2010年3月16日火曜日

「ドラッグ・ラグ」と「コンパッショネート・ユース」

リポーター陽子のがん情報

ドラッグ・ラグとは
欧米で承認されている医薬品が、我が国では未承認であること。
開発から承認までに要する時間についての調査(日本製薬工業協会)では
米国と日本では平均2.5年のドラッグ・ラグがあるとのこと。

そんな中で、問題になってくるのが「個人輸入」。
欧米で承認されている医薬品を
個人の責任において輸入することは
法的に禁止されていません。
昨今のインターネットの普及に伴い
氾濫する医薬品輸入代行の広告による
安易な個人輸入による健康被害が発生しています。

そこで「コンパッショネート・ユース」の制度の導入が
日本でも必要ではないかと言われています。
やむを得ず未承認薬を使用するコンパッショネート・ユース。
欧米では、重篤な疾患で代替治療法がない場合など
患者や主治医がその責任下において輸入することを制度として認めています。

厚労省の
「有効で安全な医薬品を迅速に提供するための検討会」の報告書(平成19年7月27日)でも
検討すべきではないかとされています。

また、卵巣がん体験者の会スマイリーの代表・片木美穂さんは
次のような「日本版コンパッショネート・ユース制度」を提案しています
それは
「例えば学会が使用を要望しているなど
高い必要性と信頼性が求められる医薬品であれば
先に保険償還する。
保険償還とすることで
医師が療養担当規則(保険医が保険診療を行う上で守らなければならない基本的な規則を具体的に定めた厚生労働省令)を破ることなく
混合診療の問題にもならない配慮を行い、販売した費用と集めたデータをもとに承認申請をするような仕組み」
だそうです。

参考:厚労省有効で安全な医薬品を迅速に提供するための検討会・報告書

「がん臨床試験と患者の視点」2009年12月号

厚労省の報告書が、平成19年(2007年)。
スマイリーの情報誌は、2009年12月号。

う~ん、一日でも早く
患者さんたちに朗報が届けられることを
祈りたいと思います。

そして、少しでも社会の関心が高まるよう
な情報提供ができればと
微力ながら思っています。

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