by 藤田敦子です。
終末期医療のあり方に関する懇話会でヒヤリングを受けて発表したときに、「リビングウィルの法制化」には反対を表明しました(当日少し修正した内容)。患者側が経験したこともないことを、本当に理解ができるとは思えません。また、病院や医師によって、延命治療の内容が違っています。 こんな状態で、「法制化」が一人歩きすることは怖いことだと思います。日本ALS協会の橋本さんは、患者の意思が周りの圧力で変えられてしまうことを危惧しておられました。他の患者委員からは、「相談料」について、「相談ということになると、どうしても担当者の側に患者は引きずられていく」と同じことを言われていました。
がんの立場から言うと、緩和ケアを推進することが一番大切だと思っています。緩和ケアでは、「死を早めることも長らえることもしない」「死に至るまで可能な限り積極的に生きられるよう支援する」からです。必要なことは、コミュニケーションであり、患者が意思を表明できるように、理解できるところまで十分説明を行い、患者の思いを聴くことだと思います。 そして家族が患者の意思を尊重できるように、家族を支えることだと思います。
今回の指針を、7月5日の在宅緩和ケア公開講座にお呼びしている川島孝一郎さんはどうお考えなのでしょうか。
http://www.npo-pure.npo-jp.net/leafret/koukai090705.pdf
「国民も含めて、議論を深める」ことはとても大切です。
「死」を考えることは、「どう生きるか」を問うことですから。
私は、「がん」で発表しましたが、「他の疾患」、それに「救急」の場合と、意思がわからないケースはたくさんあります。
自分はどう生きたいのか、何を大事にしていくのか、【意思】がこれから大事になりますね。
終末期医療で患者の意思尊重 全日本病院協会が指針
民間病院を主体とする全国組織「全日本病院協会(全日病)」(東京都、西沢寛俊会長)は8日、終末期の患者に対する延命治療の継続や中止の判断について、患者の意思を尊重することを柱とした終末期医療の指針を発表した。
「終末期」について(1)医師が客観的な情報をもとに治療により回復が期待できないと判断(2)患者、家族、医師らが死を予測し対応を考える-などの要件を満たす場合と定義。その上で(1)延命治療の開始や継続に関する患者の意思を文書で残す(2)医療側は患者の意思を尊重し対処する(3)患者の意思が示されず推測不可能な場合は、医師や看護師、家族で話し合う-などとし、医療者と患者・家族双方のコミュニケーションを重視している。
厚生労働省で会見した徳田禎久常任理事は「指針は現場の医師らに強制するものではないが、医療現場で実効力を持った基準として活用できる内容を盛り込んだ。国民も含め、終末期医療に関する議論を深めるべきだ」と説明した。
終末期医療をめぐっては、厚労省が07年5月に「患者の意思決定を基本とし、チームで対応する」などとする国として初の指針を策定。同年10月には、日本救急医学会が患者の死に直結する呼吸器外しなどを容認する指針を作成している。
2009/06/08 20:40 【共同通信】
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