藤田敦子のひとり言(がん対策・緩和ケア)
9月11日(土)に、浜松市にある坂の上ファミリークリニックの5周年記念講演会に基調講演者として出かけてきました。
浜松市は、国の「緩和ケア普及のための地域プロジェクト」が行われている地域で、全国では、山形県鶴岡市、千葉県柏市、長崎県長崎市、そして静岡県浜松市の4つで行われています。
開院5周年ということでしたが、医師、訪問看護、ヘルパーがいる大規模在宅療養支援診療所でした。講演会には、医師会の担当者もいらしていて、共に【地域を支える】ために力を合わせておられることに、私は感激しておりました。病院と診療所、在宅専門診療所と開業医、この2つが敵対していたら、絶対にダメなんです。私たちは、できれば、地域の開業医を信頼して、いのちを託していきたいのです。顔色をうかがいながら、医師探しをするのは嫌なのです。
今回、私自身の体験の話やがんサロンなどの実践、また相談事例などを交えて、患者側の考えを発信してきました。千葉県がんセンターを起点とした地域連携のお話もしてまいりました。
近藤克則氏が書かれた「医療費抑制の時代を超えて」にイギリスのホスピスの患者の流れについて書かれていて、「筆者らが驚いたのは、ホスピスが果たしている役割全体から見ると、入所で看取る比重が予想以上に小さかったことである。逆に言えば、在宅ケア部門やデイケアの役割の大きさである」と入所を中心とした日本のホスピスとの違いは予想以上であったと結ばれていました。
この浜松市は、聖霊浜松病院、聖霊三方原病院があり、日本のホスピス・緩和ケアの草分けで、今までは、在宅ケアの力が弱く、最後はホスピス・緩和ケア病棟で亡くなるパターンが多かったとお聞きしました。この浜松市が、世界の緩和ケアの流れをチャッチして変わっていったら、日本全体が変わっていくのではないかと私は思いました。医師だけでなく、薬局、看護や介護、そして市民団体や精神保健センターの方もメンバーになっていて、あながち夢ではないと思っております。
今回、小野宏志院長、青木茂先生、そして多くのすてきな方々のお人柄に触れることができました。ありがとうございました!浜松のネットワークが発展されますことを祈念しています。
学会で講演するのとは違った意味で、私も勉強になり、これからも、いろいろな場所でお話しさせて頂こうと思いました。
さてさて、そうは言っても、10月8日~10日は、在宅ホスピス協会全国大会in岐阜、11月6日・7日は、日本死の臨床研究会年次大会in盛岡でお話ししなければいけませんね。たくさんの方に私の考えを知って頂く機会なので、準備をしっかりとして、役目を果たしていきたいと思います。緩和ケアを世界標準にしていきたいです!
2 件のコメント:
坂の上ファミリークリニックの青木です。11日の講演では、多くの参加者に感動を与えて頂き、有難うございました。 参加者からも”記念講演にふさわしく、参考になった””藤田裕子さんって何者名ですか?普通の主婦があんな活動はできませんが?”など絶賛でした。パネルディスカッションでの私のメチャ振りにも対応頂き有難うございました。 13日には聖隷2病院と同様、地域癌診療拠点病院の県西部浜松医療センターでデスカンファレンスを行いました。60歳胃がんの方ですが、病院主治医や病棟スタッフの思い、ケアマネージャーの思いを伺い、我々の行ったケアの経過を報告し、症状緩和だけでなく、その方の生きざまを支え、ご家族をどのように支えたのか報告しました。スタッフの涙もありましたが、時に涙がパワーになる事を実感しました。今後も在宅緩和ケアの地域での普及に協力できればと思っています。
これからも藤田さんはいろいろな方面で活躍されると思いますが、ハードワークにならないようにご自愛ください。
本当に本当に素晴らしい講演、有難うございました!!
茂様
藤田です。
すばらしい浜松での取り組みを知ることができ、お招きを感謝しております。
また、どこかでお会いできますことを楽しみにしております。皆様にも、どうぞ、よろしくお伝えください。私も、生きることを支援する緩和ケアの普及のため、がんばります!
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