2010年11月4日木曜日

第48回日本癌治療学会学術集会に参加して

藤田敦子のひとり言(がん対策・緩和ケア)

2010年10月28日~30日に、京都で開催された第48回日本癌治療学会に参加してきました。昨年も、がん患者・支援者スカラーシッププログラムがありましたが、今年はグレードアップされて、年々、協働の形が整ってきた気がしました。
私は、情報と緩和ケアを中心に回ってきました。
全体的に、パネルディスカションの中で、患者の発表が多く入っており、また、治験に関する映画上映も行われて、医療者と患者の協業の姿勢がたくさん見られました。

アドボカシーラウンジでは、アメリカNCCSのSellers氏が、アドボカシー(権利の主張、弁護、支援)について紹介されました。サバイバーについては、「がん診断後の人生を生きるがん経験者」と言い、「がんとともに、がんを乗り越えて生きる生き方」をサバイバーシップと呼ぶそうです。
自分自身のアドボカシーでは、患者が支援ツールやスキルで自分自身を磨き、自分の意見を医療者や他の人に伝えることができるようにしていきます。これは、日本で言えば、これから出される「がん患者必携」が使えそうな気がします。
地域コミュニティでのアドボカシーでは、地域コミュニティのイベントで話をしたり、がんと診断された人の相談に乗ったりすることだそうです。これも、患者会活動や地域サロンの活動が当てはまると思いました。

最後の公益のアドボカシーは、政策立案者との協調によるがん医療制度の変革や、改善を目指した活動をすることだそうです。これも、今、日本では都道府県がん患者委員が国や都道府県に働きかけを行っています。あさってから、また、がん政策サミットが東京であります
日本においても、少しずつですが、がん患者組織のパワーアップが図られていて、さまざまなステークホルダーとの協働ができるようになってきましたね!




最後の教育セミナーが、緩和ケアと精神腫瘍学だったことに驚きました。メインホールにいっぱいの人がいて、学会の中で緩和ケアを届けると生存率がアップするという発表もあり、その影響も大きいのかと思いました。

早期からの緩和ケア、治療と並行に届ける緩和ケアが進んでいきますね。でも大事なことは、最後まで大切にしてもらえていると感じることなんです。それを忘れないでほしいです。

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