ピュアの藤田敦子です。
日本内科学会のホームページに、内科医のための災害医療活動がまとめられている。
サバイバルカードの形で、「災害時に自分と家族、地域、被災者を守るために」となっており、災害時の「超急性期 最初の2日間」から「3日目以降編」、「医療支援編(避難所編)」、「災害拠点病院編」、「内科学メンタル編(精神医療支援編)」に至るまで、内科医をはじめ、災害発生時の医療現場に有用な情報を掲載した内容になっている。(情報は、PDFでまとめられている)
内科学メンタル編は、医師でなくても参考になる。今後、重要になると思われるので、一部を記す。
被災者の心理的反応は、①現実不安型(何とか対話は可能。災害被害の原因規模、程度、援助の内容がわからないによる現実的な不安)、②取り乱し型(強い不安のために、落ちつきが無くなり、じっとしていることができない、動悸・息切れ・発汗・感情的乱れなど)、③茫然自失型(予期しなかった恐怖、衝撃のために、一見すると思考や感情が麻痺または停止したかのように思われる状態)
初期の心理対応としては、
【基本的態度】心理対応をする必要はなく、目を見て、普段よりもゆっくりと話す。短い文章で明快に、本人が一番関心のあることを話す。歩きながら、横を見ての話しかけは禁物。取り乱さないで行動させることが目標
【心理教育】としては、不安、心配は当然であり、自然に落ち着くこと(惨事ストレスは除く)。呼吸法の訓練。カフェイン、飲酒、喫煙が増えないように。心配で、話が耳に入らない、ミスが増えたとき、2日間眠れなかったとき、動悸や息切れで苦しいと感じた時は受診を指示する。
【惨事ストレスへの対応】
悲惨な死体、負傷の目撃多数、損傷、家族・知人・子どもの死体などの惨事ストレスがあった場合は、PTSDや悲嘆反応の長期化など危険がある。一律に保護をし、必ず数カ月の経過を見ること。専門的医療が必要となるケースが少なくない。この場合は、自然回復モデルでの説明をしない。本人は必ず大丈夫というので、本人の訴え、症状でケア不要と判断しないこと。また、この惨事ストレスは、業務のため目撃しやすく、弱音をはけない救援者にも生じやすい。
また、この内科学メンタル編には、遺族への対応も載っている。死亡告知の行い方、損傷のひどい遺体との対面の仕方、遺族への心理的配慮などがまとめられている。
十分な悲嘆ケアを行うことが必要です。ぜひ、読んでください。
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