2014年5月21日水曜日

「最期まで自分らしく生きる」千葉県高齢者向け啓発DVD・リーフレット公開


千葉県では、終末期医療などを考えてもらう高齢者向けビデオ「最期まで自分らしく生きる」を制作し、ホームページ上で5月20日から公開するほか、DVDの貸し出しも行っていきます。貸し出し期間は2週間までとなっています。時間は約30分です。

県によると、2010年の県内の高齢化率は21.5%ですが、2040年には36.5%になると推計されています。超高齢社会になる千葉県において、人生の最終章の医療はどのようにあるべきか、2012年に「終末期医療等に関する高齢者向け啓発プログラムの開発、実施事業」有識者会議において、千葉県1万人意識調査を行い、2013年に啓発プログラムの作成と県内公開講座を行ってきました。

1万人意識調査の中で、自分に死期が迫っている場合「自宅で最期まで療養したい」人は31.6%、「医療機関に入院して最期を迎えたい」37.4%でした。でも、実際には、自宅は14.9%で、76.3%の人が病院で亡くなっています(人口動態調査2012)。また「延命治療を望まない」と考える人は多いものの、人生の最終章について、家族とまったく話し合ったことがない人が約65%もいることがわかりました。

もし、あなたが重病になったとき、認知症になり自分で意思表示ができなくなったとき、事故に遭って意識を失った時など、自分がどのような医療を受け、どのように過ごしていきたいのか、また最期をどう迎えたいのか、日頃から大事にしていることなども含めて、あなたに変わり、家族が判断し決断していくことになります。

最期まで自分らしく生きるためには、医療や介護などの制度を知り、自分の周りにどのようなサービスがあるのか知ることも必要です。このビデオでは、脳梗塞を患い、言語障害がある90歳の男性の最終章を、家族が考える内容になっています。また、主に在宅医療を受ける上での訪問診療や訪問看護、訪問薬剤管理、訪問歯科などの紹介や、リビングウィル、意思表明の意味と重要性、あらかじめ考えておくこと、話し合っていくことの大切さを伝えています。

本人の意思表示を焦点にしましたので、胃ろうなどの問題については触れていません。私たち有識者会議委員は、意思表示を「書面で残す」ことよりも、日頃から、「考える」「話し合う」「調べる」「整理する」ことが大事だと思っています。気持ちは絶えず揺れ動いていきます。何度でも、状況に応じて、話し合い、そして今の気持ちを伝えていきましょう。

今、医療機関や介護施設によっては、お気持ちを書面に残している所も出てきています。いつでも変えることができることを確認していくといいですね。

終末期医療等に関する高齢者向け啓発プログラム(動画)を作成~最後まで自分らしく生きる~
啓発プログラムの目的や内容、公開方法、DVDの貸し出し方法など

千葉県ホームページ千葉県インターネット放送局「最期まで自分らしく生きる」動画ページ
パート1 あなたは、人生の終わりの時期をどのように過ごしたいですか? 病状説明や千葉県調査の結果など
パート2 退院時調整会議と在宅療養を支えるサービスについて
パート3 最期を迎える場所についての県民意識調査結果や現状等について説明
パート4 家族との話し合いの重要性や意思表明について説明
パート5 在宅での看取りについて、体験談を中心に説明

平成24・25年度 終末期医療等に関する高齢者向け啓発プログラムの開発、実施事業
平成24年度事業報告書(1万人意識調査など)、25年度事業報告書、啓発プログラム(動画、リーフレット、ポスター)

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