2013年1月17日木曜日

「心に残る医療」看護師からの提案 病院で結婚式を

地元千葉県@船橋市で、在宅医療の協議会に参加させて頂き、船橋市にはとても熱い思いを持つ、医療・福祉関係者がいることを知っていましたが、本日の読売新聞で、「心に残る医療」の厚生労働大臣賞を船橋市在住の秋田さんが受賞されたとありました。緩和ケアは、「がん」に特化しないプログラムや思いなんだと常日頃伝えていますが、こういう記事を読むととても嬉しいです。ネットで見れなくなるので、記事を入れさせて頂きました。

「心に残る医療」秋田さんに厚生労働大臣賞


第31回「心に残る医療」体験記コンクール(読売新聞社、日本医師会主催、厚生労働省後援、アフラック協賛)の一般の部で、船橋市二和東、会社員秋田久美さん(42)の「父が主役の結婚式」が、最高賞にあたる厚生労働大臣賞に選ばれた。

 闘病中の父親が作者の結婚式に参加できるよう、入院していた同市内の病院の看護師らが院内で結婚式を開催してくれたことについて、感謝を込めてつづった。

 父・玉井広昭さんは、糖尿病の合併症「糖尿病性腎症」で人工透析を受けていたが、2010年6月、足から大量出血し、切断を余儀なくされた。病状が日増しに悪化する中、秋田さんは結婚し、都内で式を挙げることを決める。しかし、玉井さんの容体は急変。2か月後に迫った結婚式への出席は厳しくなった。

 そんな時、看護師から突然の申し出があった。

 「お父さんの意識があるうちに、病院で式を開かせていただきたいのです。準備は全て行います。あとは娘さんの承諾だけです」

 結婚式は2週間後に催された。病院スタッフや入院患者が祝福する中、会場のリハビリ室に入ると、装飾された室内に、リハビリ用のマットレスを利用して作ったバージンロードが広がっていた。医師や看護師が楽器を演奏して盛り上げる中、主治医が牧師役となって結婚を宣言し、指輪を交換。玉井さんは検査を受けながらの参加だったが、最後まで満足そうに見守っていたという。

 玉井さんは1か月後に68歳で他界した。秋田さんは毎日仏壇で手を合わせる際、「お父さん、病院の人たちに感謝だね」と語りかける。式が終了する前に「2人とも健康で力を合わせて頑張って」と笑顔で言われた言葉が忘れられない。秋田さんは「父も受賞を喜んでいると思います」と話す。

 体験記で亡くなる直前に花嫁姿を披露できた喜びをこう結んだ。「先生、看護師さん、その他の皆様による企画と実行、結束力、思いやりに感動し、いまだに感謝の気持ちでいっぱいです」

(2013年1月17日 読売新聞)

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