藤田敦子のひとり言
がんになって、本当につらい気持ちをかかえているとき、あなたは、どんな相談支援を受けたいですか?
2011年2月15日にアミュゼ柏・プラザで、「がん患者・家族相談支援フォーラムin柏」が開かれた。
長崎、三重、大阪、千葉から、それぞれの相談支援についての報告がされ、その後、柏の利用者からのユーモアいっぱいの言葉に心がなごみ、そして、二部では、柏市医師会も交えて、現状の報告などが行われた。
長崎は、緩和ケア普及のための地域プロジェクトの中で、長崎市医師会の中に、「長崎がん相談支援センター」を開設している。地域の皆さんの身近な相談窓口として、また、緩和ケアと在宅医療推進のための拠点でもある。療養場所に関する相談以外に、がん診断・治療に関する相談、受診受領に関する相談などもある。病院の外にあるからこそ、がんを疑うときから、そして在宅療養中も含めて、相談にのることができるのだと思う。病院の色がない相談支援こそ、求められているのだと私は思う。
そして、三重県がん相談支援センターは、以前もこのブログで紹介したが、地域相談支援センターの草分けだと思う。たまたま、がんセンターなど中心になる病院がなく、対がん協会への相談が多いことから平成14年に生活支援事業が始まり、センターは平成20年に開設されている。場所は、三重県津総合庁舎内保健所棟1階である。拠点病院との違いは、入院中の患者でなく、通院中の患者、サバイバーや遺族の相談もあることである。7月からサロンおあしすが始まり、がん死別体験をわかちあう会が始まっている。三重県版患者必携を作るなど、ひとつずつが先駆的で先見性のある事業ばかりである。地域の視点で作られている北村さんのお話に、我が意を得たとうなづくばかりであった。
大阪府成人病センターは拠点病院の相談支援センターからだった。ここで特記したいのは、相談者が、本人より、家族が多いこと。院外からの相談としては、ほかの病院で治療困難と言われたが、どうしたらいいか。治療をできる病院を教えてほしいなど、病院の紹介と、この病院でできる治療内容についてだった。
先のふたつが、地域の相談窓口であり、拠点病院の相談内容との違いはだれが見ても明らかだった。
最後に、柏に作られた「がん患者・家族総合支援センター」の報告だった。ここの特徴は、サポート・グループを支援し、定期的に開催されていることだ。病院の中の相談支援センターでは、「緩和ケア・ホスピスの受診方法」など具体的な相談が多いが、地域にある支援センターでは、どの相談も均一にされている。また、地域包括支援センターからの相談もあり、医療と福祉の連携の拠点にもなっている。
厚生労働省では、平成23年度事業として、「地域統括相談支援センター」が目玉になっている。心理面、生活介護面、医療面など、さまざまな分野に関する相談をワンストップで提供できる体制を作るのである。
今回話を伺い、三重県は対がん協会が運営、保健所にあり、長崎市は現在は医師会、今後市の中心地に作るという。拠点病院にある相談支援センターは自院の患者の相談でいっぱいで、地域におりてはこない。また、はっきりと「がん」とならなければ相談することもない。病院の色をつけない相談窓口を作っていくべきだとフォーラムを聞いて思った。
最後に、終了後の懇親会に参加させていただき、楽しいひと時を持つことができた。国立がんセンター東病院の江角先生、木下先生、皆様、柏市医師会のN先生、本当にありがとうございました!柏市の在宅医療も少しずつ進んできているのですね。
講師の皆様、意見交換ができて、とっても楽しかったです。がんサロンの運営やさまざまな問題への対処など、同じ立場の皆様との意見交換は勉強になりました。またいつの日が、このような場があるといいな~と思いました。たくさん呑んで、たくさん笑って、たくさん勉強できた一日でした。
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