2010年12月24日金曜日

『兄のランドセル』いのちの政治家山本孝史物語

藤田敦子のひとり言(緩和ケア・がん対策)

12月22日は、がん対策基本法を作った山本孝史さんの三回忌にあたる。奥様のゆきさんからメールを頂き、山本孝史さんのいのちをかけた58年をつづった「兄のランドセル」の出版記念が虎ノ門であり、会場へ行った。その日は夜に別件があり、残念ながら、講演会には参加できなかったが、1月販売で、まだ手に入れることができない本を買うことができた。

表紙にいのちをかけてがん対策基本法を成立させてくれた山本孝史さんがいる。最後のいのちを振り絞りながら、がん対策推進協議会にも出て、患者・家族委員からへアドバイスを送っている姿を私は何回も見ている。「自分には時間がないんだ」そうしきりに言っていましたね。

あの時、私たちも、真剣だった。忙しい時間の合間に、国会議員の元へ行きました。今の現状を知ってもらいたいとお願いをしていったのです。私は最後の最後、がん対策基本法をまさに作るときの参加だけど、彗星のように現れた山本孝史議員とお話しできた幸運に感謝しています。
この本には、山本孝史さんからのいのちのメッセージがいっぱい詰まっています。「命を守るのが政治家の仕事」と山本さんは言います。生きていたらとどれほどの人が思っていることか、本当に残念で仕方ありません。山本さんが目指したのは、『誰もが人間らしく生き、ふつうに暮らすことができる社会』です。今、私たちが会いたい政治家は、山本孝史さんでしょう。同じ志を持つ人が出てきてほしいものです。

『兄のランドセル』いのちの政治家山本孝史物語
 山本ゆき著 朝日新聞出版 定価1,575円(税込)

がんサポートという雑誌の最新号に、尾辻先生の対談記事が掲載されています。見出しには、「発言の場があるのに、なぜ患者は力を発揮できないのか」「患者は文句を言うだけではダメ。政治を変えるのは命がけの訴えと力が必要」とあります。先輩がん患者たちの命をかけた行動が、山本孝史さんを動かし、そして法案成立に命をささげられました。そのバトンを受け取る人は、全国の命の叫びを、命をかけて伝えていく人だと、私は思っています。
ぜひ、山本孝史物語を読んでくださいね。

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