2014年11月27日木曜日

千葉県在宅がん緩和ケアフォーラム10周年記念(H27年1月12日)

毎年2月に開催していた平成26年度千葉県在宅がん緩和ケアフォーラム10周年記念を今年度は1月に開催致します。

平成27年1月12日(月・祝)13:00~16:30千葉市文化センターアートホールで開催します。
「がんになっても、住み慣れた地域の中で安心して過ごせるように」

基調講演は、NHKあさイチ「櫻井翔が見る終末期医療の現場~緩和ケアの今~」で紹介された緩和ケア診療所・いっぽの萬田緑平医師が「家に帰ろう~旅経つ命の奇跡~」と題して講演
続いて坂下美彦千葉県がんセンター緩和医療科主任医長、土橋正彦県医師会副会長、柴崎ゆかりカンナ訪問看護ステーション所長、小林きよみ市川市福祉部地域福祉支援課主幹、藤田敦子NPO法人千葉・在宅ケア市民ネットワークピュア代表によりパネルディスカション「がんになっても、住み慣れた地域の中で安心して過ごせるように」を行います。

参加費無料、定員450名(先着順、申込者に参加証を送ります)。事前申し込みは12月20日まで。
申込は、郵便番号、住所、申込代表者名、参加人数、職業(所属)、FAX番号を明記にて下記へ。
フォーラム事務局 FAX020-4664-1536、Eメール kanwaforum*gmail.com(*を@に変えてください)

問い合わせは、地域緩和ケア支援事業担当(千葉県がんセンター内)TEL043-264-5465(月・木・金9:00~16:00、水9:00~12:00)

*12月20日以降ですが、上記の地域緩和ケア支援事業担当が、お問い合わせ及びお申込みを継続して受けることに致しました。定員までお受け致しますので、12月20日以降はお電話でお問い合わせくださいませ(12月9日追加).
*1月9日、事前申し込みを締め切りましたが、若干余裕がございますので、当日申込を行います。開場は12時。講演会スタートは13時です。12時50分までには当日受付へお越し下さいませ(1月9日)。

来年度から、「在宅医療」を推進する担い手は、市町村になり、県の役割は後方支援になります。また、在宅医療の対象は「がん」だけに限りませんので、がん対策事業で開催致しますのは、今年度限りを予定しております。10年間、いろいろなことがありました。在宅医療・ケアに携わる6700機関へアンケートを送り、「どこに家で最期まで暮らしたい患者を支えてくれる専門職がいるのか」を明らかにしました。このようなフォーラム以外に、公開講座の開催、そして大きな学会の全国大会開催など、たくさんのことをしてきました。そして今、独居でも家で最期が可能になってきました。萬田先生はたくさんの映像と一緒に語ると言われていますので、櫻井翔さんのあさイチも見れるかもしれませんね。皆様、10周年記念にぜひお越しくださいね。



2014年11月1日土曜日

介護よろずカフェ第二弾「人生最終章の医療を考える市民のつどい」(千葉県医師会共催事業)

6月に開催した「介護よろずカフェ」は、介護を経験した市民や介護福祉士、ケアマネジャー、作業療法士、救命士など様々な職種が参加をして、知識を学び、そして多くの気づきがありました。今回12月6日(土)14:00~17:00に千葉県医師会新会館を使って、「人生最終章の医療を考える市民のつどい」を開催致します。人生最終章の医療には、どんな問題があるでしょうか。家族介護の中でどうしようか迷っていませんか?また介護を受けるような状態ではないけれど将来のために勉強をしたい方、そして実際に支え手になっている医療・看護・介護・市民団体の皆様もぜひご参加ください。講演を聞くだけでなく、グループワークを行う中で、たくさんのアイデアを得て帰りませんか。地域医療総合支援センターには、在宅医療・介護を学べる医療機器や福祉機器の展示もあります。ぜひ、この機会にご参加ください。

人生最終章の医療を考える市民のつどい
~最期まで自分らしく生きるために何が必要か、みんなで考えよう~

日時:平成26年12月6日(土)14:00~17:00(開場13:30)
場所:千葉県医師会(新会館1階)地域医療総合支援センター
参加費:無料 定員:40名(要申込 11月25日締切)

プログラム:
1.基調講演 土橋正彦(千葉県医師会副会長)「人生最終章の医療を考える」
〇人生最終章の医療の現状と今後
〇平成24年県民意識調査結果のご紹介
〇看取りの現場から

2.ビデオ「最期まで自分らしく生きる」コーディネーター藤田敦子(NPO法人ピュア代表)
〇千葉県「高齢者向け啓発ビデオ」のご紹介
〇自分らしい「お迎え」を考える ~実父の穏やかな最期から~

3.グループワーク
〇最期まで自分らしく生きるために何が必要か、みんなで考えよう

申込は、参加動機、お名前、住所、電話/FAX、職業を記入の上、NPO法人ピュア「市民のつどい」係へお申込みください。
ピュア事務局FAX047-448-7671 Mail npo.pure*gmail.com(*を@にしてください)

主催:NPO法人千葉・在宅ケア市民ネットワーク ピュア
共催:公益社団法人千葉県医師会
助成:公益財団法人在宅医療助成勇美記念財団助成事業

チラシは
から。

2014年8月18日月曜日

地域包括ケアの一歩は住民流たすけあい 木原孝久さん

たくさんの出来事があったのにお休みしてしまい、2か月ぶりのブログです。まずは、5月29日の大学院から、木原孝久さん(住民流福祉総合研究所)の講義感想です。「地域包括ケアシステム」には、住民の協力や助け合いが不可欠だけど、組織立てなくても、ちょっとご近所さんとコミュニケーションをとることが大切だと思いました。

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世の中にはこんなに凄い人がいるんだな~と思った今日の講義は、住民流福祉総合研究所の木原孝久さん。
「福祉の主役は地域住民である」と語る木原さん、まずはおつきあいの流儀についてテストを行いました。たとえば、
□「自分や自分の家族のことは隠しておきたい」、
□「困っている人にはお節介と言われない程度に関わる」
こんな質問が10個あり、〇か☓かで答えていくのですが、なんと、全国での感触は、7~9個〇の人(常識人)が多いんですって。
これじゃ、認知症の人が行方不明になってもわかんないし、隣で虐待の気配があっても無関心で済ましちゃうわけです。

わがジャーナリズム分野は2~5個が多くて、世話焼きさんが多いことが判明(^o^)。
日本人の72%が、頼まれたら動くタイプで、世話焼きさん-頼まれなくても動いちゃうのは23%でした。

木原さんは人間地図(じんかん・ちず)=支え合いマップを作っていて、もう一つずつの説明が抱腹絶倒、心の底から、そうそう!とうなづき、笑えました。

支え合いの最適数は50世帯、そこでは、困っている人を見つけたら、気になってご飯が喉を通らない超大物お世話焼きさんが存在し、また当事者本人がリードする助けられ上手もいるんです。介護保険はとても良い制度だけど、プロが入ることで、今まで世話を焼いていた人も手を引いてしまって、地域で当たり前であるはずのことが、いつの間にか忘れ去られてしまったと言います。

お世話を受けるだけじゃダメで、気難しい男性をデイサービスに連れ出すのも、ボランティアして~と頼むとイキイキと参加すると言う話も大笑い。

住民流に基づいた支え合い型の地域福祉づくりは12の流儀があり、当事者が主導権を主張するのが住民の流儀で、相性が悪ければ、民生委員が来たって戸を絶対に開けないわけで、そこは気に言っている人が訪ねて行けばいいんですよね。

もう、目からウロコ。
今日の講義を聞いて、私、地域福祉の現場に戻りたいなと思いました。以前、地区社会福祉協議会に所属していたことがあり、その時は、ミニディサービスやふれあいサロン、子育てサロンなどのお手伝いをしていました。今はまだその時じゃないけれど、私も年をとるわけで、ゆっくりと、地域に住む高齢者のために、何かできることを見つけていこうと思います。

なんだか、楽しくなり、久々に燃えてきました。やるぞ~~!!なんて気持ちです。
ついでに「たすけて~~」もたくさん言える人になりま~す。なかなか言えないですよね。でも、コミュニケーションの一歩は、「たすけて~」ですね\(^o^)/

2014年6月15日日曜日

千葉県初のみんくるカフェ報告 第1回介護よろずカフェ「人生の最終章の医療を考える」



平成26年6月8日(日)13:30~16:00千葉大学で行った第1回介護よろずカフェの活動報告です。
介護よろずカフェは、医療・介護の専門職と市民・患者の非専門職を結び、健康や医療、地域づくりなど様々なテーマに対して、ともに学び、対話できる場みんくるカフェ(みんながくる場所)の手法を取り入れています。今、全国に広がっていて、千葉県では初の試みです。

今回初めての試みなので、ドキドキしていましたが、参加申込は18名、当日は14名でした。Facebookを中心に参加確認を行っているのですが、これから申し込みが増えた場合のことも含めて、限られた人数しか入れませんので、人数確定をどうするのか、考えないといけないな~と思いました。
参加職種は、介護経験者など市民5人、介護職4名、社会福祉士2名、作業療法士(学生も)2名、救命士1名でした。看護師さんからもお申し込みはあったのですが、職種も含めて、全部、その時々の出会いを大切にするのがみんくるカフェだから、とってもいいバランスだったと思います。
元々、みんくるカフェを始められたのは、東大の孫医師(家庭医)で、他県では、医師や医学生、医療者が率先して対話の場を作っています。人数も20名ぐらいが適当だし、千葉県でも、もっと、もっと、広がっていくといいですね。

ワールドカフェなんてやったことがないという方には、みんくるプロジュースが、ファシリテーター養成の講座を開催しています。私(藤田敦子)も、そこで学び、全国で開催へ向けて頑張る同志(医師が多かったですね~)を得て、神奈川県で開催されたカフェに初参加、そこで、千葉県内で勤務している作業療法士の肇ちゃんに出会い、今回の開催になりました。

場所は、第1回ということもあり、ピュアが活動を行っている千葉大学(西千葉キャンパス)の教室を用意し、文具やお菓子の購入、当日の受付や学校内案内はピュアメンバーがてきぱきと行いました。慣れている所で正解でした。場所とか、予算とか決めるのもありますが、最初はスタッフの人数は必要最小人数で十分だと思います。だんだん、カフェに参加した人の中から、ファシリテーターを勉強した人などが企画に残っていくと思います。機器操作は事前のチェックをせず、当日の朝早くから行ったのですが、DVDの音が小さくて、機器が一番大切だったかも…と反省中、次回につなげていきたいですね。

っと言っても、今回は3テーブルを準備しますので、ファシリテーターを講師の地域医療を育てる会に協力依頼しました。ピュアが主催者だったのでハードルが低かったのでしょう。参加者も、医療・福祉職でない、市民の参加もたくさんあり、初めての開催にしては、とっても深みのある気づきのたくさんある会になりました。これからも、「介護」を切り口にカフェを開催していきます。ご参加くださった皆様、ありがとうございます(^o^)


最初に、介護よろずカフェや高齢者の介護の問題点、人生の最終章の医療を取り巻く問題などを私より説明。そして、話題提供として「医療と市民の対話の場を作って」NPO法人地域医療を育てる会の相京邦彦さんから、東金地域での実践をお話頂きました。研修医の方がどんどん笑顔になっていく画像が良かったですね。次に、千葉県で作成した「終末期医療等に関する高齢者向け啓発プログラム」のDVDを上映し、他にも、いろいろな話題提供をしていきました。

休憩後に、さあ、10分X3回のワールドカフェの本番です。まずは総合司会の肇ちゃんが、お題を参加者に募ります。打ち合わせでは、題が出なかったらどうする?なんてことも出ましたが、暖かな昼下がりにこの話題で集まろうというメンバーですもの、どんどん出てきて、1.相談する場所は?知り方とイメージ、2.独居高齢者の問題、3.市民として何ができるかに決まりました。普通ワールドカフェは15~20分取るみたいなんですが、3カ所を別々のお題にしたかったので、10分にチャレンジ!

3つのテーマのうち、「相談する場所は?知り方とイメージ」で出た意見の一部をご紹介しますね。

・病院で退院して在宅で見たいと思っても、それを相談するとき、どこに相談すればいいかわからない。退院時にドクターからもあまり説明をされず、必要となり始めて院内を探しまわって、やっと地域連携室・相談室にたどり着いた。しかし、情報等があまり通っておらず、結局は丸投げになったりと、地域に出た時のサービスが病院での医療と分断されているイメージがある。相談室なども例を出してくれてはいるが、「自分がもっている、今の疑問はこれにあてはまるのだろうか?」などの不安があり、タイミングなどを逃してしまう、うまく利用できないなどの問題がある。病院の相談室は敷居が高いイメージがあるとの話があった。
・ドクターにもっと地域にどんな資源があるか知ってもらい、紹介してほしい。地域(福祉などのサービス提供者側)もドクターにアピールできるような仕組みが欲しいと感じている。最近地域に出てきてくれる、家庭医などの方もいるが「往診を行います」と言ってくれても、現在のかかりつけ医からの切り替えができにくい。義理を感じてしまい、往診が必要であっても医者を選べない。地域の医者の中でももっと利益などに拘らず、紹介し合うなどの情報交換があってもいいのでは?
・実際に介護をされている方が介護保険を利用する際、当事者の方は高齢でサービスの存在を知らない。家族が紹介されて利用してもらおうと当事者に提案するも、説明をどうしたらいいかわからない。そもそも、他人を家に入れることに抵抗を示すことが多く、説得ができない。しかもその話を家族の中で誰がするのか問題になることがある。家族にその決断を迫ると、その話し合いで普段関わりの薄い家族がその時だけ入ってきて、結局話はまとまらず、もめてしまう。そこで専門職に入ってもらえたらいいと感じることがある。


以上の様な病院の現状や医療職に対する疑問が多く話されました。人生の最終章の医療を考える前に、様々なハードルがあることがわかります。一部の地域では、顔と顔を合わせて、医療職や介護職の連携を図っている所、主治医・副主治医制を作っている所もありますが、「地域包括ケア」の体制を一歩一歩作っていくしかないですね。

他のふたつの話題は、そのためにどうしたらいいのかを出し合いました。

独居高齢者の問題では、「情報を伝えても、まず独居の方がどこにいるのか、その情報をどう知り合えばいいのか」「プライバシーの問題がある」「地方はお節介な人がいるだけでいいのかもしれないけど、都会はサロンとかたくさん作って、そこで情報を集め、提供する場を多世代交流で創る」などが出ました。回覧板など回らない人、人嫌いで付き合いのない人、認知症の人など、地域には困っている人はたくさんいます。ここでは、アクションの提案がたくさんあり、盛り上がっていました。救急の場合についても話題がのぼりました。

そして、市民として何ができるか?の中で、たくさんの問題を抱えているけれど、それをすべて専門職に解決してもらうのでなく、「自分」は何ができるのかを考えて、小さなことから始めていく意識が必要ではないか。これから空き家がたくさん出てくるので、そういうものを使って、コミュニティカフェを作って、情報を得たり、相談できる場を作っていく。既存のつながりがたくさんあり、わざわざ組織化しなくても使えるものはたくさんある。専門職もそこに住む一人の住民として自分の能力を提供してもいいのではないかなどの意見が出ました。人生の最終章の医療だけでなく、生き方、過ごし方、何を大事にしていくのか、そういうことをいろいろな立場の人で話し合えるといいですね。たとえ、独居の方が自宅で亡くなられても、周囲との関係性がある中での死なら、孤独死ではない、満足した生き方をされた上での死ではないかという意見も出ました。


ワールドカフェは、答えを見つける旅ではありません。医療・介護・福祉の専門職の視点と一般市民が対等に話し合う場、そして、そこから生まれる「自己変容」が大切なんです。また、出会いも一つの醍醐味ですよね。
今回、柏で介護者サロンをされている方も参加され、これから実践を始めようと考えている人たちにとって学びが深かったようです。また、意外とご近所さんだったこともわかり、、ローカルな話題で盛り上がったりもしました。

終了後のアンケートで本日の気付きなどを記入してもらいました。
「無関心が一番いけない」「素人でも素朴に見つめ聞き、少しずつ学び考えていきたいと思いました」「医療・介護・福祉、みんなが真剣に考えていることに気が付きました」「いろいろな方の話が聞けて良かった。その土地によっての状況に合わせて、進めていくことが大切と改めて思いました」「地域がつながることは大事だと思っても何もできていない現状の打破について先駆的な話が聞けて良かった」「自分のできることを行政、市民としての両方の視点で行動する」「多職種の方々との意見交換は自分にとっても大切で有益だった」「難しい医療(専門的な)話をする会かと思い緊張していましたが、改めてインフォーマルや市民と言ったもの、支え合いがとても大切だと思いました」との声が寄せられました。

人生の最期を自分らしく生きるDVDも、みんなから、わかりやすいと好評で、ほっとしました。今後は、このDVDを活用するプログラムも作っていきたいですね。

医療の問題は専門職にお任せでなく、市民も自分たちでできることを始めていく。そして、専門職同士もつながりを深め、市民との対話を行っていく。う~ん、素敵。1+1は2でなくて、もっと大きく広がっていく感じを参加者全員で共有できて、幸せな時間でした。次回のご参加をお待ちしておりますね(ふじた)。

2014年5月25日日曜日

認知症の人が安心して徘徊できるまち大牟田 大谷るみ子さん


藤田敦子@大学院生モードです。

本日の大学院講義は、大牟田市認知症ライフサポート研究会(社会福祉法人東翔会グループホームふぁみりえ)の大谷るみ子さん。デンマークで学ばれた認知症介護の第一人者です。

福岡県大牟田市はかって炭鉱のまちとして栄えましたが、現在の人口は約12万と半分になり、高齢化率は32.4%、高齢者単身世帯が1割という、これから日本が向かおうとしている超高齢のまちですが、ここは、認知症の人が安心して「自由遊歩(徘徊?)」できるまちでもあるんです。

今日の講義は、「地域で支える認知症ケア」と題し、大牟田市認知症ケア研究会の歩みと、デンマーク直伝の「認知症コーディネーター」をご紹介頂きました。

大谷さんは、長く急性期病院に勤めておられましたが、1990年に地域密着型の医療法人のお誘いを受けて転任し、その法人が特養を開設したことから介護の道に入って行かれました。認知症ケアの実際に大きなギャップを感じていた時に、講演会へ行き[デンマークの寝たきり老人のいない国]に出会います。そしてデンマークオーデンセへ行き、高齢者ケアの三原則や、本人がより良く暮らし、より良く生きることができるように、その人を取り巻くすべての関係者が、本人を主体として、連携、協働し、サポートすることが大切だということ=ライフサポートを学びます。認知症コーディネーターは2年間406時間の研修・実習で理念や哲学をしっかりと身に付け、地域を基盤に支援困難事例への介入・助言や相談窓口、市民啓発などを行います(これってもしかすると、在宅介護支援センターだし、今の地域包括支援センターの原型なのかしら)。法人では毎年のデンマーク研修以外に、受け入れも行い、哲学がぶれないようにしているようです。

大牟田市では、ほっと・安心(徘徊)ネットワークがあります。徘徊模擬訓練や子供や地域を巻き込んだ様々な仕掛けがあり、地域ぐるみで、声掛け、見守り、保護をして、「安心して徘徊できるまち」を目指しています(^o^)。

「認知症だから仕方がない」とあきらめていませんか?認知症の人の行動障害は、自分の力でなんとかしようとする反応なんです。「心は生きている」んです。大事なことは「あなたはとても大切な人」を接すること。本人がどうありたいかを大事にするケアが必要なんです。

私がデンマークで見た、どんな障害をかかえても、どんな病いであったとしても、普通の暮らしの中でいきいきと生活できるケアは、確かな理念のもとに作られているんですね。

先日、千葉県の認知症講演会へ行きましたら、認知症コーディネーターを取り入れている所のお話でした。それに、船橋市はオーデンセ市と姉妹都市なんです。今までは文化が中心でしたけど、これからは福祉も交流できたらいいですね。「どんな状況でも笑顔で暮らせるまち」地域福祉計画策定時に市民代表として込めた願いを実現したいです(^o^)

それにしても、講演を聞いて、認知症の人を、「拘束」し「薬」と「力」で抑え込むのは、ただの暴力じゃないかな、個人を人として尊重する姿勢や、専門性と責任感を放棄しているんじゃないかな~と思いました。デンマークは専門性をとても重視しています。本物のプロとプロが、互いの専門性を発揮して、困難を持つ「人」を支えていきます。大谷さんは看護師です。デンマークでお会いした看護師など専門職の方も、みんな、誇りを持っておられました。本人を中心としたケアを、日本に!!

デンマークの認知症ケアをもっと知りたかったら、「デンマーク発痴呆介護ハンドブック―介護にユーモアとファンタジーを」 エルサ メーリン (著), ロルフ・バング オールセン (著), Else Melin (原著), Rolf Bang Olsen (原著), モモヨ タチエダ・ヤーンセン (翻訳), 千葉 忠夫 (翻訳), 東翔会 (翻訳) 、価格: ¥ 3,990 ミネルヴァ書房 をお求めくださいね。

2014年5月21日水曜日

「最期まで自分らしく生きる」千葉県高齢者向け啓発DVD・リーフレット公開


千葉県では、終末期医療などを考えてもらう高齢者向けビデオ「最期まで自分らしく生きる」を制作し、ホームページ上で5月20日から公開するほか、DVDの貸し出しも行っていきます。貸し出し期間は2週間までとなっています。時間は約30分です。

県によると、2010年の県内の高齢化率は21.5%ですが、2040年には36.5%になると推計されています。超高齢社会になる千葉県において、人生の最終章の医療はどのようにあるべきか、2012年に「終末期医療等に関する高齢者向け啓発プログラムの開発、実施事業」有識者会議において、千葉県1万人意識調査を行い、2013年に啓発プログラムの作成と県内公開講座を行ってきました。

1万人意識調査の中で、自分に死期が迫っている場合「自宅で最期まで療養したい」人は31.6%、「医療機関に入院して最期を迎えたい」37.4%でした。でも、実際には、自宅は14.9%で、76.3%の人が病院で亡くなっています(人口動態調査2012)。また「延命治療を望まない」と考える人は多いものの、人生の最終章について、家族とまったく話し合ったことがない人が約65%もいることがわかりました。

もし、あなたが重病になったとき、認知症になり自分で意思表示ができなくなったとき、事故に遭って意識を失った時など、自分がどのような医療を受け、どのように過ごしていきたいのか、また最期をどう迎えたいのか、日頃から大事にしていることなども含めて、あなたに変わり、家族が判断し決断していくことになります。

最期まで自分らしく生きるためには、医療や介護などの制度を知り、自分の周りにどのようなサービスがあるのか知ることも必要です。このビデオでは、脳梗塞を患い、言語障害がある90歳の男性の最終章を、家族が考える内容になっています。また、主に在宅医療を受ける上での訪問診療や訪問看護、訪問薬剤管理、訪問歯科などの紹介や、リビングウィル、意思表明の意味と重要性、あらかじめ考えておくこと、話し合っていくことの大切さを伝えています。

本人の意思表示を焦点にしましたので、胃ろうなどの問題については触れていません。私たち有識者会議委員は、意思表示を「書面で残す」ことよりも、日頃から、「考える」「話し合う」「調べる」「整理する」ことが大事だと思っています。気持ちは絶えず揺れ動いていきます。何度でも、状況に応じて、話し合い、そして今の気持ちを伝えていきましょう。

今、医療機関や介護施設によっては、お気持ちを書面に残している所も出てきています。いつでも変えることができることを確認していくといいですね。

終末期医療等に関する高齢者向け啓発プログラム(動画)を作成~最後まで自分らしく生きる~
啓発プログラムの目的や内容、公開方法、DVDの貸し出し方法など

千葉県ホームページ千葉県インターネット放送局「最期まで自分らしく生きる」動画ページ
パート1 あなたは、人生の終わりの時期をどのように過ごしたいですか? 病状説明や千葉県調査の結果など
パート2 退院時調整会議と在宅療養を支えるサービスについて
パート3 最期を迎える場所についての県民意識調査結果や現状等について説明
パート4 家族との話し合いの重要性や意思表明について説明
パート5 在宅での看取りについて、体験談を中心に説明

平成24・25年度 終末期医療等に関する高齢者向け啓発プログラムの開発、実施事業
平成24年度事業報告書(1万人意識調査など)、25年度事業報告書、啓発プログラム(動画、リーフレット、ポスター)

2014年5月2日金曜日

第1回介護よろずカフェ「人生の最終章の医療を考える」を6月8日に開催



第1回介護よろずカフェ~医療・介護職と市民・患者の対話の場~を2014年6月8日(日)13:30~16:00に開催します。いよいよですね。講演会スタイルでなく、ワールドカフェ方式で行うのは初めてです。

この介護よろずカフェは、東大の孫医師が始めた医療と市民が健康や医療、地域づくりなど様々なテーマに対して、ともに学び、対話できる場「みんくるカフェ=みんながくる場所)」の手法を学び、準じた形で開催していきます。みんくるカフェについては、みんくるプロジュースを見てくださいね。

ピュアは「自分らしく最後まで生きたい・暮らしたい」と在宅緩和ケアを推進する活動を行ってきました。今回、「介護」に注目し、医療だけでなく、介護や福祉、食やまちづくり、住まい、働き方、生き方、最後の迎え方も含めて、様々な話題を提供していきますね。
まず、ゲストスピーカーから話題提供をしてもらい、その後、お茶を飲みながら、1テーブル5~6人で、リラックスして話題を深めていきます(ワールドカフェ)。

難しく考えずに、ご興味のある方はぜひご参加ください。お申し込みは下記のFacebookからお願い致します。アドレスをお持ちでない方は、ピュア事務局へDMでもOKです。

日時:6月8日(日)13:30~16:00
場所:千葉大学(西千葉キャンパス)人文社会科学研究科棟 演習室2
定員:20名(先着順)
話題提供:「医療と市民の対話の場を作って」
 藤本晴枝さん(NPO法人地域医療を育てる会理事長)
「人生の最終章の医療を考える」
  藤田敦子(NPO法人千葉・在宅ケア市民ネットワークピュア代表)
参加費:1000円(茶菓代)
申込:NPO法人ピュアFacebook 
またはピュア事務局 npo.pure*gmail.com (*を@にしてください)
お名前(ふりがな)、連絡用電話番号、参加動機、所属(職種)などを明記くださいね。

介護よろずカフェは、参加者みんなが主役です。一人一人の考えや思いが場を作っていきます。現在、作業療法士、看護師、ケアマネジャー、ヘルパー、社会福祉士、介護経験者、NPOなどが参加予定です。定員までお申込みをお受け致しますので、奮ってご参加くださいね(^o^)

2014年3月26日水曜日

「終末期医療」を「人生の最終段階における医療」に変更-厚労省検討会報告書

藤田敦子です。2008年に終末期医療に関する懇談会で発表させて頂きましたが、やっと、患者の生きることに目を向け始めたのですね。嬉しいです。発表した内容(PDF)

ずっと厚労省の会議で「終末期医療」として話し合われていましたが、今回、発表された報告書から、「人生の最終段階における医療」に変更されました。やっとですね。がん対策の中でも、「緩和ケア」はほそぼそとしか進みませんでした。何故なのか。それは、緩和ケア病棟が、治療ができなくなった患者が行く所だったからです。緩和ケアは患者が生きていくための苦難を乗り切るためにあるはずなのに、日本ではずっと「死」の時しか出会うことがなかった。患者を支える家族も一緒に支える。もし患者が亡くなったとしても、その苦しみにも向き合ってくれる。患者にとっても、家族にとっても、「死ぬ」ための医療でなく、「苦難を乗り切る」ための医療になっていない。だから、近づきたくなかった。いえ、緩和ケアに出会うこともなかった。

委員の一人である大熊由紀子さんから送られてきたメールでは、変更理由が書かれていました。
メディアや医療界で、長年、無造作に使われてきたのが、「終末期医療」という言葉です。 死を間近にしたご本人の立場になったら、暗く、辛い気持ちになるこの言葉が、24日に最
終回を迎えた厚生労働省の検討会が報告書で「人生の最終段階における」と変更され、タイトルも、そのように変えられました。その理由を報告書はこう記しています。 「名称を変更することで、医療行為のみに注目するのではなく、最後まで尊厳を尊重した人間の生き方に着目していくことに重点をおく」 「人生の最後の時期の過ごし方についての国民の希望はさまざまだが、医療のみならず、本人が誰と、どこでどのように過ごしたいかという、生き方に対する考え方をふまえ、支援していくことが重要である」

この報告書を見たメディアが報じていますが、NHKは「自分の受けたい医療や受けたくない医療を家族と話し合っていくこと」について、まったく話し合ったことがないが国民は55.9%、そして「書面をあらかじめ作成しておくこと」に対して69.7%が賛成、でも、実際に書いているのは、3.2%に注目していました。

これは、書面を残したい人が多いのに、実際には書いていないのだから、もっと啓発して書いてもらおう!大キャンペーンみたいなことにつながる恐れがあります。千葉県の会議でも、そのことをいっぱい話し合いました。人の気持ちは絶えず動いていきます。ちょっとした体験から、意思が決まってしまうこともあります。だから、たくさんの人の生き死にを見ている医師や看護師、介護職の人の意見は大切です。私たちは、そういう現場に肉親で数回しか遭遇しません。いえ、まだ一回も「本当」のことを、「本当」の現場にいたことがない人は大勢います。その時の患者の状態によっては、変わっていって当然なのです。だから、大事なことは「書面」でなく、「話し合っていくこと」なのです。

「終の信託」の周防監督も、「尊厳死に法なじまぬ」と朝日新聞デジタルで述べておられますが、選ぶ前にどんな情報や体験をしたかによって、気持ちって変化していきますよね。

今回の報告書には、「終末期医療の決定プロセスのガイドラインを参考にしているか」の問いに、「ガイドラインを知らない」と答えた人がもっとも多かったと書かれています。これは、おかしいです。ちゃんと実行しているが100%でなくてはおかしいです。その上で、できないこと、問題なことがあがってきてほしいです。患者の意思を大事にしようといいながら、これではまったく大事にされているとは思えません。

患者の意思を記載した書面の取り扱いに対して、「書面に記載した希望を尊重しつつ、家族等や医師または医療・ケアチームの判断も取り入れながら、治療して欲しい」と回答した人が、国民65.3%、医師62.7%、看護師59.6%、介護職65.9%でした。
意思表示の書面に従った治療を行うことを法律で定めることについては、「定めなくても良い」「定めるべきではない」が、国民53.2%、医師71.3%、看護師56.5%、介護職55.8%と、医師は他職種よりも割合が高かったです。患者の意思を尊重するための十分な体制も整えられていませんから、法制化はマイナスと受け止めたのかもしれませんね。

今回の調査では、がん、心臓病、認知症、植物状態と疾患や状態によって、項目が違っていました。じっくり読み込みたいと思っています。

他にも、家族や遺族に対しての対応は、医療より介護の方が充実しているなどの結果も出ていました。

当日の資料が公開になりました。ぜひ、下記を読んでくださいね。

第4回終末期医療に関する意識調査等検討会

2014年3月9日日曜日

ニュースな人 がん患者と家族を支援 藤田敦子(毎日新聞2014)

ニュースな人 がん患者と家族を支援
在宅ケア市民ネットワークピュア 藤田敦子代表

「がんになった夫をずっと家で過ごさせてあげたいと思ったけれど、当時は家で診てくれる医師がどこにいるのかも分からなかった」。夫を亡くした30代の時の苦い体験が活動の出発点だ。当時在宅医だった服部義博医師との出会いがきっかけとなり、同じ思いをしている患者と家族をサポートするため、2001年にNPO法人「千葉・在宅ケア市民ネットワークピュア」を立ち上げた。

「ピュア」はまず、電話相談を開始。試行錯誤しながら情報誌を発行したり、在宅ケア講座を開いたりした。02年からは毎年2月に千葉市でケアフォーラムを実施できるまでに活動が広がった。在宅医や訪問看護師、ケアマネジャーらがパネリストで登壇するためか、毎回満席。今年も16日に開催したが、470人が会場を埋めた。

現在、千葉大福祉環境交流センターで週2回(火・金曜)の電話相談、がん患者と家族の集い、病院緩和ケアボランティアなどを手掛ける。多忙な活動をこなすのは「どこに住んでいても住み慣れた地域の中で、最期まで自分らしく生きられるような社会になればいい」と願うからだ。

超高齢社会を迎え、ピュアの活動もこれからが正念場だと思っている。「他職種とも手を取り合い、苦しみの中にいる患者と家族を支えていきたい」と話す。船橋市出身。【渡辺洋子】

毎日新聞 2014年2月25日

2014年2月21日金曜日

【千葉県】さんむ医療センターかんわケア病棟オープン

千葉県の二次医療圏の中でがん診療連携拠点病院が存在しない東金・山武の医療圏に、初めて緩和ケア病棟がさんむ医療センター(JR成東駅)に2014年1月14日20床がオープンしました。見学に行ってきましたので報告しますね(^o^)

地方独立行政法人 さんむ医療センター


緩和ケア病棟は、がんの治療の継続が困難となった患者に対し、がんによって引き起こされる様々な辛い症状を和らげるために用意された病棟です。ここでは、患者と家族が住み慣れた地域の中で心と身体の痛みを和らげ、その人らしく生きていくことをお手伝いします。
1.抗がん剤治療はしませんが、患者と家族の苦痛を取り除き、可能な限りその人らしく快適に生活を送れるようにします
2.病棟看護スタッフだけでなく様々な専門職がチームとしてケアを提供します
3.がん専門施設からの患者を速やかに受け入れ、継続した療養が可能です
4.在宅療養の継続が困難になった患者を速やかに受け入れます
5.症状が緩和され在宅療養を希望する患者の支援を積極的に行います

一般病棟との違いは、
1.がんに伴う苦痛緩和に力を注ぎます
2.検査や処置はご相談しながら行います
3.家族とくつろげる環境を提供します
4.ペットとの面会やアルコール飲料も条件に応じて可能です
5.家族が休息される場合の短期入院も受け入れています

病床は、個室が6床、多床部屋が14床(4床、4床、3床、3床)で、多床部屋は男女別になっています。個室料金は居住地によって違い、山武市周辺だと4500円、それ以外は5500円になっています。認知症で意思疎通が困難な場合はお受けできない場合もありますが、まずは地域医療連携室に連絡して相談してみたらいかがでしょうか(電話 0475-82-2521)。緩和ケア外来は完全予約制で、月曜日の午前中(新患専用)、水曜日・金曜日の午後に、お話をお聞きした篠原院長が行っています。


病院併設の訪問看護ステーションがあり、在宅医療をする医師と24時間体制の連絡を整えて、緊急時にも対応してくれます。白子や茂原は他の医師に往診を依頼していますが、元々この地域は、医師が少ない地域ですので、片道15kmでも往診に行かれているそうです。篠原先生の優しい顔を見たら、痛みがすぐ取れてしまいそうですね。

お部屋の画像や入院基準、料金などは、かんわケア病棟のご案内 で確認くださいね。

緩和でなくかんわにした理由をお尋ねしたら、優しい印象を与える、との答えに気配りをいっぱい感じました。お食事も栄養科が個別に訪問してアラカルトメニュー以外や味付けの好みにも対応してくれる。患者会鈴の会もあり、心と身体両面から支えてくれます。

見学した日に、閉鎖される東金病院で働いていた若い医師が訪ねていました。4月からはさんむ医療センターで働かれると言われていました。篠原先生の熱い心に志のある医師や医療者が集まってきますね。

後、緩和ケア病棟がない空白圏は、市原と安房だけになりました。東葛北部、東葛南部地域には新たな緩和ケア病棟の誕生も、もうすぐです。オープンしたら、このブログでお知らせしますね。