皆様
大会会長の藤田敦子です。
平成24年8月31日~9月2日にかけて開催した第15回日本在宅ホスピス協会全国大会in船橋(主催:日本在宅ホスピス協会)は、盛会裏に終了しました。全国から約300名の医療・福祉関係者の参加があり、閉会式後に行われました市民公開講座には、約250名の一般市民等が参加されました。ここに感謝申し上げます。
協会による総会(講堂)本大会は、「最後の時を自分の家で自分らしく過ごしたい」という患者の思いの実現を目指して、「思い」を共有する医療、介護、福祉、行政、市民が集い、毎月1回の実行委員会を行い、セミナーハウスクロスウェーブ船橋で開催しました。
参加した医療・介護・福祉関係者は、8月31日に行われたウェルカムパーティー、9月1日の3つの教育講演、口腔ケア研修と分科会、懇親会、2日の分科会報告会の場で、顔と顔を合わせて、互いの職種による違いや、疑問や思いを本音で語り合いました。大きな学会とは違う、知り合い、深め合い、高めあい、癒やしあうことを目的としているため、オプションには太宰治が泊まったとされる「玉川旅館(画像)」での温泉(昼食付)や懇親会後の23時までの交流会なども設けています。
この日本在宅ホスピス協会は、がん緩和ケアのホスピスケアの部分に焦点を当て、患者と家族のQOLを最優先し、患者と家族が安心して家で過ごせるケアを実施するとした「在宅ホスピスケア基準」を作り、普及に努めています。
分科会11日に開催された分科会1「一人暮らしや介護力の低い人を地域の力で支えるため」では、地域住民も含めて、家で最期までが可能なこと、がん末期の患者さんの場合は在宅医療をする医師の訪問診療を入れること、在宅医の緩和ケア技術のアップには緩和ケア病棟医師のアドバイスを可能にする医師と医師との連携が必要なことなどが話されました。自治会の理解の下、一人暮らしを支えた事例などもあり、住居の問題もクローズアップしました。各地からの来た医師からの本音トーク、緩和ケア医が参加する中での意思の共有や連携の在り方の討議、市民からの声など、たくさんのことが得られた分科会でした。
分科会2「医療的ケアのある人を支える」は、厚労省担当者の介護職によるたんの吸引等制度の説明があり、医師から疑問、看護師からの医行為を介護職がすることへの不安などが話しあわれ、実際にケアを提供している介護職からの課題が出ました。会場から、ALSなどの患者も参加され、議論に議論を重ね、トータルヘルスプランナーでもある看護師の「ヘルパーが安全に行われるように教えることも看護師の大切な仕事」という話も出て、2日の報告では、介護職の吸引等は、平常時に行うものであり、異常時・緊急時にどう医療職につなぐかが大事という結論に至りました。
大研修室での口腔ケアや分科会2~4分科会3「がんターミナル期の褥瘡ケアのあり方を考える」では、在宅で手に入る簡単な材料や方法も活用し、多職種で情報共有できるかが大事という話になりました。翌2日の報告会で、小笠原会長から、「褥瘡ができてはいけないと、病院で2時間おきの体位変換を行い、それを在宅でも強いると、患者も家族も、ほとんど眠れなくなってしまう。ターミナル期をどう捉えるか、まずはぐっすり寝てもらい、患者と家族に笑顔が戻ってきてから、褥瘡ケアを行っていくことも大事ではないか」というアドバイスもありました。
分科会4「在宅ホスピスにおけるリハビリテーション」では、ターミナル期に、どうリハビリテーションを導入していくのか、患者の希望を、たとえ小さなことでも実現できるように、援助していくことが大事ではないかと、さいたま市、豊島区、柏市の事業所の実践報告がなされました。2日のまとめの中で、患者さんの笑顔も成果を図る大事な目安になるのでは、という意見も出ました。今回、大会の中で初めてセラピストの分科会を設けましたが、懇親会や交流会で、緩和ケア医や他職種と意気投合し、抱き合っている姿を見て、「理念」って共有できるんだな~、顔と顔と合わせてざっくばらんに話し合える場って大事だな~と深く感じました。
柳田邦男さんと小笠原文雄さんの市民公開講座は、多くの市民の方が大嵐の中参加してくださり、「最期まで自分らしく、明るく朗らかに、おひとり様でも大丈夫」という在宅ホスピスケアが求められていると感じました。当日は、市の職員も参加し、これからの地域包括ケアをどう作り上げていくのか、理念や知識を共有することができました。
次の大会は、平成25年9月27日(金)~29日(日)に浜松市(ホテルコンコルド浜松)で開催されます。詳細は、日本在宅ホスピス協会のホームページで紹介しますので、ぜひ、ご参加ください。
最後になりましたが、高木副大会長、永谷実行委員長、そして、忙しい中、19時半から始まる実行委員会に集った実行委員の皆様、また、当日、会場係などのボランティアとして集まって下さった方々、広報に協力して下さった関係機関、寄付や冊子広告、助成金を下さった皆様、惜しみない協力をして下さった船橋市担当職員の皆さん、実行委員会の会場提供など多くのサポートをして下さった板倉病院、クロスウェーブ船橋の職員の皆様に感謝申し上げます。ありがとうございました! 藤田敦子
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