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2015年12月25日金曜日

末期がん患者に対する介護保険サービスの提供に関する調査結果について

 末期がん患者は、比較的日常生活動作(ADL)を保つことができ、死亡2カ月前ぐらいから急速に状態の悪化になることが多く、申請が遅くなり、認定が間に合わない人や、要介護度が出た時は調査時とは異なり重度のなっていることがあった。また、要介護2以上の人が利用できる福祉用具の貸与を受けられない状態が生じていた。
以上のことを解決するために、筆者らがん患者支援団体等が国に検討を求め、2010年に厚生労働省老健局より2つの通知(「末期がん等の方への要介護認定等における留意事項について」「末期がん等の方への福祉用具貸与の取扱等について」)が出されているが、状況の改善に結びついているのか検証が行われていなかった。そこで、「末期がん患者に対する介護保険サービスの提供に関する調査」を行い、バリアの分析とその解決策を図ることを目的とし、調査を行った(藤田敦子,末期がん患者に対する介護保険サービスの提供に関する調査報告書,2011.11.)。
調査結果から、「末期」の言葉が患者そして主治医に与える影響、申請時にがん末期と判断できるものがないこと、主治医意見書の記載の不備等により要支援になる人がいること、福祉用具の貸与が一番の問題であることなどが判明した。
また、当初考えていた国や保険者側の問題だけでなく、医療の部分のバリアが多いことなどが示唆された。
問題を解決するためには国や医療、介護関係者が市区町村等保険者も含めて、問題を協議し解決していくことが必要である。

2011年10月20日の第26回がん対策推進協議会において、天野委員ほか患者委員資料10月9日付として、本調査と老健局により行われた調査を合わせて提出し、がん末期の介護保険の現状を国や関係者に伝えた。10月18日付で「末期がん等の方への迅速な要介護認定等の実施について」が新たに出ている。

以上については、「末期がん患者に対する介護保険サービスの提供に関する調査結果について」(ホスピスケアと在宅ケア 2013年第21巻1号 2013年5月15日発行)を参照ください。

末期がん患者に対する介護保険に対して、様々な研究&提言を行ってきたが、2015年12月に「働く世代の末期がん患者、6割が介護申請せず」という調査結果が発表された。病院医療の中でサポート体制がいまだに整っていない。化学療法や放射線治療が外来になったため、在宅へしっかりと繋いでいく人が不在になっている。退院調整でなく、在宅支援の考えが必要であろう。また、医療保険で訪問看護を導入すれば、介護保険について説明を行うはずだが、在宅医療や訪問看護に繋がらず、治療病院を向いた形で在宅療養を送っているのであろうか。

介護保険はより良く生きるための制度であり、人生最終章の医療や介護について深く掘り下げていない。介護施設において『ターミナル加算』ができ、生活の中で迎える死が受け入れられるようになった今だからこそ、「がん」に限定せず、ターミナルの視点を組み込んでいくことが求められている。

2012年10月9日火曜日

がん政策サミット2012秋に参加して

NPO法人ピュアの藤田敦子です。

10月6日(土)~8日(祝)と、奈良県かしはら万葉ホームにおいて「がん政策サミット2012秋」が開催され、参加をしてきました。このがん政策サミットは、特定非営利活動法人日本医療政策機構市民医療協議会主催で年1~2回開催され、今までは、東京で開催されてきた。今回は奈良県共催という初めての開催でしたが、約110名の患者関係者、都道府県議会議員、行政担当者、医療提供者、民間、メディアの参加がありました。
今回の奈良での開催は、患者委員の馬詰さん、吉岡さんの強力な後押しがあり、たくさんの苦難を乗り越えての地方開催でした。このブログを借りて、お二人に、そして支えてくださった行政や議員の皆様、寄付を出してくださった皆様に感謝申し上げます。

今回のテーマは、「患者と地域に成果をもたらす県計画に仕上げよう」で、国会がん患者と家族の会から、尾辻秀久会長、梅村聡事務局長の挨拶から始まり、みんなで、タウンミーティング「地域に最適ながん診療連携拠点病院」へ意見を述べ合いました。議論された内容は、後日、公開されると思います。

私の拠点病院のあり方に関する考えとしては、標準治療が間違いなく提供され、地域に向けて緩和ケアの提供体制が整い、何より、施策のベースになる「がん登録」体制がしっかりとあることだと思います。「集約化」することと「均てん化」することを、どちらかにするのでなく、機能別に話し合っていくべきだと思います。提供する側の「連携」の考え方がばらばらでは、国民に理解できるわけがありませんから。がんになって治療をするとき、どんなふうに治療を受けていきたいのか、どんなふうに生きていきたいのか、大きなグランドデザインを描きながら、話し合われていくといいですね。

今回のがん政策サミットでは、門田協議会会長、岡田厚労省がん対策推進官、今井国立保健医療科学院統括研究官、宮田東大准教授、堀田国立がん研究センター理事長のお話を伺い、みんなで、第2次都道府県がん対策推進基本計画をよりよいするためにグループワークも行いました。4つのステークホルダーがそれぞれのグループに入り、話し合いをしていきましたが、とってもためになり、今後の千葉県での会議の中で、指標についての意見を提出しようと思っています。

最後の8日は、午前中は、アメリカのアドボケート ポーラ・キムさんによる講義をお聞きし、一人ひとり決意表明をして別れました。午後は有志による観光旅行に私は参加をしましたが、日ごろの疲れも取れ、他県の患者関係者とも意見交換をすることができ、東京で開催とは別の意味で有意義なサミットでした。

さて、梅村議員に政務官就任の御祝を述べ、がん末期の介護保険問題を進展させるために永田町へ行く約束も致しました。これは私にしか解決できない問題だからしっかりと考えていきたいと思います。千葉県の介護保険担当者のご挨拶はすでにがん対策担当と一緒に済ませています。現状を把握するため、市区町村担当者の声を聞くことからはじめますね。がんばります!

2012年2月3日金曜日

次期がん対策推進基本計画の行方に注視

NPO法人ピュアの藤田敦子です。

平成24年2月1日に第31回がん対策推進協議会があり、平成24年からの次期がん対策推進基本計画[素案]が示されました。

平成19年6月から始まった「がん対策推進基本計画」に対し、平成22年6月に中間報告書が提出されています。
この中間報告では、協議会委員から寄せられた多くの意見が「今後の課題等に係るがん対策推進協議会の意見」としてまとめられていました。しかし、その後の協議会の中で議論が充分行われているとは言えず、平成23年8月8日にがん患者団体(30団体)から議論をしてほしい項目の要望が出されました。
・ドラッグラグの解消に向けた議論
・患者、家族が抱える就労問題、経済的負担の解消に向けた議論
・科学的根拠に基づくがん検診の普及、啓発、精度管理(偽陽性・過剰診断などの不利益に関する救済を含む)に関する議論
・サバイバーシップ概念の普及に関する議論(計画内に、サバイバーシップの言葉を織り込む)

これを受けて、第23回がん対策推進協議会(8月25日)では、今後のがん対策推進協議会の進め方が示され、平成23年内に多数のヒヤリングを行い、12月12日、26日に報告書及び基本計画修正案を提示し、平成24年1月・2月にパブコメ、3月に各省閣議、4月・5月に閣議決定という流れが示されました。
ヒヤリングは以下の通り行われ、翌開催日に委員からの意見と議論、次に報告をまとめる形で進められました。また、この際に患者関係委員から多くの提出資料が出されています。

議論及びヒヤリング済み:拠点病院、支援・情報提供、がん教育
第23回(8月25日)ヒヤリング:がんの手術、放射線療養
提出資料:都道府県がん対策予算と執行状況に関する意見書、がん教育、緩和ケア
第24回(9月9日) ヒヤリング:化学療法・ドラッグラグ
提出資料:セカンドオピニオンに関する患者の意識
第25回(9月26日)ヒヤリング:在宅医療・チーム医療
提出資料:ドラッグ・ラグ問題解決に向けての意見書
第26回(10月20日)ヒヤリング:がん登録
提出資料:がん患者に対する介護保険の適正化に向けての意見書
第27回(11月2日)
   ヒヤリング:サバイバー・シップ・経済負担、就労支援、がん予防・検診
第28回(11月21日)ヒヤリング:がん対策指標
[次期がん対策推進基本計画全体構成案、骨子案一部、全体目標と個別目標]     
第29回(12月12日)[次期がん対策推進基本計画骨子案一部〕
提出資料:がん患者の精神的な痛みへの対応について
第30回(12月26日)[次期がん対策推進基本計画全体構成案及び骨子案
提出資料:ドラッグ・ラグの解消に向けた制度改正等を求める要望書(60団体)
第31回(2月1日) [がん対策推進基本計画素案〕
提出資料:薬事法等制度改正についてのとりまとめについて

ヒヤリングとして在宅医療は入っていましたが「医療」のみで「がん末期の介護保険の問題」や「医療と介護の連携の問題」が話し合われていなかったので、第26回の時に、私が介護保険適正化についての意見書をまとめて患者委員に託しました。
意見書の書き方もよく知らない委員でない者が意見をまとめたこと、そして科研費と老健局の調査を一つにして提出したことで、ここに書けないことがいっぱい起こりましたが、「地域の医療・介護サービス提供体制の構築」の文言を見るたびに、やり遂げて良かったと思います。ここでは、がん患者が住み慣れた家庭や地域での療養や生活を選択できるよう在宅医療・介護サービス提供体制の構築を目標としています。

緩和ケアも全人的ケアになり、精神心理的苦痛への対処も進みました。3年以内に緩和ケアの研修体制を見直し、拠点病院を中心に、緩和ケアを迅速に提供できる診療体制を整備するとともに、緩和ケアチームや緩和ケア外来などの専門的な緩和ケアの提供体制の整備と質の向上を図ることを目標としています。
チーム医療、がん教育、小児がん、遺族の文言も入りましたね。

そして何より、全体目標に「がんになっても安心して暮らせる社会の構築」が入った事、重点的に取り組むべき課題に「働く世代や小児へのがん対策の充実」が入ったことはすごいことです。山本たかし議員が望んでいたことです。
ただ2月1日は、ドラッグ・ラグの解消に向けての薬事法等制度改正に関する要望については意見が十分取り入れられていないと、冒頭から患者委員の意見が続出しました。個別目標がたったの2行で、他が「目標にする」等で終わっているのに、「取組を着実に実施する」になっていました。

次の3月1日は、がん対策推進基本計画事務局案が出てきます。パブコメをすることを考えると、次回がまとめで、意見が噴出すれば議長預かりになるはず(だろうと私は思っています)。
たばこ対策、がん検診は今回事務局より資料が提出されましたが、次回を注視する必要がありますね。今回意見が表に出て水面下の戦いが起こるはず。各省閣議で変わるかもしれません。

次回の協議会も、ここまでがんばってくれた患者関係委員や流れを変えてくれた片木さんと桜井さんに感謝を込めて応援に行きます。
がん患者とその家族(遺族)にとって実り多いがん対策推進基本計画になりますように!

2012年1月17日火曜日

平成24年診療報酬改定の行方

NPOピュアの藤田敦子です。

1月13日中医協資料として、下記等が公開されていますね。

平成24年度診療報酬改定(改定率等の紹介)
これまでの議論の整理(現時点の骨子)(その1)


正式に点数がつかないとわかりませんが、在宅ケア、緩和ケアの評価が高いです。
私の持論がかなり実現していて、めちゃ、嬉しいです。

今日、猪口雄二先生の講義をお聞きして、先生が項目別にまとめておられたので、私が興味があるところだけ、少しここに書いてみます。議事録すべて読めば答えが出てくるかしら。

医療連携の項目
・特養 看取り時外部医師の連携評価
・介護保険への移行 機能評価の実施 評価
・外泊時・退院当日の訪問看護 評価
・退院直後の2週間 特別訪問看護支持可能
・がん治療連携計画策定料 外来診療後も算定可
・退院調整加算等 地域連携診療計画にて説明

「介護保険への移行 機能評価の実施」の内容を早く確認したいです。
お伝えしてきたような内容になっているといいのですが…。

在宅療養の項目
・機能強化した在支診・在支病
  緊急時・夜間の往診料 評価
  在宅時医学総合管理料 評価
・在宅患者の急変時受け入れ 評価
・在宅医療で使用する医療機器 評価・見直し
・在宅ターミナルケア加算 評価体系見直し
・末期悪性腫瘍患者の診療 さらなる評価

一番の興味は「機能強化した」のところ。
看取り数でいくのか、研修機能とかそういうことも入れるのか
また、「在宅ターミナルケア加算」の評価体系の見直しも
看取りなしでも加算が取れる、なんてところの見直しでしょうか?
それとも、もっとなんでもOKにしちゃったりして…。

がん医療の推進は、緩和ケアの推進でした!!
・外来や在宅への円滑な移行を支援する緩和ケア病棟 さらなる評価
・がん診療連携拠点外の緩和ケア病棟及び緩和ケア診療加算 評価
・外来における緩和ケア診療 評価新設
・4製剤の30日処方
・在宅医療の医師と緩和ケア病棟等の専門の医師との連携 評価
・医療機関の緩和ケア専門の看護師と訪問看護ステーションの同一日訪問 評価

ずっと緩和ケア外来が一番大切と言い続けてきました。
もっと在宅補完のための緩和ケア病棟をと伝えてきました。

はっきりした内容を見るのが楽しみです。

2011年12月3日土曜日

末期がん患者の介護保険調査報告書を発送しました

皆様へ

昨年度12月に行いました「末期がん患者に対する介護保険サービスの提供に関する調査」(平成23年度厚生労働科学研究費補助金 がん臨床研究事業「がん患者に対する緩和ケアの提供体制を踏まえた在宅療養への移行に関するバリアの分析とその解決策に関する研究」渡辺班の分担研究)の報告書は、全国都道府県並びにアンケート調査にご回答下さった市区町村介護保険保険者の皆様へ発送させて頂きました。
1597件のうち988件のご回答(有効回収率61.9%)を頂きました。厚く御礼を申し上げます。

本研究で得られたバリア及び解決策につきましては、別途、ご報告をさせて頂く予定でございますが、正式に厚生労働省科研費報告としてホームページ公開されますのは、統括・分担報告書の提出以降になります。
また今後、ホームページ公開をする予定でございますが、渡辺敏研究代表者と相談をしながら作成をして参ります。もうしばらくお待ち頂きたく、どうぞ、よろしくお願いいたします。

平成23年12月1日 研究分担者 藤田敦子(NPO法人ピュア代表)

2011年10月27日木曜日

末期がん等の方への迅速な要介護認定等の実施について(10月18日)

厚生労働省老健局老人保健課から、10月18日に末期がんに関する通知が出ている。
10月20日のがん対策推進協議会で事務局が読み上げた内容である。HPにアップされていなかったことをご連絡したら、すぐ手続きをしてくださった。感謝!!
介護保険にかかわる皆様、この調査が示しているように、がんの介護保険は改善されていません。どうか、医療機関や医師会の皆様にもお願いです。がん患者とその家族のために、それぞれの市区町村単位で話し合いを持って、改善をしてください。お願いします!!


                              事務連絡
                       平成23年10月18日

各都道府県及び市区町村等介護保険主管課(室)御中

                    厚生労働省老健局老人保健課

  末期がん等の方への迅速な要介護認定等の実施について

 介護保険行政の推進につきましては、日頃よりご協力を賜り厚くお礼申し上げます。
 さて、末期がん等の方の要介護認定等の取扱いについては、「末期がん等の方への要介護認定等における留意事項について」(平成22年4月30日付事務連絡)及び「末期がん等の方への福祉用具貸与の取扱等について」(平成22年10月25日付事務連絡)において、適切な要介護認定等の実施及び介護サービスの提供をお願いしているところです。
 今般、平成22年度老人保健健康増進等事業において、各市町村のご協力をいただき財団法人日本公衆衛生協会が実施した「末期がん患者の認定状況調査」の結果について下記のとおりお知らせしますので、末期がん等の方に対する要介護認定等の実施に引き続きご協力をいただきますようお願いします。

  以下、こちらを見てください。


  それと、私がまとめた10月20日の第26回がん対策推進協議会の意見書もぜひ見てください。

2011年10月24日月曜日

末期がん等の方への迅速な要介護認定等の実施の事務連絡は?

厚生労働省老健局老人保健課より、平成23年10月18日に事務連絡「末期がん等の方への迅速な要介護認定等の実施について」が各都道府県及び市区町村等介護保険主管課(室)に向けて発令されている。

10月20日に行われた第26回がん対策推進協議会において、事務局より説明があったが、まだ、インターネット上で確認がされないため、アップできない。

10月9日付で、がん対策推進協議会の患者関係委員から「意見書」が提出され、10月20日の協議会において意見書が公開されている。

その時の議論では、事務連絡(通知)という効力のないものでいいのか、他の局で話し合われていることを協議会として共有したい、この協議会で話し合われたことが他の局へ伝わっているのか、というものであった。

がん対策は、広範囲に渡っているため、その問題を話し合う検討会等では話題にも上がってこない。

多くの国民が罹患する「がん」なのに、このままで本当にいいのだろうか。

******************************************************
10月25日 追記
厚労省の担当課にお電話をして、インターネットで文書を見ることができないことをお伝えしました。都道府県と市区町村のみの事務連絡なので、ケアマネジャー関連へ連絡がいかないみたいですが、近々にアップできるよう手配をしてくださいました。私が公開してもいいのですが、公式文書ですので、アップ後に公開します。
10月20日のがん対策推進協議会で配布した資料にも、この文書からまとめを入れましたので、こちらもご参照ください。資料はPDFです。

2011年10月21日金曜日

がん患者に対する介護保険の適正化に向けての意見書

NPOピュアの藤田敦子です。がん患者の介護保険問題について、全国の保険者に行った調査結果と意見書を患者委員の天野さんにお渡ししましたところ、すべての患者委員がご賛同くださり、本日の第26回がん対策推進協議会において、資料として提出されました。介護保険の会議でも、「がん」については話し合われていません。こんなに大きな問題なのに、なぜ、議題にも上がらないのだろうと疑問に思っていました。今回の意見書により、医療と介護の連携の分野で議論が活発に行われることを願っています。引き続き、調査結果の報告書作りにがんばります!

がん患者に対する介護保険の適正化に向けての意見書
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001scv3-att/2r9852000001sd17.pdf

                         平成23年10月9日

厚生労働省がん対策推進協議会 会長 門田 守人 様
厚生労働省健康局総務課がん対策推進室 室長 鷲見 学 様

                        がん対策推進協議会委員
                          患者関係委員名5名

       がん患者に対する介護保険の適正化に向けての意見書

 平成22年4月にがん患者団体は、末期がん患者の介護認定の迅速化とがん患者の実情に合った要介護認定が行われるように制度の改正を求めました。これを受けて厚生労働省老健局より、各都道府県と市区町村の介護保険担当課に対し、4月30日「末期がん等の方への要介護認定等における留意事項について」(介護認定の迅速化の促進)、10月25日「末期がん等の方への福祉用具貸与の取扱等について」(要支援1、2及び要介護1と判定された方への福祉用具貸与)が通知されましたが、通知後に適切に行われたか、実情が把握されておりませんでした。
 
今般、私たちは、介護保険に携わるすべての保険者(市区町村等介護保険担当課)に対して行われた「末期がん患者に対する介護保険サービスの提供に関する調査」(別紙1)、「末期がん患者の認定状況調査」(別紙2)の報告を手にし、全国の保険者の通知後の対応にばらつきがあること、迅速化を阻む要因に主治医意見書の提出の遅れや記載の不備、申請時点でがん末期と判断することが困難であること、要支援及び要介護1となり福祉用具貸与のできない例外申請が26%の保険者であったこと、そして申請から二次判定までの日数の平均が28.9日で、30日を超えている保険者が約4割おり、二次判定までに亡くなるなど、通知が出たにもかかわらず、がん患者が迅速ならびに適正に介護サービスを受けることができない現状が明らかになりました。
介護保険の適正化のために必要な施策を講ずるよう、以下の意見を提出いたします。

                 記

・国は、調査結果を踏まえ、末期がん患者の介護認定の迅速化とがん患者の実情に合った要介護認定が行われるように制度の改正に向けて検討を行うなど必要な施策を講ずること、早急に都道府県ならびに市区町村の介護保険担当課、また関係機関に対し、適切な要介護認定及び介護サービスの提供を行うことを周知徹底を図り、改善のための協議を図ること。
・厚生労働省がん対策推進協議会は、がん患者と家族が質の高い在宅療養を送ることができるよう、関連する審議会や協議会、検討会などに対し、がん患者が介護サービスを迅速かつ適切に受けられるよう医療と介護の連携強化に向けた意見を提出すること。
・都道府県ならびに市区町村等地方公共団体は、国との連携を図りつつ、自主的かつ主体的に、地域の特性に応じた施策を策定し、実施を行うこと。
・医師等関係者は、がん患者が迅速かつ適切な介護サービスを受けられるよう、問題の改善を図り、保険者や関係機関との連携を行うこと。
                           以上

2011年9月12日月曜日

がんと診断された時からの緩和ケアの実施

NPOピュアの藤田敦子です。

今、がん対策推進協議会で、次期からの基本計画案が話し合われています。
9月9日は、平成24年度予算要求に係る意見と小児がん、緩和ケア専門委員会からの報告もありました。

また、意見交換としては、手術、放射線治療について話し合われ、化学療法・ドラッグラグについてヒヤリングがありました。

緩和ケアの報告書(案)ですが、行政用語も入れて、しっかりとまとめられています。
そんな中、目を引いたのが、「Ⅰ.がんと診断された時からの緩和ケアの実施」「Ⅱ.地域における緩和ケアの提供体制」「Ⅲ.専門的緩和ケアの提供体制の拡充」「Ⅳ緩和ケアに関する質の評価」「Ⅴ緩和ケアに関する卒然教育」となっていることです。
特に、『がんと診断された時からの緩和ケア」は、私の以前からの希望だったのでとても嬉しいです。また、「地域における緩和ケアの提供体制」のところに、介護や行政、社会福祉協議会の文言も入っており、十分、熟知された方がまとめにかかわれたのだろうと感じました。

第1期のがん対策推進基本計画を策定する際に開かれた、がん対策の推進に関する意見交換会の私の意見です。2006年12月13日のことです。なつかしいです。ここでは、「診断からの緩和ケアの推進」「患者が望む情報提供」「在宅緩和ケアの充実に向けて」と3本を軸にお話をしました。緩和ケア病棟が末期しか扱わないのはおかしいと訴え、リンパ浮腫の現状も訴えました。そして、地域との連携を進める相談体制を作ってほしいと伝えました。

この時のまとめとして
「今後のがん医療」
1.診断時から切れ目のない緩和ケアの提供
2.患者の視点を取り入れた情報提供を
3.初期診断、再発時の十分な説明を
4.心理的・社会的サポートへの診療上の評価
5.地域医療、在宅緩和ケアの充実を

アウトカムを重視し、患者の満足度を取り入れ、患者のQOLを重視した医療へとまとめました。
少しずつですが、希望の方向へ向かっていることを嬉しく思います。


報告書案ですが、介護保険をがん患者が適切に受けることができない現状についてもっと踏み込んだ言い方にしないのは、どうなんでしょうか?と感じています。国会でも取り上げられ、通知も出て、新聞でも記事になっていますが、現状は、改善されていないことが明白になっています。
(がん末期に適した介護保険にしてほしい)

おひとり様が増えていますから、これからは、医療と福祉の両方が必要で、診療報酬と介護保険の同時改正の時に、少しずつ、改善していけばいいのかもしれませんね。

*追加
緩和ケアの報告書案が厚労省のHPにアップしましたのでぜひ見てくださいね。今回、この報告書案に委員より意見が出ていますので、若干の修正があると思います。

2011年7月22日金曜日

終末期医療で連携を 地域で支える仕組みを検討(沖縄)

NPOピュアの藤田敦子です。ひさびさの投稿になりました。
デンマークに行って、おひとり様や老夫婦二人暮らし(デンマークの高齢者はほとんどこの2パターン)でも、自宅で最期が25%に衝撃を受け、自宅のようなケア付き住宅を入れると、なんと40%の人が「自分らしく最期まで生き、暮らせる」社会になっていることにびっくり!!!う~ん、もっと深めたい。

7月は沖縄の日本ホスピス・在宅ケア研究会全国大会へ行ってきました。発表は2つ。1日目のコミュニティケア部会在宅ホスピスケア実践シンポ(私は末期がん患者の介護保険のアンケート中間報告)と2日目のポスターセッション(がんサロンの力)です。東北の地震もそうですが、沖縄も5月に台風被害が大きかったこともあり、たくさんのことを考えさせられた大会でした。沖縄の皆様、ありがとうございました!!

沖縄大会での企画が記事になりましたので、紹介します。

終末期医療で連携を 地域で支える仕組みを検討

「命どぅ宝を支えるてぃーあんだ」をテーマに、日本ホスピス・在宅ケア研究会第19回全国大会in沖縄が16日、宜野湾市の沖縄コンベンションセンターで始まった。同大会は沖縄初開催で、全国から約1600人が参加。
 シンポジウムや講演を通して、終末期を迎えた高齢者やがんなどの患者、重度障がい児を支援するための 医療・保健・福祉の連携による地域支援体制、行政サービス拡充の早急な確立を求めた。
「在宅ホスピスケア実践シンポ」は高齢者や子どもを地域で支える仕組みについて検討。全国から参加したホスピスや在宅療養支援診療所、地域生活ケアセンター、訪問看護師、重度障がい児の保護者がそれぞれの立場から現状を報告した。
 県内各地から訪れた在宅重度障がい児の親たちは「子どもを預けられる日しか仕事ができない」「行政との橋渡しなどを担う相談窓口がない」などの悩みを訴えた。
 栃木県宇都宮市のひばりクリニックに重症障がい児者レスパイト施設うりずんを併設する高橋昭彦さんは「大人のケアマネジャーに相当する重度障がい児相談員は必要」と指摘した。
 神戸市のホスピス有床診療所、はやしやまクリニック希望の家の梁勝則さんは「在宅死は増えつつあるが、在宅で最期まで療養するのが困難な理由は、急変時対応やその後病院に入院できるかどうかに不安があるから。『可能な限り自宅で』という人が6割を超える中、緊急時に入院できる緩和ケア病棟のあるなしは大きい」と述べた。
 大会は17日も行われる。 ・・琉球新報 7月17日(日)10時30分配信

ついでに、2日目の記事は、ちょうど、台風が吹き荒れていて、「災害時の在宅医療」というテーマに多くの方が参加されたようです。2日目は、1800人が参加されたと記事にありました!

災害時停電への対応を
また、コミュニティケア部会で発表された沖縄の市民団体のアンケートも別の記事になっていました。
台風時の在宅医療 停電、避難時の公的支援を

2010年10月26日火曜日

末期がん等の方への福祉用具貸与の取扱等について(Vol170)

藤田敦子のひとり言(がん対策・緩和ケア)

先の国会での質問を受けて(がん末期に適したか介護保険にしてほしいを参照ください)、厚生労働省より、本日付けで通知Vol.170が出されました。早いですね。ありがとうございます!

でも、がんについて協議をしたり、研修をしたりしている市町村は動いていけるけど、そうでない多くの市町村では、なんでこんなに、末期がんの通知が来るんだ?なんて思っているのではないでしょうか。審査会委員もちゃんと理解できている人がいるといいのですが・・。それに、そもそも、主治医意見書がしっかり書かれていないと無理ですよね。
今からでも遅くありません。なんとか、迅速な対応をお願いします!!

末期がん等の方への福祉用具貸与の取扱等について

宮城県がさすがに動きが早いですね。その日のうちに出していくなんて、すばらしい。

要点は、ふたつ(一部省略しました。全文を上記で見てください)。

1.算定について
要支援者及び要介護1の者であっても、末期がんの急速な状態悪化等、疾病その他の原因により状態が急速に悪化し、短期間のうちに日常的に起きあがりや寝返り等が困難となることが確実に見込まれるものについては、市町村の判断により指定福祉用具貸与費及び指定介護予防福祉用具貸与費を算定することができます。
 なお、判断にあたっては、医師の医学的な所見(主治医意見書や医師の診断書等)に基づき判断され、かつ、サービス担当者会議等を通じた適切なケアマネジメントにより福祉用具貸与及び介護予防福祉用具貸与が特に必要である旨が判断されている場合、書面等により確認し、その要否を判断してください。

2.介護認定審査会が付する意見について
介護認定審査会は、審査判定の結果を市町村に通知する際に、サービスの有効な利用に関する留意事項について意見を付すことができます。
つきましては、末期がんの急速な状態悪化等、疾病その他の原因により状態が急速に悪化することが見込まれる方については、介護認定審査会において必要に応じ市町村への意見付記を活用していただきますよう、審査会委員への周知をお願いします。

2010年10月21日木曜日

がん末期に適した介護保険にしてほしい

藤田敦子のひとり言(がん対策・緩和ケア)

今日10月21日に
参議院厚生労働委員会において梅村さとし議員が
再度「がん末期の介護保険」について質問されました。
(介護保険は25:15から)。

その中でも、4月30日に出していただいた
「末期がん等の方への要介護認定等における留意事項について」への御礼がございました。
私も、いくつかのところで、当日に認定調査に来てもらえた、という感謝の言葉を頂いています。重ねて御礼申し上げます。

質問の中で、「申請が午後3時。調査がその日のうちに入り、19時にベッドを入れて、21時に亡くなられた。家族はとても感謝されていた」という事例の発表がありました。がん患者の為に、夜遅くにがんばってくださった事業所の皆様に、本当に厚く御礼を申し上げます。

でもね~、このような迅速な動きをしてくれる市町村だけではないわけで、どこに住んでいるかで、決まってしまうのも、なんだかな~と思います。
福祉用具については、現行の制度の中でも、短期のうちに悪化すると確定している場合は、要支援、要介護1でも、市町村の判断(ここが問題)で、福祉用具を借りることを認めていると宮島老健局長がお話しされていました。
要するに、全部、市町村によって差がでるわけです。

なんの認定調査もせずに、要介護2(私は要介護3)以上がほしいと言っているわけではないのです。
これから、高齢者の増加に伴い、認定調査を本当に間に合わせることができるのか、とても心配しています。がん患者の全員が申請時に必ず「がん、迅速必要」と言えればいいですが、現状ではそうではありません。窓口で「がん」と把握できなければ、通常どおり、要介護度が認定されるのは約30日かかるわけです。それでは遅すぎます。
寝たきりや認知症等のために作られた介護保険。そこに「がん」を加えて頂きました。
よりよい穏やかな最後の為に、介護保険はどうこたえてくれるのか、そこのところが問われているのだと思います。

私も、「終末期医療のあり方に関する懇談会」に出させて頂いています。もうすぐ会議があり、報告書が出てくることになっています。この会議は、医政局が仕切っています。

梅村議員が言われたように、次の医療と介護の同時改正のときに、医政局と老健局が一緒になって、「人生の集大成」のために介護保険はどうあるべきか、そこを議論して、つなげてほしいと願っています。
がん等の迅速な対応が必要な場合についての新しい認定調査の仕組みを、ぜひ、老健局や社会保障審議会で議論をして作ってほしいのです。国民としてお願いします!!

2010年8月17日火曜日

介護保険 末期がんに対応できず NPO調査(神戸新聞)

藤田敦子のひとり言(がん対策・緩和ケア)

ちょっとブログをお休みしていました。ぼちぼち始めます。

神戸新聞から
「介護保険、末期がんに対応できず、NPO調査」
という記事が出ていました。

私が梅村さんにご紹介した調査についてのご紹介です。
北海道新聞では、私へインタビューがあり、下記のコメントをしました。
「要介護3程度になるように、要介護認定調査基準を見直すなどをするべきだ」

神戸新聞が厚生労働省に問い合わせをしたところ
「末期がん患者のみ要介護度をあげるのは公平性に欠ける」とのこと。

別に高い要介護度をほしいと言っているわけではないのです。
実態にあった要介護度が出る仕組みを作ってほしいと言っているのです。
何度も変更するのは、税金の無駄だと思うのです。
死を前にした患者と家族に、余計な負担をかけないでください。
豊かな死、満足のある生、それを望んではいけないのですか!

全国の新聞社の皆様、メディアの方
それぞれの地域で記事を書いてほしいのです。
使える量を使えないほうが、不公平ではありませんか?
施設を20年近く使うわけではないのに・・・。

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介護保険関係の今までの記事
8月6日  がん患者が介護保険を上手に使うには
7月8日  介護保険 末期がんにも ばらつく自治体
5月20日 がんの介護保険特定疾病に「末期」は必要なの?
5月17日 長妻大臣と語る「みんなの介護保険」行ってきました
5月2日  末期がん等の要介護認定について(厚労省)
4月20日 がん末期の介護保険認定を迅速に
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2010年8月6日金曜日

がん患者が介護保険を上手に使うには

藤田敦子のひとり言

がんナビで、がん患者の介護保険について紹介がありました。

がんに負けないお金の話(3)がん患者が介護保険を上手に使うにはhttp://cancernavi.nikkeibp.co.jp/report/100803_01.html

がんで、介護保険を使う人は、是非読んでくださいね。
患者・家族、医療・福祉関係者、行政マンは読んで下さいね。
図も入れて、わかりやすい文になっています。

以前も書きましたが、緩和ケア病棟も、「末期がん患者」が使用の一文をはずしましたね。介護保険も、「がん」だけで十分です。「いのち」を大切にする国、豊かな死(最後まで大切に、生きていけること)がある国に、なんでならないんだろう。


在宅医にすぐに役に立ちそうな個所を、研究会の梁さんが抜粋して箇条書きしてくれましたので、小文字で紹介します。
1. がん患者の場合、訪問看護は医療保険で受けるのが一般的だが、その場合は自己負担は2~3割。介護保険なら自己負担が1割なので、介護保険で訪問看護を利用する人もいるという。しかし、訪問看護を利用する際に問題になるのは、がん患者が利用する場合に限らず、介護保険の認定には時間がかかることだ。

2. 藤田氏ら患者団体の訴えを受けて、参議院議員の梅村聡氏は、4月20日の参議員厚生労働委員会で、末期がん患者の介護認定の迅速化とがん患者の実情に合った要介護認定が行われるように制度の改正を求めた。これを受けて厚労省が、各都道府県と市区町村の介護保険担当課に対し、4月30日、「末期がん等の方への要介護認定等における留意事項について」という事務連絡(表1参照)を出し、介護認定の迅速化を促すことになった。厚生労働省老人保険局老人保健課は、4月30日、各都道府県と市町村の介護保険担当課に事務連絡を出し、がん患者の介護認定の迅速化を促した。

(ア)事務連絡にもあるように、居宅支援事業者に依頼してケアマネジャーに暫定ケアプランを作成してもらえば、要介護認定が出る前でも、特殊寝台(背中や足の部分が可動するベッド)のレンタルや身体介護などのサービスが受けられる。本人が入院中であれば、病院までケアマネジャーに来てもらい、ケアプランを立ててもらえばよいわけだ。

3. ただ、万が一、認定が下りる前に亡くなっても暫定ケアプランで利用したサービスの利用料に介護保険を適用してもらう(全額自己負担にならないようにする)ためにはポイントがある。
(ア)「暫定ケアプランで介護サービスを利用する際には、なるべく早く、市区町村か地域包括センターに申請を出し、要介護認定を受けるために必要な訪問調査を受けておくことが重要です」と、NPO法人姫路市介護サービス第三者評価機構理事長でケアマネジャーの田中洋三氏は強調する。実際には、翌日か翌々日には訪問調査を行うようになっているという。


4. 「要支援1、要支援2は、今よりも悪くならないように予防サービスしか受けられない状態です。いつ急変するか分からないがん末期の人に対して、介護予防のためのケアプランを立てることはできない。どう考えてもおかしい」と田中氏は憤る。
(ア)「要支援」にならないようにするコツ:介護保険の利用を申請する際、せめて「要支援」「要介護1」にならないようにするにはどうしたらよいのだろうか。
● 「『主治医意見書』の診断名を書く下に、『症状としての安定性』を書く欄があります。ここを『安定』ではなく『不安定』に印を付けてもらえば、コンピューター判定でも『要介護2』以上になる可能性は高く、少なくとも『要支援』にはならないはずです。
● 一部の市区町村の介護保険認定調査会では、主治医意見書の「特記すべき事項」に「末期がん」という記載があれば、「要介護2以上」にすると決めているところもある。しかし、介護保険の運用は自治体に任されているので、自治体によって、認定にかかる期間や要介護度などがん患者に対する対応に温度差があるのも確かだ。

(イ)「どこに住んでいても、がんの患者さんが介護保険を利用して自宅で最後の大切な時間を過ごせるようにするためには、デイホスピスや十分な訪問介護サービスも必要であり、『要介護3』程度になるように、国がコンピューター判定の要介護認定基準などを見直す必要があるのではないでしょうか、と藤田敦子氏は話す。

2010年7月8日木曜日

介護保険 末期がんにも ばらつく自治体対応

藤田敦子のひとり言(がん対策)

朝日新聞の記者さんからお電話を頂き、末期がんの介護保険問題について取り上げてくださるというので、丁寧に問題点などをお話ししました。

7月7日(水)朝日新聞朝刊に記事が出ました。上手にアップできず断念しましたが、ぜひ、読んでくださいね。

厚生労働省から4月30日に通知が出ましたが、この通知を引き出したのは、患者の要望(私が全国のみんなの声を国会議員に届けました)であること、通知が出ても、熱心な自治体は動いてくれるだろうが、がんに関心のない自治体では周知がされていない恐れがある。だから、患者や家族が、どんなふうに介護保険を使ったらいいのか、もし、低い要介護度が出たら、厚生労働省の通知が書いてある記事を持って、自分たちで、自治体に意見を言ってもらえるようにしてほしいというものです。

7月4日に千葉県で行った公開講座では、「この通知が出た後、1週間で認定まで行くようになり、助かっている」「申請した当日に調査が入るようになった」などの声が届けられました。でも、他県はどうなのか・・・。はがゆい思いです。
我孫子方式は、認知症だけでなく、がんにも適用されていて、申請者を一律「要介護2」とみなし暫定プランを組んでいると記事にありました。これって、いいと思いませんか?

今まで介護保険について書いたブログ
4月20日 がん末期の介護保険認定を迅速に

5月2日 末期がん等の要介護認定について(厚生労働省)

2010年5月20日木曜日

がんの介護保険特定疾病に「末期」は必要なの?

藤田敦子のひとり言(がん対策)

介護保険に対して、連続して意見を書いています(がんの介護保険を迅速に)。
40歳から65歳未満の第2号被保険者の特定疾病に「がん」が入りましたが、「医師が一般に認められている医学的知見に基づき回復の見込みがない状態に至ったと判断したものに限る」とされています。

がん対策基本法で、がん患者と家族の療養生活の質の維持と向上を目的に、緩和ケアを推進することになり、早期からの緩和ケアがうたわれています。
私も、がん対策に関する意見交換会で、緩和ケア病棟に入れるのが「末期の悪性腫瘍」となっていては、早期からの緩和ケアにならないと訴えました。在宅医療の補完やレスパイトの機能をつけること、地域と連携を行い、緩和ケア外来を充実させて、と伝えました。

今、治療の段階から、治療病院と地域の病院や診療所とつながっていく方式が取り入れられています。2010年度の診療報酬では、「がん治療連携計画策定料」「がん治療連携指導料」が新設されました。

患者と家族が、寝たきりになってから、あわてて申請するのではなく、もっと早期から、介護保険を使って在宅療養を送ろうと思って、申請することが大切ではないでしょうか。
介護保険の制度や財源問題から、ほかの疾病のように使える範囲を決めたとしても、ほかは「骨折を伴う」とか「初老期」とかそういう言葉です。

患者が見る介護保険の案内にショックを与える文言を入れる必要はないと思います!!
緩和ケア病棟と同じく「早期からの緩和ケア」を望みます!
緩和ケアを「死を待つだけのあきらめの医療(ケア)」にしないでください。

2010年5月17日月曜日

長妻大臣と語る「みんなの介護保険!」行ってきました


藤田敦子のひとりごと(がん対策)

5月15日に、厚生労働省で長妻大臣と語る「みんなの介護保険!」意見交換会があり参加してきました。(がんの介護保険迅速化についての御礼も言ってきました。そして別のお願いもしましたが、それはまた後日に書きます)



テーマは「利用者・家族の立場から、現行サービスの課題・改善点の提起」

午前中にほかの会議があったので、全体の事前説明に間に合いませんでしたが、自己紹介なども行ったようです。12人ぐらいを1グループにして、6グループありました。1グループに2人、課題を提起する人がいて、私は、施設の利用者・利用者の家族のグループでした。課題に対して、ポストイットに意見を記載し、発表します。そして、次に同じように、解決等についてポストイットに書き、意見を出しながら、提言をまとめます。最後に、それぞれのグループから発表を行います。な、なんと、どうも、初めての試みだったようです。私も介護保険に対してたくさんの意見を伝えてきました!


この意見交換会は、NHKでニュースになりました。



厚労相“介護者の医療行為容認も”


長妻厚生労働大臣は介護サービスの利用者やその家族との意見交換会に出席し、在宅サービスを充実させるため、たんを吸引する行為など一部の医療行為をホームヘルパーが行うことを認める方向で、制度の見直しを検討する考えを示しました。


この意見交換会は、介護保険制度が始まってことしで10年がたったことを受けて厚生労働省が開いたもので、介護サービスの利用者やその家族などおよそ70人が参加しました。会合の中で、長妻厚生労働大臣は「皆さんの意見を聞いたうえで、来月には新しい介護の将来像をまとめ、よりよい介護保険制度を検討していきたい」と述べました。そのうえで、長妻大臣は「利用者から要望が多い医療行為については、ホームヘルパーでも、一定の研修を受けたうえで行えるようにしていきたい」と述べ、在宅サービスを充実させるため、口の中にたまったたんを吸引する行為など、一部の医療行為をホームヘルパーが行うことを認める方向で制度の見直しを検討する考えを示しました。会合の中で、出席者からは「介護職員の数が不足しており、もっと報酬を上げるべきだ」といった意見が出されました。


2010年5月2日日曜日

末期がん等の要介護認定について(厚労省)

藤田敦子のひとりごと(がん対策)

4月20日に参議院厚生労働委員会にて、「末期がんの介護認定を迅速してほしい」と梅村議員より質問をしてもらいました(梅村議員の質問は、こちらのブログを参照くださいね)。
早速に動きがありました。

4月30日に、厚生労働省老健局より、介護保険最新情報として、「末期がん等の方への要介護認定等における留意事項について」事務連絡が、都道府県及び市区町村等介護保険主管課(室)あてに出されました。

一歩前進しましたね。早急な対応をありがとうございます。

さて、介護保険制度の範囲内の対応のため、意味しているところがわかりづらいと思いますが、患者側からのお願いとして書かせていただくと

介護を必要とさせている特定疾病名が、がんの場合は、主治医意見書に必ず書き、迅速な対応をお願いいたします(事務連絡では第2号ですが、第1号でも急を要する場合は必要だと思います)。姫路市が作った至急扱いの主治医の添付書類も参照ください。病院の主治医の方にも徹底してほしいと思います。

保険者が、急を要するかどうかの判断を、申請時にすることは難しいと思いますので、同日のうちに認定調査を実施し、直近の介護認定審査会で二次判定を行い、要介護認定を迅速に出してほしいです。
ここで再度のお願いですが、間違っても、「要支援」にすることのないようにお願いします。ADLは保たれますから、寝たきり度や問題行動で、がんを判断しないでください。パワーリハビリをするなんてありえないことです。徘徊する認知症の方が要支援にならないのと同じ考え方です。

訪問看護は、末期がんは医療保険で入りますから、介護保険で使用するのは、福祉用具(ベッドなど)、ヘルパー、訪問入浴あたりでしょうか。介護保険で訪問看護を使っている場合、そのまま介護保険で入っていくケアマネジャーもいますし、一人暮らしの場合、必要になるサービスは増えますね。夜間対応型ヘルパーが増えてデイホスピスなどもあるといいですが、これからの課題になりますね。

ほかにもいろいろありますが、この事務連絡によって、各都道府県及び市町村単位で、がん患者の介護保険について問題点を洗い出し、適切な要介護認定の実施及び介護サービスの提供を図っていただきたいと思っています。国へ要望するだけでなく、介護保険以外の公的サービスを作り出していただければ嬉しいです。

申請をする患者側も、患者本人は認定調査が来ると、無理をすることがありますから、普段の状態などを伝える努力も必要だと思います。ネガティブな「末期」という言葉はう~んと思っていますし、外来化学療法をしていると、いつが申請時か患者側にはわかりませんが、介護申請をしようと思ったら、認定の迅速を図れるようにしてほしいのです。

一番大変な思いをしているのは、がん患者と家族だもの。
皆様のご協力を平にお願いいたします。

2010年4月20日火曜日

がん末期の介護保険認定を迅速に

藤田敦子のひとりごと(がん対策)

行動星生まれの藤田敦子です(笑)。
都道府県がん対策患者委員が一堂に会した「がん政策サミット2010」の成果を具体化するために、サミットでお会いした民主党の梅村聡議員と、18日に大阪で日本ホスピス・在宅ケア研究会の理事面々と一緒に面談してきました。
今日、参議院厚生労働委員会で、梅村議員が、がん末期の介護保険の問題について切り込んでくださいました(インターネット中継4月20日梅村議員40:50頃)。私がお渡しをした研究会誌「ホスピスケアと在宅ケア」の、姫路市介護サービス第三者評価機構が投稿した「末期がん患者が十分な介護サービスを受けるための介護認定システム確立について―医療から福祉へ患者をどう繋げるか―」から、抜粋して質問をしてくださいました。

父が最期を迎える時、あろうことか、要介護4が要介護3に下がってしまいました。父は亡くなる直前まで自己負担が多くなると気にしておりました。ケアマネジャーから区分変更が行われ、死後、要介護4の通知が届きましたが、どんどん体力が落ちて食事もとれなくなっているのに、介護度が下がるなんて信じられませんでした。

講演会の中で、市川市医師会から、「介護保険申請をすると、即日もしくは翌日には認定調査に入って、意見書も至急取り付けて、直近の認定審査会で審査して、1週間で介護認定ができる体制をとっている」とご報告がありましたが、ほかの市では、なかなかそこまではいかず、認定は約3週間かかり、認定がおりる前に亡くなる人もいて、未認定のまま介護サービスを使っている場合は、患者の自己負担になるか、ケアマネジャーか事業所が負担している。また要支援になる人もいて、区分変更のやり直しがあり、それだけ手間をかけてもケアマネジャーの報酬は同じで評価は低く報われない等々、現状の報告がありました。

先のアンケート調査で、区分変更を行ったときの、最初の認定結果は、要介護1が48.6%、要支援1が25.7%、要支援2が20.0%、要介護2が5,7%でした。その後、区分変更を行った結果、要介護3が39.4%、要介護5が21.2%、要介護4が15.2%と、半数以上が要介護3以上になっています。

私は、がん末期(本当は末期もいらないと思っています)で、介護保険申請をする段階なら、即、要介護3でいくべきだと思っています。ADLの認定調査も必要ないと思います。意見書に、「がんで在宅サービス必要」にチェックしてもらって、それを直近の認定審査会で審査すればいいと思います。

2人に一人が、がんになる時代です。40歳から介護保険料を支払った国民が、いざ使おうとしたら、認定に時間がかかり、また、認定結果が現状に合わないために、十分な介護サービスを受けられないなんて、あってはならないことだと思います。
この問題について、国は迅速に解決してもらいたいです!

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4月30日後記
介護申請の過程を迅速にできない現状をなんとかしてもらいたいです。
認定調査、意見書、認定審査会のそれぞれの問題を解決してください。
10日間を判定できる仕組みが必要なんだと思います。

4月30日同日に厚生労働省から事務連絡が出ていました
末期がん等の方への要介護認定等における留意事項について(5月2日ブログ)
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