2014年3月9日日曜日

ニュースな人 がん患者と家族を支援 藤田敦子(毎日新聞2014)

ニュースな人 がん患者と家族を支援
在宅ケア市民ネットワークピュア 藤田敦子代表

「がんになった夫をずっと家で過ごさせてあげたいと思ったけれど、当時は家で診てくれる医師がどこにいるのかも分からなかった」。夫を亡くした30代の時の苦い体験が活動の出発点だ。当時在宅医だった服部義博医師との出会いがきっかけとなり、同じ思いをしている患者と家族をサポートするため、2001年にNPO法人「千葉・在宅ケア市民ネットワークピュア」を立ち上げた。

「ピュア」はまず、電話相談を開始。試行錯誤しながら情報誌を発行したり、在宅ケア講座を開いたりした。02年からは毎年2月に千葉市でケアフォーラムを実施できるまでに活動が広がった。在宅医や訪問看護師、ケアマネジャーらがパネリストで登壇するためか、毎回満席。今年も16日に開催したが、470人が会場を埋めた。

現在、千葉大福祉環境交流センターで週2回(火・金曜)の電話相談、がん患者と家族の集い、病院緩和ケアボランティアなどを手掛ける。多忙な活動をこなすのは「どこに住んでいても住み慣れた地域の中で、最期まで自分らしく生きられるような社会になればいい」と願うからだ。

超高齢社会を迎え、ピュアの活動もこれからが正念場だと思っている。「他職種とも手を取り合い、苦しみの中にいる患者と家族を支えていきたい」と話す。船橋市出身。【渡辺洋子】

毎日新聞 2014年2月25日

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