所院長)

申込は、NPO法人ピュア事務局へ
TEL 043-290-3029(火・金午後)不在の場合もあります
Mail npo.pure*gmail.com(*を@に変えてくださいね)

お名前や電話番号、人数、参加の動機(困っていることなど)を書いてくださいね。

2013年9月26日木曜日

がん在宅ケア講演会 来月、船橋 体験談や相談も(読売新聞)

2013年(平成25年)9月26日(木曜日) 読売新聞

がん在宅ケア講演会 来月、船橋 体験談や相談も

がん患者の在宅緩和ケア普及に取り組む船橋市のNPO法人「千葉・在宅ケア市民ネットワーク ピュア」(藤田敦子代表)は、10月6日に同市中央公民館で「在宅緩和ケアなんでもフォーラム2013」を開く。公益財団法人正力厚生会が公募した、2013年度がん患者団体助成事業として開催される。

ピュアは01年12月の設立。在宅ホスピス電話相談のほか、一般向けの講演会や医療従事者など向けの公開講座を開いている。県と協力して県内約1400の医療機関などから得たガイドブックを作製したほか、緩和ケア病棟ボランティや患者や家族の交流機会づくりにも取り組んでいる。

フォーラムでは、藤田代表が末期がんを患った自身の家族の介護を通じ、心理的・社会的サポート不足を痛感した体験を紹介。「めぐみ在宅クリニック」(横浜市)の小沢竹俊院長が「苦しんでいる人と共に歩むすべての人へ」と題して基調講演する。

会場ロビーでは専門職による相談コーナーも設置。藤田代表は「在宅緩和ケアでは患者が主役。患者の周囲にはたくさんの支える力があるので、家で最期を迎えることができると伝えたい」と話している。

午前10時~11時半。参加費無料。申し込みは先着順で定員200人。代表者の氏名、電話番号、市町村名、所属(職業)と同伴者名を記入し、ファックス(020・4664・1536)か、メール(kanwaforum@gmail.com)で申し込む。問い合わせはフォーラム事務局(070・5554・3734)。

****************
在宅緩和ケアなんでもフォーラム 

http://npo-pure.blogspot.jp/2013/09/blog-post.html

2013年9月9日月曜日

千葉県公開講座&シンポジウムのお知らせ(自分らしく最期まで生きる)

NPO法人ピュアの藤田敦子です。私が委員として関わっている千葉県の、「自分らしく最期まで生きる」について考える講演会のお知らせです。元気な内に知識をもっていると、自分のこと、家族のことで直面した時に、考える一助になりますね。お近くの会場にお申し込みくださいね。


地域別公開講座およびシンポジウムの開催について
http://www.pref.chiba.lg.jp/kenfuku/shuumatsuki/keihatupuroguramu.html


千葉県では、以下のとおり地域別公開講座およびシンポジウムを開催し、平成24年度に実施した千葉県民の意識調査の結果とともに、終末期の医療や看取りの現状、自宅での看取りを支える仕組みをご紹介します。ご自身の生き方を考えるきっかけとして、ぜひご参加ください。

1.目的および概要
高齢化が進む中、「自分らしい人生の終わり方」についての関心が高まっています。最期を迎える場所も、病院や施設、そして住み慣れた自宅など、選択肢が広がっています。
地域別公開講座およびシンポジウムでは、県民を対象とした意識調査の結果や、終末期の医療や看取りの現状、自宅での看取りを支える仕組みをご紹介します。また、人生の終わりの時期の生き方について、あらかじめ考え、ご家族で話し合うきっかけとなることを目的としています。
また、この事業では、県民の皆様を対象として、人生の最期の時期の暮らしを支える医療や介護の現状をご紹介し、自分らしい人生の終わり方について考え、家族のみなさんと話し合っていただくことを願ってビデオを作成しました。シンポジウムでは、ビデオ上映のほか、医師・看護師・哲学者・弁護士・市民の代表らによるパネルディスカッションを行います。

2.主催および後援
主催:千葉県
後援:千葉大学医学部附属病院、千葉県福祉医療施設協議会、特定非営利活動法人千葉・在宅ケア市民ネットワークピュア、さくさべ坂通り診療所

3.プログラム
(1)地域別公開講座のプログラム【90分】
ごあいさつ
1.基調講演
・終末期医療の現状と今後
・看取りの現状と今後
・県民意識調査結果のご紹介

2.看取りの現場から
・自宅で受けられる医療や介護と看取りの事例

3.自分らしい「お迎え」を考える
・自然な死とはどんなもの?
・あらかじめ考える、家族と話し合う、自分で選ぶ
・考えの整理や意思表明の方法


(2)シンポジウムのプログラム
ごあいさつ(千葉県)   
1.基調講演
(千葉大学医学部附属病院 副院長、企画情報部長 高林 克日己 先生 )
・終末期医療の現状と今後
・看取りの現状と今後
・県民意識調査の結果の紹介
2.ビデオ「最期まで自分らしく生きる」
(社団法人千葉県医師会 副会長 土橋 正彦 先生)
・ビデオのご紹介
・生き方の意思表明について
3.パネルディスカッション
・「自分らしく生きること」と「意思を尊重して支える」こと
パネリスト(予定):
東京大学大学院人文社会系研究科 特任教授 清水 哲郎 先生
京葉浦安法律事務所 弁護士 田中 知華 先生
千葉県訪問看護ステーション連絡協議会 会長 権平 くみ子 様

4.会場およびスケジュール *資料準備があり事前申込ください(当日も可)
地域別公開講座
①9月18日(水)18:30~ 大網白里市 中部コミュニティセンター JR大網駅 
②9月29日(日) 14:00~ 銚子商工会議所 jR銚子駅3分
②10月5日(土)14:30~ 木更津市民会館  JR木更津駅20分
④10月19日(土) 14:30~ 松戸商工会議所会館  新京成電鉄松戸駅西口8分
⑤11月2日(土)14:00~ 成田商工会議所  JR成田駅、京成成田駅4分
⑥11月19日(火) 19:00~ 千葉市民会館  JR千葉駅7分
⑦12月8日(日)14:30~ 市原市サンプラザ市原  JR五井駅2分
⑧12月20日(金) 19:00~ 習志野商工会議所会館 JR津田沼駅、京成津田沼駅
⑨1月8日(水) 18:00~ 鴨川市市民会館  JR安房鴨川駅5分

シンポジウム 申込期限1/31
⑩2月16日(日)  9:30~ 千葉市民会館 千葉市中央区要町1-1 JR千葉駅7分
※開場は各会場とも開始時間の30分前です。

5.申し込み方法
FAXまたはEメールにてお申込み下さい。
FAX:0120-357-839
Eメール:kouenkai_chiba@mri.co.jp

◆FAXにてお申込みの方は下記必要事項を全て記入し、上記FAX番号までご送信下さい
◆Eメールにてお申込みの方は、下記内容を全て記入し、上記アドレスまでご送信下さい。

会場NO ※参加する回に○を付けて下さい。 ①②・③・④・⑤・⑥・⑦・⑧・⑨・⑩
参加する方の
お名前(代表) 参加する人数 計    名 電話番号   -   -


6.問い合わせ先
公開講座&シンポジウム事務局 
TEL:03-6705-6196(受付時間:平日9:00~17:00)
※開催日が土日の場合の当日連絡先:080-2287-8976
※事務局業務は㈱三菱総合研究所が千葉県から委託を受け実施しております。

2013年9月2日月曜日

在宅緩和ケアなんでもフォーラム2013(小澤竹俊さん講演)

NPO法人ピュアです。めぐみ在宅クリニックの小澤竹俊さんをお呼びして、「在宅緩和ケアなんでもフォーラム」を平成25年10月6日(日)船橋市中央公民館で開催します。


在宅緩和ケアなんでもフォーラム2013
苦しんでいる人と共に歩むすべての人へ

日時  平成25年10月6日(日)10:00~11:30(開場 9:30)
場所  船橋市中央公民館 (船橋市本町2-2-5 TEL 047-434-5551)
定員  200名 (申込先着順 事前締切10月1日) なお、定員になりましたら締め切らせて頂きます。定員に達し、ご来場いただけない場合のみ、ご連絡を致します。
*定員に達しない場合は当日に受付を致します。
参加費 無料 
対象  がんの在宅緩和ケアについて関心のある一般の方、患者さんとその家族、在宅緩和ケアに携わる関係者等

がん等の病気になっても、障害をもっても、住み慣れた場所に最後までずっといたいと誰もが思っています。でも、実際に最後まで自宅で過ごした人は約1割です。フォーラムでは、藤田敦子より、実父の在宅緩和ケア体験やピュアの活動を通した課題を問いかけ、続いて小澤竹俊氏から、在宅医療の実際や、苦しんでいる人に向き合うために何が必要かをお話し頂きます。「家で最期」を叶えるために、みんなで考えていきましょう。

基調講演 「苦しんでいる人と共に歩むすべての人へ」小澤竹俊(めぐみ在宅クリニック院長)
世の中で苦しんでいる人の力になりたいと願い、医師になりました。農村医療を志し、救命救急センター、山形県の町立病院等で勤務した後、横浜甦生病院ホスピス病棟で多くの患者さん、家族と向きあってきました。2006年には、在宅療養支援診療所めぐみ在宅クリニックを開業し、訪問診療に従事しています。NHK等メディア紹介多数。
著書「苦しみの中でも幸せは見つかる」「いのちはなぜ大切なのか」など。

講 演
「がんになっても、家で最期は可能ですか?」 藤田敦子(NPO法人千葉・在宅ケア市民ネットワークピュア代表)
末期がんの家族介護を通じて「心理的・社会的サポート」不足を痛感する。2001年NPO法人「ピュア」を設立し、在宅ホスピス電話相談や講演会、緩和ケア病棟ボランティア、船橋がんサロン「ここにおいでよ」などを行っている。千葉県がん対策推進部会委員、船橋市地域在宅医療推進連絡協議会委員など。

ロビーにて、専門職による相談コーナーあります

●問合せ・申し込み
NPO法人ピュア フォーラム事務局
メール kanwaforum*gmail.com(*を@にしてください) FAX 020-4664-1536
TEL070-5554-3734/043-290-3029(火・金のみ)

申込代表者の氏名、電話・FAX番号、所属、市町村名、同伴者名をご記入の上、メールまたはFAXにてお申込み下さい。
定員に達し、ご来場いただけない場合のみ、ご連絡を致します。

主催 NPO法人千葉・在宅ケア市民ネットワークピュア
後援 船橋市、船橋在宅医療ひまわりネットワーク、千葉県在宅ネットワーク、医療・福祉ネットワーク千葉、千葉大学福祉環境交流センター

このフォーラムは正力厚生会の助成により行われます

*ピュアのホームページもご参照下さい。http://www.npo-pure.npo-jp.net/


2013年8月30日金曜日

フランス発の高齢者ケア「ユマニチュード」

8月24日に、フランス発のユマニチュード(ヒューマニチュード)の講演会に行ってきました。フランスのイヴ・ジネスト氏とロゼット・マレスコッティ氏が、35年かけて認知症の人のためにケアメソッドを開発しました。凄い、本当に驚きの連続でした。大事なのは哲学、そして具体的な技術です。一見、当たり前のケアのように思えますが、それが実際の現場では実践することができず、拘束されたり、無視されたりしていました。それが、このケアメソッドで穏やかな表情に変わっていきます。日本で研修を行える体制作りが始まりました。終了後に、ジネスト氏に、「院生で、自分らしく最期まで暮らしたいが研究テーマ」と伝えたら、「僕もだよ」と言われました。嬉しいです(^^)。国の関係者やメディアもたくさん来ていました。認知症ケアが変わりますね\(^o^)/

8月28日に、毎日新聞「私の社会保障論」に国際医療福祉大学大学院 大熊由紀子教授が、「魔法」の高齢者ケア フランス発 国境超える「ユマニチュード」と紹介していました。一部、抜粋しますね。

◆◇「魔法」の高齢者ケア/フランス発、国境超える「ユマニチュード」◆ 大熊由紀子 国際医療福祉大学大学院教授
まるで魔法のようでした。
丸2年間、ベッドから起き上がろうとしなかった90歳の女性が、実に楽しげに、歌いながら歩き始めたのです。(略)
ユマニチュードは、「ケアすることとは何か」という問いに始まる人間哲学に裏打ちされた150を超えるテクニックの集大成です。母国フランスでは、400以上の病院やケアホームで利用され、スイス、ドイツ、カナダと国境も越えています。秘密は、誰でも身につけることができるワザにあります。例えば、(略)
 最近、高齢者の入院が激増しています。高齢者は叫んだり、暴れたりしますが、それはスタッフを「暴力を振るう敵」と思い込むからです。(略)
 体験した看護師たちは「目に見えて患者さんが笑顔になるので、うれしくなります」「管を入れる必要が本当にあるのかを考えるようになりました」「つらいから辞めようと思わなくなりました」とこもごも言います。(略)
 安全第一、利用者が自尊心を持った人間であることを忘れがちな病院や施設の文化を変えるときが来ているようです。

〇職員研修と効用
フランスでは、従業員10人以上の企業や医療福祉機関は、人件費総額の1.5%を職員の研修に充てなければならないと法で定められている。ユマニチュードの4日間の研修に190万円かけたあるケアホームは、ケアの質の向上で医療費が3800万節約でき、差し引きプラスになったと報告している。

2013年7月14日日曜日

地域緩和ケアの展望―各国から学ぶ実践

平成25年7月6日・7日に、長崎で、日本ホスピス・在宅ケア研究会の全国大会が開催されました。コミュニティケア部会は、「地域緩和ケアの展望―各国から学ぶ実践」と題し、従来の立場ごとの発表でなく、各国の視察の報告と、それを日本の中でどのように取り入れているか、そして、今後、日本の緩和ケアに求められることを話し合いました。

地域緩和ケアの展望―各国から学ぶ実践

発表者:蘆野吉和(青森県立中央病院緩和ケア)    「地域緩和ケアネットワーク:十和田市における取り組み」
梁 勝則(はやしやまクリニック希望の家 院長)「オーストラリア、イギリス~ドイツの地域緩和ケア見聞覚え書き」
矢津 剛(矢津内科消化器科クリニック 院長) 「ニュージランドにおける英国的ホスピスケアと我が国の動向」
藤田敦子(NPO法人千葉・在宅ケア市民ネットワークピュア 代表)「デンマークとオランダのエイジング・イン・プレイスと高齢者ケア」

座 長:藤田敦子(NPO法人千葉・在宅ケア市民ネットワークピュア 代表)

抄録には、詳細を書きましたので、研究者の方で必要な方は「ホスピスケアと在宅ケア」第21巻2号か題名で検索ください。

ニューズレター用にまとめたのを、下記に入れますね。字数の関係で、かなり、カットしたので、十分な内容になっていませんが、コミュニティケア部会の風を感じてくださいね。来年は7月12日・13日神戸です。また、企画をしていきますので、ぜひ、お立ち寄りください。

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長崎大会でのコミュニティケア部会は、7月7日(日)第7会場にて、例年行っている立場別の発表でなく、各国への視察の報告とそれを実践においてどのように活かしているかを発表しました。会場は立ち見がでる状態で、入口でお帰りになる方もいました。

まず、蘆野吉和さんから、青森県十和田市における取組の報告がありました。高齢化した地方の小都市で、看取りを行う開業医が少ない中、基幹病院の中に総合診療科を作り、在宅医療の担い手および受け皿になり、地域緩和ケア支援ネットワークを構築していることが報告されました。十和田市におけるがん在宅死亡率は、2005年2.2%から2011年22.1%になっており、2009年からは非がん疾患の在宅移行も増えています。蘆野さんから、日本はがん対策基本法ができてからも、抗がん剤治療を外来で行う中、患者に病状や今後の予測される経過について何も知らされていない状況があり、緩和ケアが病院完結型となっている地域も多いのではないかとの発言がありました。

続いて梁勝則さんから、オーストラリア、イギリス、ドイツの報告がありました。有床診療所をベースにしたホスピスと認知症デイを運営する中で医師一人の困難を感じ、緩和ケア研修に参加をしました。オーストラリアでは、予約入院はなし、医師の当直はなく夜間死亡時は翌朝に死亡診断書を作成。庭が美しく、猫もチームだったので、これを取り入れました。イギリスでは、平均13日の入院で入院~外来~在宅がシームレスになっていて、自宅が無理の場合は個室だけど単価が高い月30~60万円のナーシングホームに入るとこことでした、また、ドイツは12日の入院で、緩和ケア病棟とホスピスが明確に区別されており、ホスピスは看護師が常駐して介護職と共に緩和ケアのマネジメントを行っていました。どこもがんに特化せず、神経難病や小児などの取り組みもありました。

矢津剛さんは、緩和ケア住宅と在宅緩和ケアセンターを併設した取り組みの中で、タイやイギリス、ニュージランドの視察を行い、レスパイトケアの重要性と、グリーフケアやボランティアの育成を行っています。ニュージランドのホスピスの在院日数は14日程度で、入院は在宅のためにあると言います。運営費は政府が40%ですが、基金が30%、自前が30%の出資があり、チャリティやリサイクルショップを行うことで、地域が支えるホスピスになっています。会場からの質問では、看取りに遺族ボランティアの参入も行い有用であったが、フラッシュバックなどもあり、配慮が必要と回答されています。また現在、我が国の緩和ケアが寄り添いの母性主義からEBM重視・権威的な父性主義になっていることを危惧しているという言葉もありました。最後に日本の介護保険小規模多機能ケアに看護を加えた複合型サービスが、ホスピス医療ニーズのある患者に応えていく可能性を訴えておられました。

藤田敦子から、デンマークでは、特養の建設を禁止し、高齢者住宅を中心としてITを使い街づくりを行い、緩和ケア科医師は、地域へ出向き、家庭医を支え、又ホスピスでも支えていました。残存機能を残すケアを行っており、リハビリはセラピストが組み、それをヘルパーなどが在宅で機器などを使いながら、毎日継続して行い、本人が花や動物の世話をして、支えられるだけの存在でないことが大事だと教わりました。オランダは、家庭医がおり、安楽死などの手順もとても厳格で、ホスピスは引退した家庭医が顧問となり、看護師や介護職、ボランティアが中心で行われています。ケア付き住宅を中心に街を作り、在宅看取りは病院、自宅、ナーシングホーム等が3割ずつになっていました。オランダは緩和ケアユニットがあり、看取りの時に移動するのが少し気になりましたが、どちらも生活の場の延長として看取りがありました。 

質問の中で、ボランティアの活用が出ましたが、看取りボランティアは引退した専門職が行っておりました。日本では、聞き書きやアロマを使ったボランティアが動いていますが、周辺の環境整備などボランティアには行うことがいっぱいあると発言を締めました。コミュニティへ出る、コミュニティを巻き込む。今後の日本の緩和ケアがたくさんのチームと手を取り合い、がんでも非がんでも、自分らしい生活の延長の豊かな生と穏やか死が提供されることを望みます。

2013年3月21日木曜日

恵みのとき―病気になったら(晴佐久昌英司祭)

NPO法人の藤田敦子です。資料を整理していたら、こんなすてきな詩が書かれた文書が出てきました。いつ、どこで、誰にもらったのか、さっぱりわかりませんが、とてもすてきな詩ですので、記しますね。詩集があるのかもしれませんね。本屋で探してみようと思います。

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病気になったら  晴佐久昌英 (カトリック司祭)

病気になったらどんどん泣こう 痛くて眠れないと言って泣き
手術がこわいと言って涙ぐみ 死にたくないよと言ってめそめそしよう
恥も外聞もいらない いつものやせ我慢や見えっぱりをすて
かっこわるく涙をこぼそう またとないチャンスをもらったのだ
自分の弱さと思いあがりを知るチャンスを

病気になったらおもいきり甘えよう あれが食べたいと言い こうしてほしいと頼み
もうすこしそばにいてとお願いしよう 遠慮も気づかいもいらない
正直にわがままに自分をさらけだし 赤ん坊のようにみんなに甘えよう
またとないチャンスをもらったのだ 人の情けとまごころに触れるチャンスを

病気になったら心ゆくまで感動しよう 食べられることがどれほど有難いことか
歩けることがどんなに素晴らしいことか 新しい朝を迎えることがいかに尊いことか
忘れていた感謝の心を取りもどし 見過ごしていた当り前のことに感動しよう
またとないチャンスをもらったのだ この瞬間に自分が存在しているという神秘
いのちの不思議に感動するチャンスを

病気になったらすてきな友達をつくろう 同じ病を背負った仲間 日夜看病してくれる人
すぐに駆けつけてくれる友人たち 義理のことばも儀礼の品もいらない
黙って手を握るだけですべてを分かち合える あたたかい友達をつくろう
またとないチャンスをもらったのだ 神様がみんなを結んでくれるチャンスを

病気になったら安心して祈ろう 天にむかって思いのすべてをぶちまけ
どうか助けてくださいと必死にすがり 深夜ことばを失ってひざまづこう
この私を愛して生み慈しんで育て いつか御自分のもとへ呼んでくださるお方に
すべてをゆだねて手を合わせよう またとないチャンスをもらったのだ
まことの親である神に出会えるチャンスを

そしていつか病気が治っても治らなくても みんなみんな流した涙の分だけ優しくなり
甘えとわがままをこえて自由になり
感動と感謝によって大きくなり 友達を増やして豊かになり信じ続けて強くなり
祈りのうちに神の子になるだろう 病気になったらまたとないチャンス到来
病のときは恵みのとき

2013年3月5日火曜日

救急医療の「出口問題」としての高齢者問題

NPO法人ピュアの藤田敦子、大学院生モードです。

先般、東海大学医学部付属病院高度救命救急センター次長・医療法人救友会理事長山本五十年さんから、平塚モデルのお話を伺い、救急と在宅医療の問題についてもっと深く知りたいと病院を訪ねた。

この病院には、全国で数少ない高度救命救急センターがあり、三次救急医療施設として、神奈川県西部地域、また山梨県・静岡県の一部に係る広範囲の救急患者を受け入れている。救急車受け入れ台数は、年間7,000台以上とも言われている。

もうそれだけで、びっくりなのだが、一番最初に「入退院センター」に案内されて、二度びっくりした。ホテルのカウンターのように受付があり、横には相談室があった。センター内には、数え切れないほどの看護師、医療ソーシャルワーカーなどがいて、入院が決定した患者に対し、入院前から入院後まで一連の手続きや相談を受け、外部医療機関との連携などを行っている。普通は、医療連携室があって、そこに一人か二人の看護師と医療ソーシャルワーカーがいて、主に退院支援を行っているのだが、ここでは、入院時からの支援がある。

すごいとうなっていると、高度救命救急センターには、もっとびっくり。そう「トリアージナース」がいるのである。症状が深刻なのか、少し待てるのかなど、緊急性のある患者から順番に医師の診察を受ける流れを作る能力をもった看護師のことを「トリアージナース」と言う。いやもう、その光り輝く姿に圧倒されました。山本さんから、救命救急センターで働く150名のナースを束ねる剱持功さんと山崎早苗さんを宝物のように紹介して頂きましたが、その穏やかな表情から、すばらしいチーム医療の現場にいることを実感しました。仕事を終えて帰る救命士の方が立ち寄る場所も作られており、病院全体で、救急の現場で働く人を育てる教育システムがあるようです。山本さんは「神奈川西部ではこれだけの規模はここだけなので、救急患者を断るなんてとんでもないと剱持さんに怒られるんですよ」と言う。こういうことをにこやかに言える関係性ってすごいことだ。MRXO(MRI/CT/angioが並列された術中画像診断システム)など、あらゆる手術に対応できるシステムや専門センター、ドクターヘリも備えているが、研修生をひき付けているのは、良好な人間関係やリーダーたちの魅了も大きいのだろう。

さて、出口問題だが、2007年10月にセンターに救急搬送された入院患者449人中、重症患者251人を対象に調査をした所、重症入院患者に占める高齢者の割合は46.2%で、平均在院日数も非高齢者に比べ長かった。また高齢者の転帰は、非高齢者に比べ自宅退院が少なく、転院・転所の症例が33.6%を占めていた。
つまり、救急医療を将来にわたって確保するためには、救急患者が治療後、速やかに慢性期医療・在宅医療、また介護施設へ移行する体制を作る必要があることがわかったのである。

このような問題意識から、急性期医療と連携した在宅医療・療養支援を実現する近未来型のスキームを確立するため検討を行い、2009年2月に、医療と介護の複合施設(湘南真田メディケアセンター)が誕生し、医療と介護の連携を模索する中で、今回、国の在宅医療連携拠点事業にも選ばれた。

猪口貞樹病院長に、がんの終末期について質問をしてみたが、治療との狭間で揺れ動く患者の姿が見えるようだった。当病院は、がん診療連携拠点病院にもなっているので、今後、緩和ケア部門の充実も望みたい。

湘南真田メディケアセンターへも行ったが、夜になってしまったので、全体像を見ることができなかった。改めて、ここだけを取材したいと思った。

今、さまざまな救急医療問題があるが、その一つに、医療と介護の連携による街づくりが行われてこなかった結果だと思う。誰もが年をとる。その時にどう暮らして生きたいのか、その姿を話し合うこともなかった。特に都市部はまったなしだから、各都道府県の医療計画や市区町村の連携事業計画を注視していきたい。

簡単なメモしか取らなかったので、感想文になってしまったが、救急の問題は高齢者の増加地域で、これから頻繁に起こってくると感じている。これからはこの問題も考えていきたい。

2013年2月18日月曜日

住み慣れた場所で最期を 在宅ひとり死を考えるフォーラム 上野千鶴子さん

千葉@藤田敦子です。
2月17日に行われた千葉県在宅がん緩和ケアフォーラムは、500名の会場が満席となり、3分の2が一般市民の参加により、無事、成功裏に終了しました。

基調講演に「おひとりさまの老後」を書かれた社会学者・東大名誉教授の上野千鶴子さんをお迎えし、「在宅ひとり死は可能か?」と問いていきました。そのせいか、いつもの、医療・福祉従事者やがん患者・家族だけでなく、高齢者や地域包括ケアの関係者などが多くご参加でした。

当日、NHK全国ニュースとして放映されました。

住み慣れた場所で最期を 在宅ひとり死 考えるフォーラム NHK

動画はすぐ見れなくなりますのでテキストも張り付けときますね。

「在宅ひとり死」は、会場に来られた多くの市民が、そんなこと無理だと思い、 そして、フォーラム後に、「できる」と確信されていました。
中でも、ご発表された遺族の方が、発表の中で、「自分は夫を家で看取ったけど、自分の時は子供に迷惑をかけるから無理だと思う」と言われていたのですが、パネルディスカションの中で、「こんなにすてきな専門職の人たちがいることがわかりました。子どもたちに自分も家で死にたいと言います」と語られ、企画者として、とても嬉しかったです。

後、薬剤師もチームの一員として、しっかり入れられたのも良かったです。

私は会場に呼びかけました。「私たち、市民にできることが二つあります。一つは、在宅ひとり死をしたいと望み、そして、それを声に出していくことです。二つ目は、インフォーマルサービスとして、「手」になることです。たすけあいという形でなくても、隣近所助け合っていけば、そこは、最期まで住み続けられる場所になっていきます」

「在宅ひとり死』伝道師の上野千鶴子様、そして、パネリストの皆様に感謝申し上げます。私たち、市民でも、できることがある。それがとっても嬉しかったです。

このフォーラムの中で語られましたが、在宅を全員が選ぶ必要はないのです。在宅療養をして病院や緩和ケア病棟、施設を望んでもいいのです。大事なことは、自分の大切な人生を、どう最期まで生ききるのか、家族や周りとの関係も含め、そればあなた自身の人生であり、自分自身で決めるしかないのです。そして、その決めたことが叶えられるように、選択権のある環境を作っておくことが、千葉県の役割になるわけですから。

*****NHKニュース「住み慣れた場所で最期を 平成25年2月17日*****

65歳以上の1人暮らしの人が高齢者世帯のおよそ3分の1に達し、今後10年でさらに100万人以上増えると見込まれるなか、がんなどの病気になっても、住み慣れた自宅や地域で最期まで暮らすにはどうすればよいかを考えるフォーラムが17日、千葉市で開かれました。

このフォーラムは千葉市のNPO法人が開いたもので、「おひとりさまの老後」などの著書で知られる社会学者の上野千鶴子さんが、在宅医療の現場で行った調査に基づいて講演しました。
この中で上野さんは、末期がんの高齢者を医師が往診して薬で痛みを和らげたり、訪問介護などのサービスをうまく組み合わせたりして支えている取り組みを紹介し、「病気になっても1人暮らしはできるという手応えを得た。病院の医師や離れて暮らす家族は『1人住まいなんて無理だ』と反対するが、実態を知らないためだ」と指摘しました。
また、1人暮らしの70代の末期がん患者を看取った経験がある訪問看護師は、「家で死にたいという本人の強い希望に家族も動かされた。自分の最期についてしっかり考えておくことが大切だ」と話しました。
講演を聞いた女性は、「自分も独り身なのでひと事ではない。できれば自宅がよいと思っているので、参考になった」と話していました。

2013年1月27日日曜日

在宅ひとり死は可能か?

2月17日に開催する千葉県在宅がん緩和ケアフォーラムについて船橋よみうりの取材を受けました。皆様、ぜひ、いらしてくださいね。2月12日まで申込を受けています。
*定員となりましたのでお申込みを終了しました(2月6日)

在宅ひとり死は可能か?社会学者・上野千鶴子氏を迎えフォーラム

千葉県在宅がん緩和ケアフォーラム「がんになっても、住み慣れた地域で安心して過ごせるように」が、来月、千葉市文化センターで開かれる。
NPO法人千葉・在宅ケア市民ネットワークピュア(金杉7)などが主催。基調講演に、社会学者の上野千鶴子氏(=写真・東京大学名誉教授)を迎える。『おひとりさまの老後』(法研)の著者・上野氏が、「在宅ひとり死は可能か?」をテーマに語る。
住み慣れた自宅で一人、穏やかに死を迎える「在宅ひとり死」。生涯非婚率の増加などを背景に「在宅ひとり死」への関心が高まっている。
本人にその意志があっても、24時間体制の訪問介護、医療、看護などの多職種チームの支えが必要だ。また、その人の暮らしやお金、葬式までを支える人材が不可欠となる。
ピュアの藤田敦子代表は、「がんになっても、自分の意志で最期まで暮らし続けられる街にしたい」と奮闘している。
講演後のパネルディスカションでは、緩和ケアチーム医師や看護師、患者家族などを交え、今後の方向性を話し合う。
「合併症が安定するなど条件が揃えば(在宅ひとり死は)不可能ではない」とパネリストの永谷計氏(板倉訪問クリニック院長)はいう。正しい死に方などないが、選択肢は多い方がいい。「意志と病気に対する理解が大事なのは、同居する家族がいる人も同じ」と話している。
2月17日13時。千葉市文化センター(JR千葉駅から徒歩10分)。先着450人。申込は郵便番号・住所・申込代表者名・参加人数・職業(所属)・Fax番号を明記しFax047-495-9555まで。Eメールkanwaforum@gmail.comも可。2月12日必着。
問合せtel043-264-5465県在宅緩和ケア支援センター

船橋よみうり 第937号 2013(平成25年)1月26日

フォーラムについての詳細はこちらのブログからどうぞ

2013年1月17日木曜日

「心に残る医療」看護師からの提案 病院で結婚式を

地元千葉県@船橋市で、在宅医療の協議会に参加させて頂き、船橋市にはとても熱い思いを持つ、医療・福祉関係者がいることを知っていましたが、本日の読売新聞で、「心に残る医療」の厚生労働大臣賞を船橋市在住の秋田さんが受賞されたとありました。緩和ケアは、「がん」に特化しないプログラムや思いなんだと常日頃伝えていますが、こういう記事を読むととても嬉しいです。ネットで見れなくなるので、記事を入れさせて頂きました。

「心に残る医療」秋田さんに厚生労働大臣賞


第31回「心に残る医療」体験記コンクール(読売新聞社、日本医師会主催、厚生労働省後援、アフラック協賛)の一般の部で、船橋市二和東、会社員秋田久美さん(42)の「父が主役の結婚式」が、最高賞にあたる厚生労働大臣賞に選ばれた。

 闘病中の父親が作者の結婚式に参加できるよう、入院していた同市内の病院の看護師らが院内で結婚式を開催してくれたことについて、感謝を込めてつづった。

 父・玉井広昭さんは、糖尿病の合併症「糖尿病性腎症」で人工透析を受けていたが、2010年6月、足から大量出血し、切断を余儀なくされた。病状が日増しに悪化する中、秋田さんは結婚し、都内で式を挙げることを決める。しかし、玉井さんの容体は急変。2か月後に迫った結婚式への出席は厳しくなった。

 そんな時、看護師から突然の申し出があった。

 「お父さんの意識があるうちに、病院で式を開かせていただきたいのです。準備は全て行います。あとは娘さんの承諾だけです」

 結婚式は2週間後に催された。病院スタッフや入院患者が祝福する中、会場のリハビリ室に入ると、装飾された室内に、リハビリ用のマットレスを利用して作ったバージンロードが広がっていた。医師や看護師が楽器を演奏して盛り上げる中、主治医が牧師役となって結婚を宣言し、指輪を交換。玉井さんは検査を受けながらの参加だったが、最後まで満足そうに見守っていたという。

 玉井さんは1か月後に68歳で他界した。秋田さんは毎日仏壇で手を合わせる際、「お父さん、病院の人たちに感謝だね」と語りかける。式が終了する前に「2人とも健康で力を合わせて頑張って」と笑顔で言われた言葉が忘れられない。秋田さんは「父も受賞を喜んでいると思います」と話す。

 体験記で亡くなる直前に花嫁姿を披露できた喜びをこう結んだ。「先生、看護師さん、その他の皆様による企画と実行、結束力、思いやりに感動し、いまだに感謝の気持ちでいっぱいです」

(2013年1月17日 読売新聞)