2011年8月8日月曜日

対人援助職トレーナー奥川幸子氏に学ぶ

NPOピュアの藤田敦子です。

5月から、月1回のペースで開催されている、奥川幸子先生のグループスーパーヴィジョンに参加している。奥川先生は、24年間、老人医療の現場で医療ソーシャルワーカーとして勤務され、1984年からグループスーパーヴィジョンを開始されている。1994年から現在まで「介護力強化病院連絡協議会(現・日本療養病床協会)ソーシャルワーカー部会顧問。2007年4月より日本社会事業大学専門職大学院客員教授。ほかに国際医療福祉大学大学院乃木坂スクール講師、学習院大学社会学部非常勤講師などをされている。

偶然、千葉県の医療ソーシャルワーカー協会50周年記念にゲストとして参加し、そこで奥川先生の講演を初めてお聞きした。私の知っているソーシャルワーカーとは全然違う、はっきりとした物言いにびっくりし、その後、国際医療福祉大学大学院乃木坂スクールでそのお名前を目にし、日頃、NPOの中で「ターミナルケアの相談員」として行っていることの検証や自己成長のために、スーパービジョンを受けたいと直訴して、実践研修を受けている。

7月はちょうど施設の相談員からのターミナル事例だったが、私自身が行っていることは間違っていないことを確信できた3時間だった。これは本当に嬉しかった。ただ、対人援助専門職として真のプロフェッショナルになるには、私自身の大きな成長が必要だということも実感した。自分自身が可能にしていることを「言語化」し、他者が吸収し成長していくことをサポートしていけて、初めてプロの階段を歩いていくのだと思った。

奥川先生は、25年の実践の後に、『未知との遭遇~癒しとしての面接』を出され、その後、10年の歳月が経た後に、『身体知と言語~対人援助技術を鍛える』(なんと712ページ)を出されている。まず、本の厚さに圧倒され、言語にクラクラしてくるが、ここに書かれていることは、ソーシャルワーカーでなくても、相談支援やコミュニケーション力を発揮する必要のある人に必見ばかりだった(まだすべてを読みこめていないが、次回の講義までには読破する予定)

この春にデンマークへ行ってきたと何回も書いているが、そこはプロがいる世界だった。子供が生まれると、一人、家庭医(かかりつけ医)を決めていることは結構知られているが、ソーシャルワーカーを決めていることは知られていないのではないか。医療と相談支援。これが、この世に生を受けて、必ず必要になるものだと、デンマークの人々は知ってる。

これから日本は、地域包括ケアの世界へ入っていく。クライアントの真の悩み、希望を受け止め、それを可能にしていくためには、エンド・オブ・ライフケア(ターミナルケア)を理解している優秀な援助者が必要になってくる。

奥川先生のスーパーヴィジョンに参加して、事例検討からの気づき、学びが一番であり、そしてできれば、さまざまな視点(職種や場所など)が入ってきたほうがおもしろいし、勉強になるとより深く思うようになった。

私自身も講師として講義・演習を行っているが、一人でも多くの人がクライアントの「自律」を支援できるようなプログラムを開発できるよう、これからも切磋琢磨していきたいと思っている。

0 件のコメント: